世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

アメリカの光と影

2012年07月18日 | 国際
アメリカはボクの大好きな国の一つだ。


アメリカといっても

まるで50の国から成り立っているかように

東と西、北と南ではその表情が違う。


移民によって作られた国だけあって人種も様々だ。



前にも述べたように大まかに言えば、

白人が約     60%

ヒスパニック系  20% (過半数が南西部に住み、その6割以上がメキシコ人)

ネグロ系     14% (過半数は南部に集中)   

アジアン      5% (半数は西部に住み、カリフォルニアとハワイが顕著)

ネイティブアメリカン1% (アラスカ州のイヌイットを含む)


となっている。


そしてヒスパニック系とアジア系の人口の伸びが激しく、

近い将来白人は過半数を切るのではないかとみられ(恐れられ)ている。




民族の多様性は、

即、宗教観にも多大な影響を及ぼす。


一般にアメリカはキリスト教の国といわれるが


キリスト教80(プロテスタント60 カトリック系25  東方正教会系3)

ユダヤ    2
 
イスラム   0.5 

仏教     0.2 

ヒンドゥー教 0.1 

その他   12.6


となっている。


なかでもイスラム教が伸びを見せているらしい。




ご存じのように

この民族・宗教の違いが政治に大きな影響を及ぼす。




そして

この多様性こそが


アメリカ人の気質を育て

アメリカの成長を牽引し、

アメリカが世界に君臨する大きな要素となってきた。




ボクのイメージもそこからきていることが多分にある。

おおらかで、

許容性があり、

フレキシブルで、

それゆえ懐が深く


清濁併せ飲むような器の大きさがある。


自由の国と言われるように

発想力も創造性も高い。




そこからいろんな発明や発見、

いわゆるイノベーションが進んでいるのである




ただ、

合理性、論理性を重んじるあまり、

情緒性に欠ける面も否めない。



そして反面、

警戒心や猜疑心が強く、

攻撃性が異常に高いのも事実だろう。



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ボクはこれまで多くのことをアメリカから学んできた。


主に

フロンティアスピリッツ

ネイティブアメリカン(インディアン)の教えには

大いに感銘を受けた。



久住高原で観光牧場『メリーファーム』を起こす際は

かなりの部分で参考になった。


それはそのはず

馬を飼って西部劇ごっこをしていたのだから。



今でもボクの気持ちの中には

カウボーイ魂が息づいている。



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だが今回のNYでは、別の意味で学ぶところがあった。

つまり、反面教師としてだ。




二人の娘の夫がアメリカ人であり、

息子も10年近くアメリカに住む。


息子は17歳という多感な時期に移り住んだこともあり、

考え方としてはほぼアメリカンになっている。


それは上記のいい意味の場合が多い。




子供たちのお蔭でボク自身

良い意味でも悪い意味でも

より身近にアメリカを知ることができるようになった。



これまでアメリカ合衆国50州の内約30州を旅し、

ホームステイも数多く経験して


アメリカの家庭や家族とも接してきた。



彼らは親密で、親切で

思いやりがあって、それでいて合理的であった。


ボクはそうした姿に感銘を受けていた。

憧れでもあった。



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それが

今回のNYでの経験によってもろくも崩れ去ってしまった。


これほどにまで

非情で薄情で非礼な人々に会ったことがなかったからだ。


アメリカに限らずだが。



アメリカ人は

話せば分かる民族だと思っていた。


そして

話し合いという民主主義が完全に確立した世界だと思っていた。



ところが

話し合いどころか


その席上にも姿を見せず、

逃げ回る姿には失望してしまった。



こんない臆病でかつ傲慢な人間がいただなんて。

それもアメリカに、ニューヨークに。




多くの戦争にかかわり、

経済の疲弊にあえぎ

結果、変わり果てたアメリカを象徴しているのであろうか。


そこにはアメリカ人の焦りさえも窺える。


アメリカが凋落するのも無理はない。



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ボクは息子が17歳で渡米するとき、

アメリカのフロンティアスピリッツを学べと言って送り出した。


だが

大和魂を忘れるなと付け加えることを忘れはしなかった。





最近アジアを旅することが多くなった。


仏教、儒教といった思想に改めて触れ

アジア人として生まれた自分に誇りさえ感じるようになった。



武士道を学ぶ西洋人、

盆栽にはまる欧米人も多い。


だがその底辺には

征服、服従のといった二文字が見え隠れしているように思えてならない。。


表面の技術だけ身に着けても

精神的には極めて幼稚性が窺い知れる。



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柔よく剛を制すと言われるように

これからアジアの影響力が世界で増すことは間違いない。


そのことを日本人は過小評価していないだろうか。


夢と希望を失い、

同時に誇りと自信、勇気さえも失なってしまったのか。



もっと日本人は

誇りと、自信と勇気を持つべきだ。


日本人は、

アジアの、いや世界のお手本となる民族足りうるのだから。



そのためには

日本人としてのアイデンティティを確立しなければならない。



それについては

この紙面では語り尽くせない。



また改めて検証していきたい。