さて、今週も活字版IMM取組残高分析をお届けします。
まずはドル円相場の取組のネットポジションから見ていきましょう。
<ネットポジションのグラフ>
先週開催された米国の連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、ポジション調整を行う市場参加者の動きが強まり、引き続きドル円相場は調整局面が続いていました。
こうした中で、ヘッジファンドなど投機筋の取組も、ドルの買い越しを調整する動きが続いていました。その結果、ドルのネットポジションは61,890コントラクトまで、買い越しが減少しています。
<全通貨のネットポジション>
続いて全通貨に対するネットポジションのグラフです。
市場が注目していたFOMCを控えて、全体的にポジション調整が進みました。
その結果、ポンド、スイス、メキシコペソなどは、一段と中立的な方向に動いています。
<前週比グラフ>
次に前の週と比較した取組高の変化を示すグラフをみて見ましょう。
まず円ですが、このところ円を買い戻す動きが続いていましたが、今回はFOMC前のポジション調整も相まって、その動きは継続しているようです。
円は前の週に比べて11,016コントラクトの買い越しとなっています。
次にユーロです。このところ欧州危機の見方が和らぎ、週の前半はテクニカルにも強気の展開となっていました。こうした中で、ドルに代わって買われやすい展開が続いていた模様で、今回はネットポジションでも一気に買い越しに転じる展開となりました。
ユーロは前の週に比べて27,563コントラクトントの買い越しとなっています。
続いて、このところユーロに追随する動きを強めているポンドですが、今回も大幅な買い越しとなりました。
ポンドは前の週に比べて33,281コントラクトの買い越しとなっており、ネットの売りポジションは、解消がかなり進んできました。
そして、今週最も大きな動きを見せたのがメキシコペソです。FOMCを控えたタイミングで、FRBが超金融緩和政策の出口を探っている、との見方が強まる中、その影響が新興国に及ぶとの憶測も強まっていました。こうした地合いを受けて、メキシコペソは前の週に比べて、42,825コントラクトの大幅な売り越しとなりました。
さて、注目のFOMCでは、これまで流動性を供給していた債権買い取りプログラムを、数ヶ月後に縮小する事が説明され、超金融緩和政策からの出口をはっきりと示しました。これによって、ドル金利の先高感が出て来ており、再びドルが底堅い展開となっています。
今週はこのドル高回帰の動きが、継続するのかどうかを確かめる週になりそうです。
グラフを交えた動画版は、こちらのリンクからどうぞ!
http://www.forextv.jp/Video/Video.php?id=uh-PC92H28E