キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

暑い夏

2009年08月06日 | Weblog
本日は名古屋におりますが、朝は湘南に比べると遅いですね。東海地方は梅雨明けが遅れて、夏らしい天気が中々やってこなかったと言われておりますが、朝からの蒸し暑さは名古屋らしい強烈なものです。

いよいよ終戦記念日が近くなってきますと、書店の平台は戦争関連書物の花盛りとなります。普段は中々手に入りにくいものが並んでいたりするのでじっくりと眺める事になります。先日は、新人物文庫で新名丈夫さんの「沈黙の提督 井上成美 真実を語る」を買い求めました。新名丈夫さんは、毎日新聞の記者で昭和19年に東条内閣の戦争強行推進に対して“竹槍では間に合わぬ”と題する記事を書いて陸軍の懲罰徴兵にあい死地に赴くところ、危うく入隊した丸亀連隊と海軍に助けられた経歴を持つ気骨の人で、記事を書いたときには死を覚悟していたそうです。少なくともそんな日本人が存在した事を記憶にとどめておくべきです。そしてそれ故、戦後沈黙を続けた井上成美と昭和45年、まとまったインタヴューが出来た唯一の人となりました。

海軍内で戦争反対を訴えた流れは、米内光正、山本五十六、井上成美と続きますが、三人の共通点は、世界全体を見渡す目を持っていた事で、世界の中に置かれた日本の立場を了解していたために、戦争反対という考えを持つにいたったのではないかと思います。

8月末に衆院選がありますが、これからの日本の舵取りをする人を選ぶ選挙であるわけで、国内の問題ばかりに論点が集中していますが、世界における日本の立脚点を正確に認識している人を選ばなければ、日本という国はやっていけないのではないのでしょうか。

さて、この本がそんなことを思わせたのか、近頃病みつきにになっているブランデーソーダが度を越して、そんなことを思わせたかは定かでありませんが、読書にしろ飲酒にしろ近視眼的になる目を癒し、遠くの方が見えるようにしてくれるならば、暑い夏をおして嗜む価値が大いにある趣味と思われます。

コメント
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