風月庵だより

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真夜中の物乞い

2022-08-08 08:35:45 | Weblog

8月8日(月)晴れ、相変わらず暑い【真夜中の物乞い】

夜中の1時55分、玄関のチャイムが鳴りました。何事かと、モニターに映った姿を見ました。近所の檀家さんが、体中に黄疸が出て入院したばかりでしたので、その家族かと思ってしまって、「通話」ボタンを押してしまいました。

「家が無い者です。助けてください、何も食べていないのです、フラフラで死にそうです」

なんと真夜中にホームレスの人が、ピンポーンを押したのです。これは困りました。昼間ならまだしも真夜中です。マスクをしていて顔がよくわかりませんが、まだ若そうです。ピンポンと押し続けています。猫たちがびっくりして飛び跳ねていました。

どうしたものか、こちらも真夜中で申し訳ないのですが、近所に住む元警察官だった檀家さんに助けを求めました。ご夫婦で、すぐに車で駆けつけてくださいました。

話している様子が、セコムのモニターに映されました。説得してくださっている様子がわかりました。ついにホームレスの若者が、頭を下げて歩み去っていく様子がわかりました。フラフラと言っていたはずなのに、しっかりとした足取りです。

後で、お二人に伺いましたところ、なんでこんな真夜中に人の家に来たのか、という質問には何も答えなかったそうです。今度来たら、110番するからね、と言って、少しお金をあげて帰してくれたのだそうです。

10年以上ここに住んでいて、このようなことは初めてです。余程世の中の状況が悪いのではないかと、思いました。しかし、このホームレスの若者は手ぶらでした。どこかに荷物を置いてきたのでしょうか。ここに来たら助けてもらえる、と言われた、と言っていたそうですが、ほかの家にでも行ったところ、お寺に行きな、とでも言われたのでしょうか。

昼間でもホームレスの人は、めったに来ません、10年の間に3人くらいです。
次にこのようなことがあったら、警察に連絡するしかないと思います。物騒な世の中ですね。

こんなきれいな空でも眺めていたら、生きる勇気も出てくるのではないかしら。昨日いつも手伝いに来てくれる人にこの話をしたら、うちの会社でも働き手はいくらでも欲しいから、職安にでも行ったらどうなのか、と言っていました。このような若者を助けることは、慈悲ということからしたら、どうなるか、と考えますが、なにしろ真夜中ですから、身の危険があります。

もう少し、物乞いをするにも、エチケットがあるでしょう。真夜中はダメです。