HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

正しいロックバンドあるいはミュージシャンの生き方~FoZZtoneの場合

2012年04月12日 | FoZZtone
先日話題になっていたのがKREVAが自分のライブのチケットがたくさん残っていると
つぶやいたってこと。なんで自分から「売れてない」って言うんだ。とこれに対しての
賛否両論があったようだ。

私はその時に思った。別にKREVAは自暴自棄でそんな事言ったんじゃないって。
彼はあえて問題提議をしたんだ。

大きなアリーナとかで大物バンドとかミュージシャンが高いチケット代と
とってやるツアー。こんな時代に誰もが7000円、8000円もするような
ライブに行けると思う?

大掛かりなセットはもちろんある意味アートになりうる。
でも、音楽が先なのかセットが先なのかわかんないものもある。
ショービジネスの世界ではキラキラゴージャスな方がいいのかもしれない。

でも、私のような音楽バカたちは音からゴージャス感をもらいたいんだ。

KREVAのファンっていうわけじゃない。
でも、彼は他の大物たちに暗に言ってるんだと思う。

「おまえらも売れてねーんだろ?アリーナとか埋まってないんだろう?
それをかっこつけて、自分の地位にあぐらかいてんじゃねえよ。」

そんな声がなんか聞こえてきそうな気がした。

大手の音楽会社もCDが売れなくて、ライブもソールドアウトにならなくて
本当に苦しいみたいだけれど、それなのにさらに借金するかのように
大物アーティストにお金をかける。

そういう今の音楽界だから
なかなか光を見つけられないんだ。


そんな中でもまず、the HIATUSは凄いと思っている。
フォーライフも大変かもしれないけれど、
彼らは本当に奇跡の様なバンドだ。
あんな上質で素晴らしいアルバムを作り
そしてライブでもその素晴らしさを損なうことなく
むしろもっと広がりをもって力強さと輝きを放ってくれる。

なのに彼らのライブのチケットはいつも2500円。
どれだけ価値のある2500円かと思う。


私には8000円出してみる大物アーティストより
the HIATUSのライブの方が比べることもできないほど
価値がある。


そんな今の日本の音楽界で
もうひとつ、奇想天外な事をやってのけるバンドがいる
FoZZtoneだ。

彼らは「LOVE」というミニアルバムを4月12日に出した。

このアルバムを初めて聴いた時に
マイケミカルロマンスの「ブラックパレード」を聴いた時のような
衝撃を覚えたし、心と体が震えた。

このミニアルバムについてはまた改めて書くとして

彼らのいろいろなアイデアには本当に驚く。

2回目となるオーダーメイドアルバム
2回目となるMVの募集
おそらく日本では初めての録音録画オーケーの「REC ON TOUR」
各地のタワレコでインストアライブをするツアー
22歳以下の学生との対バン企画。

次から次へとそのアイデアは溢れて行く。

大手の会社では絶対にできないし、
許されないだろう。

でも、彼らのオーダーメイドアルバムに対する考えというのは
そういう赤字体質の大手の会社に何かのヒントを与えるんじゃないかと思う。

大量に作られる薄っぺらなポップミュージック
誤解のないようにしてほしいのは
すべてのポップミュージックを言っているのではなく
ただ、売るために携帯にダウンロードしてもらいたいだけに
カラオケで歌ってもらいたいだけに作られた歌のこと。

広い工場内にオートメーション化された近代の
システムの中で次々にCDが作られ出荷していくのが
目に浮かび、一方でブックオフで売られ過ぎて
置き場に困るから処分されるCDも浮かぶ。

ところがフォズの企画するOMAは
自分だけのたった1枚のアルバムを作るために
作り手は何度も何度も提示された曲を聴き、
その中からすべてを選ぶことはできないので
必死でどの曲を選ぶか毎日毎日考えるんだ。

1回目のOMAに参加した私も
どれだけ聴いたことかわからない。
あーでもないこーでもないと
曲順をいろいろ変えたり、入れる曲をチェンジしたりと
フォズの曲で埋め尽くされるような日々を送ってた。

それだけの思いを込めて作られるCDと
大量生産されてやがてあきられて捨てられるCDと
どっちが幸せか自ずとわかるよね。


そんな1枚に必死で取り組むファンが
フォズにはいっぱいいるんだ。
それってすごくない。
みんなそのCDを一生大事にもっているはずだ。

そういうファンを持てるバンドがFoZZtoneであり
それは彼らの音楽に対する愛情から成り立っているものなんだ。


そんな事したら損するよとか
採算合わないんじゃないとか
言う人も多々いるだろう。

でも、長い目で見たらそうだろうか?
大量生産はできないけれど
本当に音楽を欲する人たちに確実に
買ってもらえるなら、損をすることなんて
実はないのかもしれない。

録音録画可能のライブだって
それを世界中の人が観れるチャンスを
もたらすかもしれないのだから
多くの人に繋がっていくかもしれないのだから
ただで見せて損をすると考えるより
フリーでやってこそ多くの財産(お金だけでなく心という)
を得ることもあるんだ。


私はたまに身近なミュージシャンの映像を撮らせてもらうことがあるけれど
それを観ているのは実は日本の人だけじゃないんだ。
カリブ海に浮かぶ小さな島国の人だったり
アフリカの人だったり
ヨーロッパの人だったりする。

自分が一生行けないかもしれない未知なる国の人が
同じ音楽を聴いてくれるってほんと素敵じゃない?


しかも、何度もそこの国の人がくりかえし観てくれているのが
わかると、本当に感動する。


FoZZtoneはある意味、職人のように
1枚1枚CDを手作りしているかのような感じがする。

それを本当に欲しいという人だけにちゃんと
渡せているように思う。もちろん初めて聴いた人も
その職人気質のようなアルバムに懐かしさと斬新さを
感じるだろう。

レコーディングの模様を少しインタビューで竹尾さんが
語っていたけれど、エンジニアさんに
「これが正しいレコーディングなんじゃないか。」と
話したら、「そうだ。これが正しいレコーディングだ。」と
言ってもらえたみたいだ。

すべて曲ができてレコーディングに入ったのではなく
レコーディングに入ってからそこで作り始めたり
形作ったりしていったらしいけど、昔のバンドは
そうだったんじゃないかな?

確かに日本は知らないけれど
海外のバンドのレコーディング風景にそんなのを
見たことがある。ここはこんなフレーズがいいんじゃないかと
ギターを弾くブライアンメイとかピアノを弾くフレディとか
その他、忘れちゃったけれどそういうドキュメンタリーが
好きだった私はハードロック系やパンク系、エモ系など
いろいろなレコーディング風景をテレビやDVDなんかで
よく観てた時期があった。

日本では遠い昔、ジュディマリのを見た記憶がある。

the HIATUSだってそうだよね。
レコーディングって言っても
まず集まってセッションから始めたりして
曲ができてきたりするんだものね。

昨日京都のタワレコに行ったら
チャート4位に「LOVE」があった。

「正しいレコーディングをした
昔気質なバンドの斬新なアルバムが4位」

っていうのを見て、まだまだ日本の音楽ファンも
捨てたもんじゃないなって思った。


彼らがもしかしたら、この音楽業界の明日に
光をもたらすかもしれないってそう思った。


で、何よりこのミニアルバム最高だよ!






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