学問空間

『承久記』『五代帝王物語』『とはずがたり』『増鏡』『太平記』『梅松論』等を素材として中世史と中世文学の中間領域を研究。

アランセーター伝説

2015-12-10 | 石母田正の父とその周辺
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年12月10日(木)09時53分4秒

前回投稿でも「伝説」と書いたように、アランセーターの模様が「家紋のような意味をもっていた。それぞれの家がそれぞれに、模様の組み合わせパターンを代々受け継いでいた」云々は史実ではなく、アランセーター販売業者が創作したものだそうですね。
この点は伊藤ユキ子氏の『紀行・アラン島のセーター』でも説明されていますが、より詳しくは野沢弥市朗という方の『アイルランド/アランセーターの伝説』(繊研新聞社、2003)に出ているようです。
既に絶版とのことで、私も未読ですが、野沢氏のサイトにその要約が紹介されていますね。

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伝説では6世紀とまでいわれていた発祥の時期は、実は20世紀初頭であった。アラン諸島の漁業基地に出入りしていたスコットランド人家族のガンジーセーターがベースとなり、そこにアメリカ帰りの天才的編み手の女性が持つ技巧が融合し、島独特の派手好みの美的感覚から、見事な装飾性あふれたセーターが出来ていったのだった。

http://www.savilerowclub.com/aran/aranstory.htm
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