外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

IMM残高分析-活字版「調整継続でポンドやペソもスクエア方向「金利先高観からドル高の行方が焦点に。」

2013-06-24 17:32:33 |   -【特集】IMM残高分析

さて、今週も活字版IMM取組残高分析をお届けします。
まずはドル円相場の取組のネットポジションから見ていきましょう。

<ネットポジションのグラフ>
先週開催された米国の連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、ポジション調整を行う市場参加者の動きが強まり、引き続きドル円相場は調整局面が続いていました。

こうした中で、ヘッジファンドなど投機筋の取組も、ドルの買い越しを調整する動きが続いていました。その結果、ドルのネットポジションは61,890コントラクトまで、買い越しが減少しています。

<全通貨のネットポジション>
続いて全通貨に対するネットポジションのグラフです。

市場が注目していたFOMCを控えて、全体的にポジション調整が進みました。
その結果、ポンド、スイス、メキシコペソなどは、一段と中立的な方向に動いています。

<前週比グラフ>
次に前の週と比較した取組高の変化を示すグラフをみて見ましょう。

まず円ですが、このところ円を買い戻す動きが続いていましたが、今回はFOMC前のポジション調整も相まって、その動きは継続しているようです。
円は前の週に比べて11,016コントラクトの買い越しとなっています。

次にユーロです。このところ欧州危機の見方が和らぎ、週の前半はテクニカルにも強気の展開となっていました。こうした中で、ドルに代わって買われやすい展開が続いていた模様で、今回はネットポジションでも一気に買い越しに転じる展開となりました。
ユーロは前の週に比べて27,563コントラクトントの買い越しとなっています。

続いて、このところユーロに追随する動きを強めているポンドですが、今回も大幅な買い越しとなりました。
ポンドは前の週に比べて33,281コントラクトの買い越しとなっており、ネットの売りポジションは、解消がかなり進んできました。

そして、今週最も大きな動きを見せたのがメキシコペソです。FOMCを控えたタイミングで、FRBが超金融緩和政策の出口を探っている、との見方が強まる中、その影響が新興国に及ぶとの憶測も強まっていました。こうした地合いを受けて、メキシコペソは前の週に比べて、42,825コントラクトの大幅な売り越しとなりました。

さて、注目のFOMCでは、これまで流動性を供給していた債権買い取りプログラムを、数ヶ月後に縮小する事が説明され、超金融緩和政策からの出口をはっきりと示しました。これによって、ドル金利の先高感が出て来ており、再びドルが底堅い展開となっています。

今週はこのドル高回帰の動きが、継続するのかどうかを確かめる週になりそうです。

グラフを交えた動画版は、こちらのリンクからどうぞ!
http://www.forextv.jp/Video/Video.php?id=uh-PC92H28E

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IMM取組残高分析-活字版「IMM-残高調整が主流、ユーロはスクエア「アメリカ金融政策の行方が焦点に。」

2013-06-17 13:57:55 |   -【特集】IMM残高分析

それでは、今週もIMM通貨先物残高分析の活字版をお届けします。まずは、ドル円相場における取組のネットポジションから、見ていきましょう。

<ネットポジションのグラフ>
日米の株価が乱高下し、市場にはリスク警戒感が高まっています。さらに先週開催された日銀の政策決定会合では、追加的な刺激策が打ち出されなかった事から、ドル売り円買いが加速する展開となりました。

こうした中で、ヘッジファンドなどの投機筋は、ドル買いポジションを調整する動きを強めている模様で、ネットポジションのドルの買い越しは、72,906コントラクトに減少しています。

<全通貨のネットポジション>
続いて、全通貨に対するネットポジションのグラフです。

全般的にリスク警戒感が高まる中で、ポジションを調整する動きが主流となっています。円は買い戻され、ユーロの売り越しも、中立的な水準まで調整されています。

<前週比グラフ>
次に前週と比較した取組高の変化を示すグラフをみて見ましょう。

まず円ですが、リスク警戒感が蔓延しつつある中、日銀が追加的な緩和策を打ち出さなかった事による失望感などから、円を買い戻す動きが活発化しています。相場は引き続き、円安地合を調整する局面が続いています。
円は前の週に比べて、9,838コントラクトの買い越しとなっています。

続いてユーロです。ドルが軟調地合いとなる中、相対的に買いが集まりやすい状態に加えて、ヨーロッパに対するリスク警戒感が低下している事も、追い風となっています。こうした状況を受けて、ユーロを買い戻す動きが急速に進んだ模様です。
ユーロは前の週に比べて、44,088コントラクトの大幅な買い越しとなっています。

