デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

カザフ出張第二日

2007-06-09 13:01:09 | お仕事日誌
9時すぎに目が覚める。かなり深い睡眠になった。ローマのテンションが高い。今日の公演に神経を使っているのだろう。朝飯を食べて歩いてサーカス場へ。ここからは歩いて5分ぐらいのところにあるので便利。思っていたより暑くない。長袖のジャケットでちょうどいい。公演は11時から、一般のお客さんも見れるようにしているようで、メンバーの知り合いたちがたくさん集まっていた。アルマトゥイサーカスの団長は、やはり昨日遅くアメリカから到着したらしく、まだ来ていない。ローマの楽屋で待機。空中ブランコのワーシャがやってきて、昨日の練習でキャッチャーが突き指してしまったので、今日はあまりいいショーができないかもしれないと言って来る。キャッチャーの突き指というのはちょっと心配。今日はアスタナサーカスの新しい団長も来ることになっているようだ。団長が来たというので団長の部屋へ。アメリカのリングリングサーカスでジギトとして長く働いていたようで、英語はぺらぺら。しばらくしてアスタナの団長もやってくる。いきなり抱きつかれる。めちゃ酒臭い。しかもふらふら、びっくりする。この時ローマに向かって、アスタナのメンバーは日本公演にはださないと言ったらしい。ローマはびっくりしていたが、もう時間なので楽屋に戻る。ふたりの団長と一緒に客席へ。ビデオが三台設置されていた。今日は自分はビデオなど撮らずに、じっくり見てくれということ。11時すぎに日本公演用のプログラムの公演がはじまる。アシスタントも衣装を着てのオープニングは、17人もいるので実に華やか。それに「不思議な惑星」という今回の番組のテーマにふさわしい衣装がいい。前回のオリエンタルなムードとは一転して近未来のイメージが実に新鮮なオープニングだった。これを見てほぼ安心した。人間車輪のあと、クラウンのデニスがでてきて、観客とボールと遊ぶシーンが少しあって、すぐにバンブーにつながっていくのだが、このつながりがとてもよかった。バンブーでもこのボールを使ってエンディング。いい演出だ。そして続いて空中ブランコ、いままでルスツでやってきた空中ブランコに比べて、動きがダイナミック。クラウンが入り、シフォン。ナターシャは今回の公演では3回出番があるからたいへんだ。彼女のシフォンもリングも、静止系のアクトより、旋回しながらの動きが多いので見応えがある。クラウンのレプリーズの内容は少し変えた方がいいかもしれないが、デニスの着ている衣装がなかなかいい。ローマも持ち味をだしている。最後の空中ブランコは、やはりキャッチャーが突き指したということで、ジャンパーが思い切って飛べないようで、失敗が続出。しかたがない。
実際どんなショーになるか、ローマやイリーナを信じていたとはいえ、若干の心配があったが、いいショーになっている。よかった。一緒に見ていたアルマトゥイの団長もいいショーになっていると褒めていた。このあと20分の休憩があり、日本公演には参加しないが、来年以降のためにということでいろんな番組を見せてもらえる。いくつかいい番組があった。特にネコのショーをしていたふたりのクラウンのレプリーズ、ビンを使ったジャグリング、サッカーボールのジャグリング、デュオのエクブリストが良かった。
公演後ローマの楽屋へ行くと、真っ先に空中ブランコのワーシャがやってきて、いいショーが見せられなくて申し訳ないと謝りに来た。信じているから早く治療して、ルスツではいいショーを見せてくれと答える。

帰り途中近くのカフェで、メンバーたちがビールを飲んでいた。これに加わる。新しい衣装を着ての公演は3回目だということで、いろいろ失敗もあったようだが、無事に終わってみんなは安心しているようだった。一様に表情が明るい。
明日はカザフ国内の学力テストが一斉におこなわれる日らしく、メンバーの何人かもこれを受けることになっているようなので、写真撮影は明後日11時からということになった。メンバーたちとわかれて、ローマの部屋に戻ってランチ。二部のショーでデビューしたローマの犬たちも戻っていた。例によってウォッカが開けられ、飲みながらダメだし。ローマたちもいろいろ反省点もあるようだが、自分が安心しているのを知って、落ち着いたようだ。ローマをいつも助けてくれている同じ階に住むコンピューターのプログラマーのサーシャ、ネコのショーをしていたマラトらも加わり、宴は延々と続く。なにかの話しのときに、自分の最初の本は、スラフスキイにずいぶん助けられたという話しをしたら、ローマがびっくり、自分の最初の先生はスラフスキイだという。自分がしばらく便りも来ないから死んだのかもと言ったら、ローマはそんなことはない生きている、すぐモスクワに電話する。今年93才になるスラフスキイの声をまさかここで聞くとは思わなかった。元気な声で、いつモスクワに来るのだ、来たら必ず会いにきなさいと言って電話を切った。うれしくておもわず涙がでてきた。これを見ていたマラトもおもわずもらいなき。これからまた杯を重ねることになり、何時に寝たか覚えていない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カレンダー

2007年6月
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

バックナンバー