HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

ロックンロールの意訳

2011年08月08日 | FoZZtone
去年の今ごろだったかな?
Pr.俵田によるGOODMIGHT世界が開催されたのは。

私はもちろん参加できてないわけだけれど
ここでは彼はレディオヘッドの「Creep」をとりあげたんだよね。
英語から感じ取れる何かを見つけるために。

彼はロックスティッチで「Heartbreak Hotel」をFoZZtoneがカバーする
ということで、あえての意訳をしてくれた。

意訳というのは直訳ではない(当たり前・笑)
映画でいったら、脚色っていう感じかな。
元本があって、それを少しアレンジしてシナリオにするものが
脚色だ。

意訳にはその訳者のバックグラウンドや価値観や読書量や
英語力や好奇心やポリシーなどいろんなものが現れる。
だから、同じ歌でも意訳されていると読み手の感じ方が
変わるんだ。

この「Heartbreak hotel」を意訳する前に
Pr.俵田はこのような事を書いてた。

「恐ろしく陰鬱な歌詞だけどプレスリーの歌いっぷりはやや陽気。」

悲しい歌を明るく歌うっていうことで
なぜかthe ピーズを思い出した。

私は正直そんなにthe ピーズを知っているわけじゃない。
たまたま知ったきっかけはthe pillowsの
シンクロナイズドロッカーズというトリビュートアルバムで
「巴里の女性マリー」がものすごくかっこよくて
誰だ?っていうところから始まった感じだった。

そういえば、マリーって名前ときどきいろんな人の歌に出てくる。

ELLEGARDENの歌にも「MARIE」がある。

みんなマリーが好きなんだ。

私の親友はマリ。マリーじゃないけれど
マリーにもなる。

小学校1年生の時に出会った。
今も年賀状での交流は続いているけれど
久しく会ってない。
正直、友達と会う時間もここ数年まったくなくて
(まあ、友達が遠いところに住んでいるのもあるんだけれど)
みんなどうしているのかな~っていつも思う。
電話ですら、する時間がない。
私はほとんど家では電話はかけない。
だいたい夜遅い朝早い生活なのでふつうにかける時間が持てないんだ。

でも、友達の中でも幼い時代をともに濃く過ごしたマリちゃんとの
思い出はかなりある。

どこかの百済の王様かなんだかしらないけれど(日本にはそういう朝鮮半島からの
いろんな人たちの建造物があちこちで実は残っているんだ。)
が建てた宮殿あとかの、ただ、敷石だけが残っている広い場所に
家から1時間以上かけて、ピクニックのごとく
籠のバッグにおかしや水筒を入れて
ふたりででかけて、そこで空想の世界で遊んだり

京阪電車に乗って、となりの駅ではあったんだけれど、
いっしょにシャーペンの芯(それだけだよ。地元にもあるのに)
を買いに行って、親にこっぴどく怒られたり(低学年だったもので)

大学の時ははでな格好でロックコンサートにいっしょに行ったり

たぶんこれらの話は過去にも書いたかと思うんだけれどね。

で、そんなマリちゃんのことも思い出しつつ、
the ピーズに戻るんだけれど

彼らの曲に「実験4号」っていうのがある。

これを題材にした伊坂幸太郎の短編に
「後藤を待ちながら」っていうのがある。

芝居好きなら「ゴドーを待ちながら」を思い出す人もいるだろう。

伊坂氏の「後藤を」にはこういうフレーズがある。
これはthe ピーズ自体が言った言葉だ。

「泣きっつうか、何ちゅうかね、末期的な夕やけ空みたいな、
さあ,頑張るぞみないな感じじゃなくて、悲しい歌なのに明るいような」

これと先に書いた教授が言った
プレスリーの歌いっぷりと重なる部分があるんだよね。


この「後藤を待ちながら」の中で

ロックンロールを意訳したらどうなるっていうのを
主人公たちが考える場面があるんだ。

そこに「どうして俺だけ圏外なんだよ」っていうのがある。
ロックンロール=「どうして俺だけ圏外なんだよ。」

なんかわかるなぁ~て。

私って中学でロック聞くようになって
まさに自分が圏外みたいな感じで生きてるなって思ったもの。

ロックンロールは売れないみたいな感じ。
今もあるよね。

うるさいともう追い出されるような感じ。

ちゃんと聴こうとしないで
すべていっしょくたにして。

ロックンロールを意訳したら自分だったらどうだろう?

「人生の底の底からこんにちは」

とか

くるりの岸田さん的に言えば

「ころがるだけころがったるねん。」

とか

「絶対に生きてやるからな!」

なんかが今浮かんだ。


また思いつくかもしれない。

ただ、


この「後藤を待ちながら」で
読んで泣きそうになったのは

生きている姿を見せる恩返しが
ロックンロールじゃないかというくだり

そして、だからこそロックンロールの意訳は
「ありがとう」じゃないかっていうところ。

泣けた。


ほんとそうだ。


休止しようが
また元気な姿を見せてくれたら
それでロックンロールなんだ。

あるいはメジャーからインディーズになろうが
そんなのまったくどうでもよくて
ライブをやり続けてくれたら
音源を発信しつづけてくれたら
ロックンロールなんだ。


この実験4号は

映画監督の山下敦弘監督もコラボして
ショートフィルムを撮ってて
そのDVDもセット販売されている。

この映画は「後藤を待ちながら」の
とあるエピソードを膨らませているんだけれど
これもじわ~ってくるんだ。

どこか岩井俊二監督と同じ空気感がある。

この映画「実験4号」にも惚れちゃってる。

the ピーズの「実験4号」とともに
是非チャンスがあれば読んで、見てほしいな。

そうそう、最近片岡大志さんがライブで
Dire straitsの「Brothers in Arms」を意訳して
歌われたそうだ。

彼の価値観とか世界観とかがそこにあって
私は残念ながらライブに行けてないので
また是非機会があれば彼の歌で聴いてみたいなと
思った。

ロックンロールのしめくくりに

FoZZtoneの「黒点」から

「必要なのはロックンロール
それは腹を空かした怪物だ
軽率なのはロックンロール
人に答えではなく
力を買い与えた」

この詩は最上級のロックンロールを表す詩のひとつだ。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする