デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

あかきくちびるあせぬままに

2013-03-29 14:19:59 | 観覧雑記帳
公演名 「あかきくちびるあせぬままに」
原作:連城三紀彦「紅き唇」
脚本:八木柊一郎
演出:黒岩 亮
出演:
佐々木愛  阿部敦子  佐藤哲也 小谷佳加  白幡大介
髙橋美沙 小林悠記子 皆川和彦 
会場 東京芸術劇場ウエストシアター
観覧日 2013年3月20日

このところ文化座のお芝居をよく見に行く。長谷川濬の取材で代表の佐々木愛さんとお会いしてから、案内が毎回くるようになり、東京にいる時には必ず見に行くようになった。
今回は佐々木さんのお母さん鈴木光枝さんが70歳の時に演じた作品を、佐々木さんが演じるということで話題になった。
昔はサイパン島で戦死した初恋の陸軍歩兵少尉との思い出が忘れられないまま、若くして亡くなった次女の夫が、その少尉と生き写しということから、その夫の元に住み込んでしまうタツという64際になる女性を、愛さんが軽やかに演じ、泣き笑いさせられるコメディー、存分に楽しませてもらった。
喪服から、達彦さん(娘の夫)のところに行く転換で、64歳になっても、そのときになっても、君が必要だと云ってくれますか? ―というビートルズの「When I'm Sixty Four」が流れ、そして洋服姿に転身する場面が秀抜だった。喪服でモノローグ、そのあとの家族たちのなかでの言い合いという暗いトーンが一挙に明るい世界へと転換、そのあとはタツさんというか佐々木さんの独壇場となる。
休憩入れて2時間という尺のなかで、笑いあり、涙ありの喜劇をつくりあげるのはたいしたもんだと思う。ストーリー的にはそんな簡単なものではない内容をもっている。
佐々木さんの大事な当たり役としてこの作品を続けてもらいたいと思う。

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