家族4人がそれぞれで夕食を取ることになった土曜日、「玉子焼き」が夜のメニューにしかない、東急東横線・菊名駅近くの『手打ちそば・大空』さんの暖簾をくぐってみることにしました。
お店は駅から徒歩1分程度の、人通りの多い道路沿いにあるはずですが、そんな雰囲気は感じられず、「この辺りのハズだが・・・。」と不安を感じながら歩いていると、歩道沿いに立つお店の名前が書かれた電灯を見つけます。
「ここだ!。」と思いながら電灯の横に立ってお店の玄関に続くアプローチの先に目を向けると、ありました、ありました、道路から7~8m入った所にお店が。
「これは分り難い。」と思いながら清潔感の感じられるお店の扉を開けると、カウンターの無い、テーブル席だけの綺麗で明るくスッキリしたフロアが目の前に広がります。
17時半の開店直後に訪れたということもあり、先客は夫婦1組のみで「お好きな席にどうぞ!。」と案内されましたが、一人で訪れているということもあり、2人掛けのテーブル席に着いてメニューを開きます。
今日の蕎麦前は中瓶または大瓶のビール1本だけの予定でしたが、メニューを見ると小瓶があります。
そして日本酒の欄に、蕎麦と米で造ったアッサリ辛口の「蕎麦の酒」という飲んだことの無い福島のお酒があることを発見します。これって、ビールは小瓶にしてお酒を飲めということかな?と、都合の良いように解釈し、結局、まず瓶ビールの小瓶をいただき、その後日本酒をいただくという流れに予定を変更することになりました。
ということで、まずはビールを飲みながら一度食べてみたいと思っていた「合鴨ウィンナー」をいただきます。
見た目は普通のソーセージと同じですが、パキッとした歯応えは無く、柔らかい食感の、ある意味「鴨肉」らしいとも言える大人しく穏やかな味わいですが、薫製の香りが目立っていて、これはこれで美味しいビールの肴ではありますが、「鴨」を食べているということをあまり感じないウィンナーです。
次に、甘さの抑えられた夜限定の「玉子焼き」をいただきます。
中も外も黄色一色の綺麗な玉子焼きよりも、表面に焦げ目が付いている玉子焼きの方が「玉子焼き」らしいと思っているのでなかなか良い感じですが、フンワリ感のあまり感じられない「玉子焼き」でした。
なお、「玉子焼き」を肴にいただいた蕎麦と米で造った「蕎麦の酒」は、日本酒というよりも蕎麦焼酎という印象の方が強いお酒でした。
さて蕎麦ですが、今日は純粋に「せいろ」をいただきます。
メニューに書かれている「ご案内」(説明書き)によると、北海道幌加内の小粒なそば「ほろみのり」を石臼で挽いた粉を二八で手打ちしているとのことです。
そんな説明書きを読みながら蕎麦を待っていると、黒いお盆に乗った「せいろ」が運ばれてきます。
まず、蕎麦をそのままいただいてみると、程好い歯応えの感じられる美味しい蕎麦ですが、かなりの極細麺で、蕎麦を食べているというよりも、そうめんでも食べているかのような食感でした。
また、蕎麦汁はそのスッキリ感から丁寧に作られているということが感じられる、出汁の効いたキリッとした辛口の蕎麦汁で、極細麺との相性も良く、蕎麦を美味しくいただくことのできる蕎麦汁でした。
今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば・大空』さんは、料理も蕎麦も品数こそ少ないものの、清潔感の感じられる静かで落ち着いた空間と、奥さんの丁寧で腰の低い接客がなかなか好印象の、気分良く蕎麦前と蕎麦をいただくことの出来るお蕎麦屋さんでした。
ごちそうさまでした。