今週は山へ行き損ねた。天気が良くなかったというのがその一番の理由だが、北海道はまずまずの好天、東北もさほど悪くはなかった。
北海道へ足を延ばすのをためらったのは、なぜなんだろう。2か月前から早割チケットを買って準備することができなかった。6/21の弟Jの息子の結婚式が終わるまでは、気持ちが落ち着かなかった。何しろ6月初めに計画していた鹿児島の山歩きも、弟の余命宣告を受けた段階で、中止にしていた。「浮かれている場合か」と、どこか気持ちに引っかかっていた。
では、東北の山がある。百名山で言えば、八幡平へ行っていない。酸ヶ湯温泉にも一度泊まりたいと思っていたのだから、北八甲田へ足を運ぶのも悪くないではないか。そうだ両方を2泊くらいで行ってみようかとプランを建てた。バスの便と新幹線の時間がうまくいかない。特急券の有効期間が1日になったり、東北新幹線の青森・岩手方面行は全席指定というのもプランの運びにブレーキになる。山歩きのもう1泊をどこかにとればモンダイはない。それなのに、ぐずぐずと迷っているうちに月曜日の天気予報が悪くなり、気勢をそがれてしまった。
せめて日帰りならと2,3カ所用意する。越後三山の最高峰中ノ岳を往復するのが麓から10時間半、越後湯沢からの大源太山を経めぐるのが、やはり8時間半。現地1泊を考えたが、予報が雷雨になった。
仕方がない。日帰りの曇り空を狙うしかない。大菩薩峠の南東にある大蔵高丸やハマイバを経て滝子山を通るルートが9時間半。大蔵高丸は縦走になるから、いちばん早い電車でも、現地スタートは8時ちょっと過ぎ、5時半下山なら大丈夫かと算段する。用意をしてカミサンに話すと、「あんな暑いところへ、わざわざ?……」と感想を言われ、尻込みしてしまった。
コースタイム10時間というのに、気勢がそがれている。それほど無理をすることないよと、内心の声がする。それに本を読んで暮らすドクショ・オタクも悪くはないと、ヘンな気分も頭をもたげる。まあ、自分の気持ちが前向きに進まないのを正当化しているだけなのだが、これも歳のせいかなと自己分析している。
こうして先週の木曜日から今日まで、雨の降らない日は2時間くらい歩き、雨が落ちているときには図書館へ足を運び、家でゴロゴロして本を読む。飽きると、パソコンに向かってよしなしごとを書きつけて過ごしている。それもまた悪い気はしていない。まだ4,5日は天気が崩れたまんまのようだ。
こうやって、前のめりであった山行姿勢の重心がゆっくりと後ろにいくようになり、希薄になって消えて行ってくれれば、緩やかに衰える体力との齟齬にも悩まないで済む。そう頭で考えるように進むのか、それともどっかで気分だけが復活して体力とのバランスを無視して遭難に至るまで暴走するのか。
別に本人は不安に思っていない。そうなればなったで、「だから言わんこっちゃない」と叱られるか、「まあ、あの人にとっては本望でしょうよ、山で……」と言ってもらえるかわからないが、そういう幸せな大団円を想いうかべていられるのも、今のうちだよね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます