利害関係を外れること

代理店の廃業を告げると、どういうわけか、相手の方の表情が緩む。というか、そのほうが多い。ある種の利害関係が外れるから、なんの関係もない普通の関係になるということで、緊張関係から解放されるからかもしれない。

こちらは、商売だから、相手にどう売り込もうかと考えている人として認識されているのだろう。相手の方にとっては、一定の警戒心も必要だろうし、どうしても緊張関係が、混ざってくるのかもしれない。

次々と、廃業の挨拶を続け、事務処理を次々と実行していくたびに、課題が整理されていく。今までよくやってきたなあという感慨も出てくる。辞める決心をして、よかったと思える。

現在のビジネススタイルは、おそらく、集中的に儲ける人物が存在して、そこへ成果が集中する仕組みになってきているように思える。人と人との関係、相互の助け合い、交流について、なんの感興ももたない、極めて冷徹な人間が考えたシステムになってきているようだ。

これでは、真に人類のためにはならない。そういう連中から、うまく余分な富を吐き出させて、多くの貧しい人々を救うシステムを構築しなければならないと思う。