こうしたユーロの動きに合わせるように、ポンドも大幅な買い越しとなっています。ポンドは前の週に比べて、24,051コントラクトの買い越しとなっています。

一方、資源市場が低迷する中で、オーストラリア・ドルは引き続き軟調な展開となり、前の週に比べると、4,727コントラクトの売り越しとなっています。
また、メキシコペソもリスク警戒感の高まりから、ポジションを縮める動きが活発となっており、前の週に比べて、19,097コントラクトの売り越となっています。


さて、今週はイギリスではG8が、そしてアメリカではFOMCが、それぞれ開催される予定です。

G8については、為替問題が取り上げられる可能性は乏しい一方で、FOMCについては、FRBの金融政策の行方を占う上で、注目度は高い状況にあります。

今週も引き続き、アメリカの金融政策の行方を軸に、相場を注視して行きたいと思います。

以上、動画での試聴は、下記URLからご覧ください。
http://www.forextv.jp/Video/Video_IMM.php?id=_bkEqGmn74o

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IMM取組残高分析 活字版‐集計時点では円買戻し進む「円安からシフトしたドル安相場、継続か否か」

2013-06-10 15:01:39 |   -【特集】IMM残高分析

さて、今週もIMM取組残高分析の活字版をお届けします。
まずはドル円相場の、取組のネットポジションから見ていきましょう。


<ネットポジションのグラフ>
今回のデータ集計時点では、ドル相場の調整が続いていた地合いで、ドルの上値波乱の展開でした。こうした中、もう一段の調整局面を見込んでいた、ヘッジファンドら投機筋は多かった模様で、今回もドルの買い越しポジションを、調整する動きが出ていました。
 ネットポジションのドル買い越しは、82,744コントラクトに減少しています。

<全通貨のネットポジション>
続いて、全通貨に対するネットポジションのグラフです。

引き続き主要通貨は対ドルで売り越される一方、NZドルは殆どスクエアになり、メキシコペソだけが買い越しを維持する展開となっています。

<前週比グラフ>
次に前の週と比較した、取組高の変化を示すグラフをみて見ましょう。

まず円ですが、
急速に進んできた、円安地合の調整局面が続【く(集計時点)】いており、ヘッジファンドら投機筋は、積み上げてきた円売りポジションを、取り崩す動きを見せています。
 円は前の週に比べて、17,025コントラクトの買い越しとなっています。

続いてユーロですが、
今回は大きな動きを見せています。アメリカFRBの、金融政策の行方が注目される中で、ドル安地合に相場のトレンドが傾いており、相対的にユーロを買い戻す動きが活発化しています。
 ユーロは前の週に比べて、33,023コントラクトも買い越される展開となっています。

また、日米欧など主要国の株式相場が、一旦調整局面を迎える中で、リスク警戒感の高まりから、高金利通貨のポジション調整も起きています。
オーストラリア・ドルは前の週に比べて、16,243コントラクトの売り越しとなり、メキシコペソも37,993コントラクトの売り越しとなっています。


さて、先週の後半には、更に大きくドルが対主要通貨で売られる展開となっています。ドル円相場は100円を大きく割り込み、ユーロドル相場も1.32台を越える動きを見せています。

今の市場は、日銀による異次元の金融緩和を背景とした円安相場から、アメリカの景気動向を注視しているFRBによる、金融緩和からの「出口」タイミングに、市場の関心がシフトしているように思います。

今週も、アメリカFRBがおこなう金融政策の行方に対する思惑で、ドル相場が大きく振れる展開が見込まれますが、調整もかなり進んできているのは確かです。今週はこの水準からまだドル高からの調整が進むのか、再びドル高地合に戻っていくのか、この点に注目して見ていきたいと思います。

【お知らせ】
◎ 一目均衡表6月勉強会の日時が確定しました。
6月14日金曜日、いつもの水道橋で19:00から開催されます。詳細、お問合せ、お申込みは、一目均衡表公式ホームページからお願いします。

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ドル円100円を割り込んだ印象

2013-06-04 11:44:15 |    -ドル円

こんにちは、単独の投稿は久しぶりとなりました。

昨夜は思いがけずドル円が100円を割り、相場は少し下に走りました。100円と言う節目だっただけに、買いで臨んだ方、売りで臨んだ方、それぞれだったと思います。
たまたま、リアルトレードの方でドル円に取り組んでおり、100円前後の動きに注目していたのですが、実はあまりの睡魔に、23時頃一度、落ちてしまいました。携帯やらスマホやらがあまりに着信音を連発したことで目覚めた時には、既に割り込んでいました。

100.03辺りから戻すところまで記憶はあるのですが、割れる前の印象は、節目を前にさすがに底堅いというものでした。ただ、上昇時と地合いが異なるため戻りは非常に限定的で、何れは試すという想定は大体付きました。

100円割れの瞬間こそ見逃したものの、99.50、99.00を割れる現場を目撃して得た印象は、99.50割れのストップは相当大きかったということです。


恐らく、100円前後で試しに買った向きの投げも手伝ったと思うのですが、99円を割れる前の揉み合いは殆ど無かったことから、99円を付けずしてロングを吐けなかったほどの売りが50で浴びせられたような感覚でした。

