英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

順位戦 C級1組 解析その2

2014-03-24 22:20:26 | 将棋
「順位戦 C級1組 解析その1」の続きです。
 今期のC級1組は菅井竜也五段、中村太一六段、阿部健治郎五段、船江恒平五段、斎藤慎太郎五段、阪口悟五段の昇級候補が総当たり状態になっており、対戦相手の偏りが大きかった。(詳しくは「リーグ戦の中のリーグ戦 ~C級1組~」

C級1組の今期最終成績
【9勝1敗】糸谷(9)
【8勝2敗】佐々慎(4)、中村太(10)、菅井(28)
【7勝3敗】真田(2)、船江(18)、高崎(20)、斎藤(30)
【6勝4敗】千葉(3)、片上(6)、近藤(17)、福崎(22)、長沼(26)、北島(31)
【5勝5敗】宮田(5)、小林裕(12)、佐藤秀(21)、浦野(25)、脇(34)
【4勝6敗】阿部健(7)、金井(8)、日浦(13)、高野(14)、富岡(15)、田中寅(19)、阪口(29)
【3勝7敗】神谷(1)、塚田(11)、小林健(23)、大平(24)、土佐(27)
【2勝8敗】平藤(16)、桐山(32)
【1勝9敗】加藤(33)

昇級……糸谷六段、佐々木慎六段
降級点……小林健九段、大平五段、土佐七段、平藤七段、桐山九段、加藤九段


 6人リーグ戦の中からは昇級者は出なかった。
菅井五段は8勝2敗。6人リーグの戦績は斎藤五段に敗れたのみの4勝1敗。
中村太六段も8勝2敗。6人リーグは3勝2敗。
船江五段は7勝3敗。6人リーグは3勝2敗。
斎藤五段も7勝3敗。6人リーグは3勝2敗。
阿部健五段は4勝6敗。6人リーグは0勝5敗。
阪口五段も4勝6敗。6人リーグは2勝3敗。

 厳しい6人リーグを4勝1敗で切り抜けた菅井五段、6人リーグ以外の5局を全勝で踏ん張った中村太六段は、あと一歩で昇級に届かなかった。しかも、この二人は最終局でぶつかり、菅井五段が勝ち中村六段の昇級を阻止している。
 やはり、星の潰し合いが大きかった。それと、C級2組からの昇級者3人は順位が低く、中村六段も10位、船江五段も18位と高くなかったのも厳しかった。
 この6棋士の6人リーグ以外との成績は合計23勝7敗で.767。阪口五段の2勝3敗を除く、5棋士の成績に限定すると21勝4敗で.840。阪口五段も初戦船江戦、第2戦菅井戦ときつい相手に連敗し、第3戦も神谷七段に敗れ3連敗の出だしから次の中村太戦に勝ち4連勝と踏ん張った。
 これだけ他を圧倒したが昇級できないのは理不尽さを感じる。


 さらに、この6人リーグには続きがあって、左記の記事では「この6人リーグ戦に、神谷七段、田中寅九段、桐山九段も乱入しているのである。さすがに全対局までとはいかないが、9人の組み合わせのうち、対局がないのは阿部×田中戦、菅井×桐山戦のみである。神谷七段など、初戦から6回戦まで立て続けに6人組にぶつかるという辛い組み合わせだ」と述べている。
 この3棋士の成績は、田中九段が4勝6敗、神谷七段が3勝7敗、桐山九段は2勝8敗で散々だった。

 さて、本当にC級1組の組み合わせに偏りがあったのだろうか?
 対戦相手10人が挙げた勝ち星の総数を比較するという分析方法がある。
塚田九段 61  富岡八段 60  加藤九段 59  千葉六段 57  阿部(健)五段 56
阪口五段 54  神谷七段 54  真田七段 53  田中(寅)九段 53  菅井五段 52
船江五段 51  高崎六段 51  小林(裕)七段 51  小林(健)九段 51  桐山九段 51
片上六段 50  佐藤(秀) 50  北島六段 49  脇八段 49  高野六段 49
土佐七段 48  平藤七段 48  佐々木六段 47  斎藤五段 47  近藤六段 47
福崎九段 47  中村(太)六段 46  宮田(敦)六段 46  日浦八段 45  長沼七段 45
大平五段 45  浦野八段 43  糸谷六段 42  金井五段 40

 総じて6人リーグの「6棋士」プラス「乱入3棋士」の点数は高いが、思ったより高くない。斎藤五段や中村太六段は平均の50以下である。
 この原因は、6人組が互いに星を潰し合っていることにある。なので勝ち数の総計が伸びないのだ。この方法は、大体の目安にはなるが、正確に実態を反映しているとは言えない。

 そこで、別の方法を考えた。題して「被難敵度指数総計」。……やはり、続く。
コメント
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