書名 「プーチン政権の闇-チェチェン戦争・独裁・要人暗殺」
著者 林克明 出版社 高文研 出版年 2007年 定価 1200円+税
以前この欄でも紹介した寺谷ひろみ「暗殺国家ロシア-リトヴィネンコ毒殺とプーチンの野望」がとりあげた、リトビエンコ暗殺、ポリトコフスカイヤ暗殺をとりあげながら、寺谷の本とはまったく違う様相を伝えているのは、著者林のチェチェンへの関わり合い、そして人権弾圧への怒りが、根元にしっかりとあるからであろう。寺谷の視点が、あくまでも政治ゲームを面白おかしくロシア通が解明しましたというものに対して、林の視点は、弾圧され、拷問を受けた弱い者たちへ向けられている。そしてプーチン政権が本気になってつぶそうとしているジャーナリズムで闘うものへの共感のまなざし、さらには本著の最後で、ロシアだけでなく、日本の現在にも目を向け、マスコミ全体が、権力側の味方をしていることへの危機感からも感じられる。
この著がきわだっているのは、いま世界が面している強いものへなびけということへのはっきりとしたアンチテーゼを打ち出し、そうした現代への告発を内在しているからであろう。
とても刺激に富んだ、そして迫力があるドキュメントであった。
お勧め度 ★★★+0.5★
著者 林克明 出版社 高文研 出版年 2007年 定価 1200円+税
以前この欄でも紹介した寺谷ひろみ「暗殺国家ロシア-リトヴィネンコ毒殺とプーチンの野望」がとりあげた、リトビエンコ暗殺、ポリトコフスカイヤ暗殺をとりあげながら、寺谷の本とはまったく違う様相を伝えているのは、著者林のチェチェンへの関わり合い、そして人権弾圧への怒りが、根元にしっかりとあるからであろう。寺谷の視点が、あくまでも政治ゲームを面白おかしくロシア通が解明しましたというものに対して、林の視点は、弾圧され、拷問を受けた弱い者たちへ向けられている。そしてプーチン政権が本気になってつぶそうとしているジャーナリズムで闘うものへの共感のまなざし、さらには本著の最後で、ロシアだけでなく、日本の現在にも目を向け、マスコミ全体が、権力側の味方をしていることへの危機感からも感じられる。
この著がきわだっているのは、いま世界が面している強いものへなびけということへのはっきりとしたアンチテーゼを打ち出し、そうした現代への告発を内在しているからであろう。
とても刺激に富んだ、そして迫力があるドキュメントであった。
お勧め度 ★★★+0.5★