今日午前中に99.80を越える戻しとなったのは意外でしたが、下落のステージから持った印象は99.50は目先、意識する必要がある水準だということでした。大きな円安の流れを否定する兆しはまだ見受けられませんが、昨日の下落を消化しない限り、直ぐに円安再開と言うのも難しく思えます。その先、調整をもう少し伸ばすのか、円安を再開するかは、やはり今週末のアメリカ雇用統計結果次第なのかも知れませんね。

短期チャートはすぐに消えてしまうため、記録の意味も兼ねてみました。

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IMM取組残高分析 活字版‐円売減速も調整色強まる「米国金融緩和出口策の思惑がリスク懸念材料」

2013-06-03 13:42:37 |   -【特集】IMM残高分析

さて、今週もIMM残高分析の活字版をお届けします。
まずはドル円相場の取組のネットポジションから見ていきましょう。

<ドル円相場とネットポジションのグラフ>
早いペースで上昇を続けたドル円相場ですが、一旦調整局面を迎えています。しかし、大きなトレンドとしてはドル高円安地合に変化が無いと判断している投資家は多いようで、ドルが下落する局面ではドル買い・円売りを進める動きも出ているようです。

こうした地合を受けて、引き続きドルの買い越しが増加しており、投機筋のネットポジションは、99,769コントラクトのドル買い越しとなっています。

<全通貨のネットポジション>
続いて全通貨に対するネットポジションのグラフです。

引き続き主要通貨は、対ドルでの売り越しが鮮明となっています。ドルに対して買い越されているのは、メキシコペソとニュージーランドドルだけとなっています。

<前週比グラフ>
次に前の週と比較した、取組高の変化を示すグラフをみて見ましょう。

まず円ですが、
ここに来て一旦調整局面を迎えており、ドル円相場はやや値動きの荒い展開となっています。しかし、大きな円安トレンドは変わらないと見る向きが、依然として多かった模様で、円高へと反発する局面では、円を売る動きが優勢だったことを、データが物語っています。
円は前の週に比べて、4,583コントラクトの売り越しとなっています。

続いてユーロです。
テクニカルには下落トレンドが続いており、またファンダメンタルズでも、日米と比べて景気回復が鈍い、との見方が強い事から、ユーロ売りを積み上げる動きが続いています。ただ、ユーロ相場の下落が一旦止まった事で、売り意欲は弱まったようです。
ユーロは前の週に比べて、3,695コントラクトの売り越しに留まっています。

さて、これまで買い越し通貨の主役だったメキシコペソも、今回は調整局面を迎えています。
最近上昇を続けていた日本の株式相場が大きな調整局面を迎え、アメリカの株式市場も波乱の状況となっています。更に、アメリカの景気回復が鮮明になる中で、FRBの金融緩和に対し、出口政策のタイミングが市場の注目を集めています。こうした背景から、市場のリスク警戒感が高まっており、メキシコペソのような高金利通貨から、安全資産へ資金が回帰する動きも、一部には出ているようです。

今週はこうしたリスク回避的な動きがまだまだ継続するのか、或は一時的な調整に留まるのかどうかを、判断する週となりそうです。6月はアメリカの半期決算期にあたるため、決算を意識したポジション調整もあり得ますので、少し慎重に相場を見ておく事をお勧めします。

以上、動画での閲覧は下記URLからどうぞ。
http://www.forextv.jp/Video/Video_IMM.php

(編集後記)
5月23日にドル円が急落した後でも、円の売り越しが増えていたのは意外でした。先週のデータ締日となる28日が経過して以降、ドル円は上値が重く推移しており、トータルの残高を減らさないまでも、前週との比較では、中立程度まで減速している可能性も想像できます。

今週末はアメリカの雇用統計を控えています。
FRBの出口戦略が揶揄されていますが、どうでしょう? 要因の組み合わせは幾通りもあり、解釈はアナリストにお任せしたいところですが、失業率は解除水準には今少し遠く、思惑で上昇気味の長期金利に住宅ローン金利が連動し、住宅セールスが鈍化しているとも聞いています。

実質的な利上げになるかもしれませんが、FRBが動くとすれば、資産買入れを圧縮した後に、利上げとなるのが筋だと思うため、例え雇用統計が良い結果となっても、高金利通貨は別として、その他の主要通貨は素直にドル買いとなるかどうかは、疑問視しています。

いずれにしても、IMMの円ポジションがショートに転じた昨年10月のタイミングを注視していれば、今回の円安は事前に察知できていました。そう考えると、円のショートが巻き戻るまでは、円高の程度も知れたものになりそうです。

大いに矛盾していますが、だから暫く揉み合うという見解が正しいのかもしれません。(浅野)

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