キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

天然に拘りたいが

2009年08月23日 | Weblog
昨年の土用に、市場では突然中国産の鰻が消えて国産鰻ばかりになりましたが、さすがに老舗の鰻屋の鰻はもとから国産養殖鰻が主流でした。たまに国産天然鰻が供されますが、それをいただくだけのお足が不足している事もあって、老生最後にいただいたのは、横浜梅林でかれこれ10年前になるでしょうか。お値段のところが時価となっておりまして、食い物屋で時価というのに出会ったら絶対頼んじゃいけないなんて、祖父の遺言なんかありましたが、あの当時は何故か何時も重量感のある財布を抱えておりまして、遺言を無視して友人の分も含めて支払っちゃいました。それでも鰻重が4,000円位、それに肝焼き付けて燗酒を数本いただいて二人して20,000円くらいなもんでした。ええ、かるいかるい。支払った後の財布のことでございます。

前置きがやけに長くなりましたが、麻布の野田岩は天然鰻にこだわったお店で、前もって頼んでおくと季節にもよりますが、天然鰻がいただけます。今回は軽い財布との付き合いが長く続いておりますので、天然鰻ではなく養殖鰻をお願いする事にいたし、土用の鰻の時ですとやけに混みますので、ほとぼりが冷めた盆明け行ってきました。寒鰻を食べに伺った時にそれまでと較べてやけに味が薄くなっていて、机にタレが置いてあったので驚いたのですが、今回お邪魔していただいたところ、繊細な味わいが絶妙でした。この冬に何かが変わろうとして、その過渡期に味わいのバランスが崩れた感じがいたしましたが、実際素人には分からない何かを変えたのでしょうが、再び高い水準にたどり着いた感じがいたしました。

ちなみに、パリの支店にもしばしば出かけている5代目が作ったワインリストは、鰻屋のレヴェルをはるかに超え、白ワインをチョイスして蒲焼をいただいても楽しめそうです。パリのお店での鰻とワインの組み合わせの実践がここ麻布で生かされているようです。お足に余裕のある方はぜひお試しください。

コメント
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