石仏散歩

現代人の多くに無視される石仏たち。その石仏を愛でる少数派の、これは独り言です。

118スリランカの仏教遺跡巡り(3)ポロンナルワ(cクワドラングル)

2016-01-25 07:57:01 | 遺跡巡り

◇クワドラングル

クワドラングルとは、四辺形の意。

110m×140mの城壁の中に11もの仏教施設がある。

行政関係の建物などはない。

ポロンナルワの廃墟化とともに密林の中に埋もれ、忘れ去られていたが、19世紀になって発見された。

◇ワタダーゲ(Vatadage)

東の入口から入ると左手にある円形仏堂。

建築主は不明だが、7世紀の造立とみられている。

7世紀と云えば、首都がまだアヌラーダブラにあった時代で、ポロンナルワで最も古い仏教施設。

屋根がある原型の復元模型が、プロンナルワ博物館にある。

円錐形の屋根の下、中央には、ストゥーパ。

それをバックに東西南北にお釈迦さまが座しておわす。

アヌラーダブラのブッダ像にくらべて、顔は丸く、がっしりした肩、ストンと落ちるウエストラインが特徴的。

4体の座像仏は、単体としての個の性格を持つのではなく、仏塔と相まって全体が宇宙的仏教世界を表現している、との解説書がある。

ワタターゲには4か所の入口があるが、いずれの入口にもガードストーンがある。

ガードストーンの最高傑作と云われるのが、東面入口の2体。

右手に吉祥の壺を乗せ、左手に繁栄のシンボルの花の枝。

 

 足下には小人が二人。

小人は富の神クベラの使いで、財宝の守護神だという。

◇ハタダーゲ(Hatadage)

上の写真は、ワタダーゲから見たハタダーゲ。

下は、逆にハタダーゲから見たワタダーゲ。

中心点が直線的につながっているのが判る。

Hataは、シンハラ語で60を意味し、dageは舎利塔をさす。

ハタダーゲは、「60日でできた舎利塔」と云われているが、「舎利、遺物が60個ある舎利塔」という見方もあるんだそうだ。

12世紀にニッサンカ・マーラ王によって建てられ、王権の象徴の仏歯がこの仏歯寺の2階に納められていた。

このレンガ壁の上に、木造のお堂をイメージするといい。

基壇のレプリカのライオンが猫のようだ。

入口右側にニッサンカ・マーラ王の偉業をたたえる碑文がある。

ダーゲの一番奥には、3体の立ブッダ仏陀がおわすが、顔がなかったり、傷つけられたりしている。

これは、侵略してきたタルミ軍の仕業ということになっている。

だとすれば、完全に破壊しなかったのは何故だろうと、新たな疑問が湧いて来る。

◇アタダーゲ(Atadage)

ハタダーゲの左隣にあって、ほぼ同じ構造の舎利堂だったと考えられている。

Ataは数字の8、「8日で建てた舎利堂」か「8つの聖遺物のある舎利堂」の意らしい。

建てたのは、ヴィジャヤバーフ1世王、ハタダーゲ建立の1世紀前、11世紀のことでした。

彼も又、仏歯をこの2階の舎利堂に安置していた。

奥に1体のブッダ立像と座像トルソー2体がおわす。

立像の流れるような衣紋が美しい。

首がない座像は、よく見ると首の部分に穴がある。

頭を差し込むスタイルだったのだろうか。

足形はあるが、身体の部分は見当たらない。

ここにも差し込み穴。

パーツごとに造って、差し込んだと思われる。

アタダーゲの石柱は、54本。

そのすべてに見事な浮彫が彫られている>

アタダーゲの脇に文字碑がある。

文字碑の文字はタミール語で「仏歯を守ったのは、雇われタミール軍で、シンハラ軍ではなかった」と書かれてあるのだとか。

ブッダ像が完全に破壊されなかったことと合わせて、真相を知りたいものです。

 

 

 

 


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