mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

好天のお花見登山――本仁田山

2016-04-06 20:21:40 | 日記
 
 今朝早く山に出かけ、今、帰ってきた。上ったのは奥多摩の本仁田山。私の山の会・山歩講の「月例登山」がきついというので、トレーニングをかねて、もうひとつ山歩きを用意した。その名も、「日和見山歩」。その第1回が今日であったというわけ。むろん私は、案内役を免除してもらって、山歩講の講中の一人、Mrさんがガイドしてくれる。
 
 8時半頃に奥多摩駅に降り立つ。一人新規参入者が来ている。Msさんの友人、Yさん。この方が、結局一番若い、まだ現役の仕事人。土日に仕事をするので、水曜日は空きがあるというわけだ。効くと、フルマラソンにも挑戦していて、つい先の名古屋マラソンも走ってきたと笑う。なんだそれなら、山は余裕だねと、一緒に歩き始める。8時47分。駅から歩いて、日原川を右岸に渡り、また左岸へ渡り返して舗装林道を登る。左側の川にわさび田がみえたところで、この安寺沢集落は終わり、「本仁田山登山口」にとりかかる。標高は500m、駅からすでに150mほど上っている。
 
 電車の窓から眺めるサクラは、みごとに満開。ところどころに、ハナモモだろうか、赤い花をつけて派手やかなのもある。皆さんはスミレを見つけ、ナニ・スミレと評定をしている。キケマンが勢いよく花をつけている。栽培しているのであろうか、楚々とした黄色の花をつけたアブラチャンの林がつづく。暖かい。私は長袖の山シャツ1枚羽織っているだけ。それでも汗をかくほど。急登である。斜面を九十九折れに道は延々と続くように思うほど、上り一方。標高8大mほどで、稜線にたどり着く。振り返ると、大岳山であろうか。その向こうに頭をみせているのは御前山かな、とあれこれ詮索する。それにしても近くに見える。リーダーのMrさんはしっかりしたペースで坦々と歩く。
 
 広葉樹の林はまだ葉をつけておらず、陽ざしは明るい。急斜面は相変わらず続く。いつしかおしゃべりもやんで、黙々と上っている。高度差120mほどを登ってまた、小休止。それを2回繰り返して、「あと40m」と声をかける。スカイラインが見えている。「おっ、頂上だぞお」と先頭の声が聞こえる。1224.5mの看板が掛けられている。11時7分。歩き始めてから1時間20分で到着。コースタイムは1時間30分だから、順調というか、絶好調だ。ベンチが2脚。「ここでお昼にします。ゆっくり時間を取って、12時に出発します」とMrさん。
 
 Yさんの軽登山靴のビブラム底がはがれ始めている。まだ2、3度しか履いていないのに……と悔しそう。「段ボールの靴箱にちゃんと入れていたでしょう」というと、その通りであった。売る方が本当は注意のことばをかけておかなくてはならないのだが、靴は段ボール製の靴箱にいれて長期間置くと、接着剤が劣化して、はがれてしまうのだ。私も、弟からもらった軽登山靴を大事にとっておいて、それまで使っていたのがいよいよ古くなってから、さあ今日からお前さんの出番だよと履いて出かけたところ、歩き始めて1時間くらいでパカリとそこがはがれてしまった。テープもなく補修もできず、仕方なく下山。引き返したことがあった。それ以来、ガムテープか、テーピング用テープを常備している。2度役に立った。一度はガムテープだったのだが、直しているのを見ていた若いひとが「そんなものまでガイドは用意するのか」と驚いていたのをよく覚えている。今回は、テーピング用のテープ。ちょうど、土踏まずとかかとの二カ所からテープを起ち上げ、くるぶしのところで、その日本のテープの末端を両方抑えるように横にテーピングをする。これで、よしっ。ところが歩いていると、今度は前の方がはがれてしまった。隊列を止め、前の方をテーピングする。下山した駅では、かかとのところが切れ落ちていたので、またもう一度補修をした。こんなに役に立って、持ち歩いた甲斐があったというものだ。
 
 お昼のあいだ、身体が冷えるどころか、風もなく、ほっこりと温かい。と、kwrさんが指さして「富士山が見えるっ」と声をあげた。背を向けて食べていたのを中断して、起き上がって後ろを見ると、奥多摩の山嶺の向こうに、真っ白な雪をかぶった富士山がにょっきりと姿を見せている。お日様の降り注ぐ角度によるのだろうが、くっきりと鮮明に見えたかと思うと、空と雲に溶けるようにぼやけて見えなくなるかと思うほど、光を反射して姿をくらます。カメラを抱えて登ってきた若い人に、「ほら、あれ見てごらん」とSさんが声をかけている。
 
 12時過ぎに下山にかかる。といっても、瘤高山を回って、鳩ノ巣駅へと下るルート。やはり急峻な下り坂。上りは得意だが下りが苦手というMrさんは、しかし、順調に足を運ぶ。後続が違って道をとると、えっ! という顔をして振り返っている。達者な人たちは、自分でルートを選んで、降りやすいところを選ぶ。でも順番を狂わせることはしない。ほとんどみなさんの歩調のペースがそろっている。途中、二度ほど小休止をしただけで、駅に到着。2時8分の電車に乗って帰宅することになった。
 
 明日からは雨と、天気が崩れる。どうして今日晴れたかはわからないが、トレーニング山行というよりも、好天のお花見登山であった。来月の日和見山行の担当者も決まった。他人様に案内してもらって、気楽についてまわるというのも、いいもんですね。