英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

第63期王将戦第5局 ~やはり甘かった…~ 「その3」

2014-03-09 17:22:14 | 将棋
第63期王将戦第5局 ~やはり甘かった…~ 「その1」
第63期王将戦第5局 ~やはり甘かった…~ 「その2」の続きです。


 封じ手局面より△7八銀成▲同金と進んだ第5図。この2手はほぼ必然なので、実質、第5図が封じ手局面と考えてよい。
 前記事で
「後手からは△4四香、△6三桂、△4五金(△4六金)のコンビネーションで飛車を捕獲する筋が見える。もちろん、金桂香の3枚を投入するので率が良いとは言えないが、駒の交換としては飛車と金なので、有効なのではと、素人考えが浮かぶ」
と述べた。もちろん、ここでは他の手順も考えられ、そのあたりについては後述させていただきます。
 私はあれこれ変化など書いてしまいがちだが、観戦者やファンの視線で書いた方が、読んでいて(書いていても)面白いような気がする。

 さて、実戦は第5図より△8六歩(5分)▲同歩(56分)△8七歩(5分)▲同金(7分)と進む。
 羽生三冠は予定の指し手と思われるが、渡辺王将は▲8六同歩に56分を費やしている。▲同銀もあり難しいところだが、封じ手直後なので封じ手局面で想定した進行とは違っていたのだろう。
 それはともかく、▲8七同金となり先手玉の脇がガラ空きとなった。となると、飛車を先手陣に打ち込めば必勝?
 19分後、△4四香!……行ったぁ!
 ▲5五飛△6三桂(ここで△5五金もあった)▲5六飛△4六金(第6図)と進む。

 先手の飛車が詰んだ。金桂香と3枚費やしたとはいえ飛車を取れば、王手で飛車が打て、しかも、1五の角も浮いている。
 後手は1筋が薄く、1四に桂を打たれる筋が気になるが、今のところ先手に桂はない。
 △4四香の局面で、中継サイトで阿久津主税八段が「うーん、先手を持って自信のある展開が見えません」とうれしいことを言っている。
 しかし、第6図時点でのサイトの情報によると、ニコニコ生中継で田村康介七段が
「ここで渡辺王将がどう指すかに注目ですね。勝ちが見えれば(1)▲1一銀と打ちたいところで、受けるのであれば(2)▲7八銀と打つのでしょうか。手の流れからしてみれば、私は断然渡辺王将持ちです。具体的に良くする順は分かりませんが」
と、嫌なことを言っている。“手の流れ”というのは、先手「銀銀」対後手「金桂歩」と若干の駒損の後手が金桂歩を投入して飛車取りに掛けたという意味であろう。
 更に、田村七段が示唆した▲1一銀の筋は、控室でも調べているという情報が挙がった(中継サイト)。
コメント (2)
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