英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

第63期王将戦第5局 ~やはり甘かった…~ 「その1」

2014-03-06 20:44:09 | 将棋
第63期王将戦第5局は渡辺王将(棋王)が羽生三冠(王位・王座・棋聖)を破った。対戦成績は渡辺王将の3勝2敗となった。
 2連敗後の2連勝、後手番の第5局を制すれば王将位獲得が見えてくる。二人の対戦成績も2勝のリードとなる。勝てば、相当気分が良くなる1局だったが、残念。しかも、この日はあの腐った暴露記事を読んでいたので、二重に陰鬱な気分になった。


 どこかで見たような局面。そう、竜王位挑戦者決定トーナメントの▲羽生三冠×△森内名人戦を踏襲して進んだ。この時は、後手番の森内名人が先手の羽生三冠の攻めを余して勝利し、竜王位まで突っ走った。
 羽生ファンとしては、名人戦での惨敗の雪辱を願ったが叶わず、「森内最強説」を認めざるを得なくなった悔しい将棋である。
 ただ、本局は、羽生三冠は後手の森内側を持って指している。対局の感触が≪後手も指せる≫というものであったのだろうか。しかし、この将棋を踏襲する先手の渡辺王将も、対策を秘めているはず。

 図の△1二香は穴熊を目指した手。先手がここで仕掛ければ、後に端を攻める場合に▲1二歩と叩く必要がないので、1一香型に比べ1歩得の計算になる。しかし、先手(竜王戦の羽生三冠も本局の渡辺王将も)はここで仕掛けず、▲1八歩と指し△1一玉と入らせてから▲4五歩と仕掛ける。穴熊に入らせて損のようだが、1一玉型の方が有効のようだ。

 以下△4五同歩▲同桂△4四銀▲2六角△4三歩▲1五歩△同歩▲1四歩△同香▲1五香△同香▲同角△2二玉と竜王戦▲羽生×森内戦と同じ手順を辿る。

 香がいなくなり玉が下段では寄せられやすいので、△2二玉と玉を安定させるが、この一手が必要となったのも仕掛けを1手待った効果といえる。

 この局面で、ニコニコ生放送の遠山雄亮五段は「1四に歩を打たれて角を動かすのは嫌なので▲1四歩とここは打ちたいです。前例では以下△1二歩▲2四歩△同歩▲2九香といった進行になりました。▲1四歩は場合によっては1三からの殺到する狙いもあります」と述べていたが、渡辺王将は▲3五歩。ついに前例から離れた。

コメント (5)
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