一昨日の夜のことですが、帰宅したとき、ウチの玄関前に置いてある傘立てに、カマキリが一匹とまっているのを見かけました。
「なんだ、カマキリか…」と横目でちらっと見ただけで、私は特に気にすることなく、家の中へ入りました。
一夜明けて、昨日の朝です。
朝、玄関前に出てみたら、こんどはインターホン(呼び鈴)のところにカマキリが一匹とまっていました。
前夜のカマキリと同じやつだったのかは分かりませんが…。でも、たぶん同じやつとちゃうかな(?)
「こんどはインターホンに!? せやけど、なんで、そんなところにとまってるんだ?」
そのとき、ハッ! と思い出しました。
そういえば---
◆ ◆ ◆
私、一週間ほど前、マイカー運転中に、道路上(車道)にいたカマキリを避けて(よけて)運転した場面がありました。
地元の田舎道です。交通量の少ない道です。
赤信号で止まろうとして、ぴゅ~ぅっとスピードを落としたとき、行く手の路上(路面)を一匹のカマキリがちょこちょこ歩いているのを発見!!
「おやっ 路上にカマキリがおる」
運転席から見える〝路上のカマキリ〟は大変小さいものですが、その時はたまたま、私にも見えました。スピードがすっかり落ちていたし。
私のクルマがそのまま真っすぐ進んだら、カマキリをタイヤで踏んでしまいそうに思えたので、急遽ハンドルを切って回避-。
もちろん、対向車や後続車の動きを確認したうえで、無理のない範囲で私はハンドル操作しました。
ハンドルを切って、路上のカマキリを避けて、その場を通り過ぎました-。
◆ ◆ ◆
「もしかすると、ウチの玄関前にいたカマキリは、あのとき路上をちょこちょこ歩いていたカマキリかも…」
「なんで、そういうことになるねん」
「カマキリの恩返しみたいな」
「恩返し?? まさか、〝このあいだは車で避けてくれてありがとう〟ってカマキリが言いに来たとか?」
「そうや お礼を言いに来たんや。だからインターホンにとまっていたのとちゃうか!?」
「そんなアホな」
◇ ◇ ◇
「そういうお話って…、カマキリが恩返しに来るとしたら、ふつう、姿を変えてやって来るものやろ。物語的には」
「あ、そうやな 若い娘に姿を変えて… とかやね」
「そうそう。〝ごめんください。日が暮れて、道に迷い、困っております。ひと晩泊めていただけませんか?〟って、訪ねてくるねん」
「それはお困りでしょう… と言って サッと泊めてあげられるような時代ではないけどな、現代は… 」
「あほ! 恩返しに来るっていう話やろ? そこは泊めてあげないと、カマキリは恩返しできひんやん」
「泊めてあげずに、追い返すという…。元も子もないな」
自宅玄関のインターホンにとまっていたカマキリを見て、ふと、〝恩返しの物語〟に心を遊ばせました。