週末に、2日続けて訪れることになった東京の下町「立石」。
昨日訪れた「手打そば・土日庵」さんがとても好印象だったことから、今日もお蕎麦屋さんへ足を運んでみようと思い、お昼時を過ぎた13時半頃、京成電鉄・立石駅から徒歩数分のところにある『手打そば処・玄庵』さんの暖簾を潜ってみることにしました。
階段でビルの2階に上がりお店の扉を開けると、アンティーク(?)なテーブルが多数配置されている広々としたフロアにお客さんの姿は疎らで、「空いてて良かった。」と思っていると花番さんがやってきて、申し訳なさそうに「団体のお客さんが入っていて時間が掛かってしまいますが・・・。」とのこと。
入口からは見えませんでしたが、どうやら座敷に団体のお客さんがいるようです。
でもまぁ、せっかく来たのだし、時間もあるのでビールでも飲んで待ってればいいやと思い、時間が掛かることを了解して、店内奥にあるテーブルの「端」を折りたたむことの出来る丸いテーブル(「ゲートレッグ・テーブル」というらしい)席に着きます。
席についてとりあえず生ビールを注文し、ビールが出てくる間に料理を選びますが、かなり時間が掛かりそうなので途中で追加注文しなくてよいよう、さほど時間が掛からず出てきそうな「鴨三点盛り」と「自家製がんもどき」、更に時間が掛かるだろうと思われる「そば屋の玉子焼」の3品を最初にお願いしてしまいます。
そして、待つこと30分・・・。
お通しの揚げ蕎麦をつまみながらいただいた1杯目の生ビールが空になったところで、時間が掛かるだろうと予想した玉子焼が予想に反して最初に運ばれてきます。
いただいた「そば屋の玉子焼」は、甘さの抑えられた玉子焼でしたが、まずまずの玉子焼でした。
なお、差し出された醤油は普通の醤油とは異なる旨味のある美味しい醤油だったことから、オリジナルか聞いてみたところ「取り寄せている出汁醤油」とのことでした。
「そば屋の玉子焼」を半分ほど食べたところで、「鴨三点盛り」が運ばれてきて、写真を撮り始めたところで「自家製がんもどき」が後を追うよに運ばれて来ました。
花番さん曰く、「団体さんの対応が終了したので・・・。」とのことでしたが、全ての料理が一気に並んでしまい、「一品ずつじっくり味わいながら・・・。」という思いとは異なる何だか慌しい状況になってしまいました。
おまけに昼営業終了のラストオーダー時間が迫ってきているし・・・。
と、少々落ち着かない気分の中いただいた「鴨三点盛り」は、鴨ロース、鴨焼き、鴨ハツ焼き(かな?)の三点で、山椒と七味が添えられましたが、何も付けずにそのままいただいて十分に美味しい鴨でした。
餡の掛かった「自家製がんもどき」は、箸を入れると中から出汁がジュワ~と出てくる柔らかいがんもどきを想像しましたが、そうではなく、つくねのような食感と生姜の味わいが美味しい「自家製がんもどき」でした。
さて、料理をいただきながら、最後にお願いする蕎麦をあれこれどうしようか悩んでいたところに花番さんがやってきたので、土曜、日曜、祝日限定の粗挽きせいろがまだ残っているか確認し、「残っているなら最後にいただきたい。」と伝えたところ、その会話がオーダーになってしまったようで、ビールも料理もまだまだ残っているのに「粗挽きせいろ」が運ばれてきてしまいました。
慌てて料理を食べ、そしていただいた「粗挽きせいろ」は、少々短めでズルズルっと手繰るには向かない蕎麦でしたが、粗挽きらしいジャリジャリ感を感じながらも喉越しの良さが感じられる、蕎麦汁を付けなくてもそのままで十分美味しくいただくことのできる蕎麦でした。
ちなみに、蕎麦汁はキリッとした口当たりでありながらまろやかな旨味が感じられ、蕎麦湯を注いでも味の崩れない美味しい蕎麦汁でした。
今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打そば処・玄庵』さんは、和洋折衷のスタイルに、お蕎麦屋さんとしてはやや違和感が感じられるものの、花番さんの接客も申し分なく、休日の昼下がりに一人のんびり美味しい蕎麦をいただくことのできるお蕎麦屋さんでした。
ごちそうさまでした。