デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

雪男は向こうからやって来た

2011-09-21 18:14:37 | 買った本・読んだ本
書名 「雪男は向こうからやって来た」
著者 角幡唯介  出版社 集英社  出版年 2011

なかなかユニークなライターが誕生したものである。前作の「空白の五マイル」はノンフィクション大賞をまさにかっさらっていったのだが、この二作目も題材が雪男ということだけでなく、2008年に敢行された雪男捜索隊のメンバーに著者自ら参加しているという意味でも、かなり注目されるだろう。
自ら参加した捜索隊のレポートと、いままでの雪男の存在を明らかにしたさまざまな著書を紹介、さらには雪男を見たという、それも田部井や芳野、小西と言った名だたる登山家たちの雪男目撃談を巧みにイントロとして使っているので、実際の調査の過程がよりスリリングに描かれていく、たいした筆力である。
ノンフィクションの読み物として深みがあるのは、著者自身が雪男の存在をすんなり認めておらず、のめり込んでいないため、果たしているのかいないのかという興味本位だけで終わらしていないからである。雪男(らしきもの)を見たことにより、その存在を証明するために、足跡以外の証拠、つまり撮影することに命を賭ける、捜索隊の団長やそれに加わったメンバーたちの描写も見事である。彼らの話しを繫いでいくと、雪男はいそうに感じてくる。
なによりこの冒険記に厚みと奥行きを与えているのは、雪男を探すために6度も現地入りし、その捜索中に死んだ冒険家鈴木紀男の存在である。彼はきっと雪男を見たのだろうと思わせる、著者の書き方にはとても説得力があったし、好感が持てた。
特に鈴木の亡くなった場所を自分の目で確かめながら、雪崩を警戒していた彼が、なぜあの場所まで行ってしまったのかを探って書いたエンディングは見事であった。
雪男はその存在に命を賭けたものの前にしか現れない、向こうからやって来ないのだ。
次はどんな冒険を書くのだろう、楽しみである。
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台風直撃

2011-09-21 10:27:20 | お仕事日誌
朝なんとガス台が点火しないというアクシデント。とりあえずカートリッジコンロでコーヒーだけは飲む。弁当は無理ということでおにぎりをつくってもらう。
台風の動きが気になる。家を出たときはそんなに雨に降られることはなかったのだが、確実に夕方には関東を直撃しそう。今日は交通網が遮断される前に15時ぐらいに全員早退することにする。
姫路のトゥイチーに電話。まだ寝ていた。今日は休演日ということもあり、昨日は夜更かししたようだ。姫路の方はほぼ雨も上がっているという。
午後風雨強くなる、予定通り15時に早退。同じことを考えていた人たちは多いようで、この時間なのに山手線は超満杯。さらに品川駅の京急のホームは改札規制。京浜東北線がとまったらしい。とにかく信じられないような混雑。なんとか京急富岡にたどり着く。駅から家までの山道には倒木,風で折れた枝が・・・
一緒の時間に会社を出た同僚からメール。京王線が止まってしまい、途中駅で下ろされたという。
京都に旅行に行っている上の娘のことが気になったのだが、一番最悪のケースに面していた。夜帰るはずを早めて新幹線に乗ったのはいいが、浜松で停まり、そのまま待たされているという。富士川の水位が高いのが問題で、静岡まで行けたのはいいが、そこでまた足止めをくらっているという。なんともかわいそうな事態なのだが、仕方がない。
24時過ぎに寝ようと思い2階に上がったら、窓の外からきれいな下弦の月とでかいオリオン座が目に入る。風が雲を吹き払ってくれたようだ。



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