五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

‘聴く’と‘聞く’の違い「傾聴7」

2010年03月03日 | 第1章 意識と知覚
「私は質問が得意だから人の話を聞くのが上手である」

と主張する人に出会うと、私は戸惑います。

質問は、時として刃になります。
じりじりと突きつける刃になったり、ぐさっと刺さる刃になったり、刃で心臓をえぐられるような不快感など、多様な「刃」の体感経験を思い出します。

私の概念における「質問」は、明確に答えられる氏名とか家族構成とか、、、せいぜいそのくらいかな、、、と思います。相手の信頼感を感じることができて初めて「質問してもいいですか?」と必ず聞くのが礼儀かもしれません。もちろん、年齢問わずです。

傾聴しようと心がけるのであれば、
聴くことと聞くことの違いを傾聴する人はわきまえておく必要がありそうです。

モヤモヤした感情や悩み、不安を解決したい、自分のほんとうの悩みは語ることから見えてくるようですが、話したい的確な言葉が自分の口から出てくることが理想ですが、感情を表現する的確な言葉は、やすやすと出てくるわけではわりません。

そんなわけで、聞くことよりも「聴く」ことが大事な作業になってきます。
そのためには、言葉や表情、しぐさから醸し出すものを感じ取っていく必要があります。

傾聴に感受性訓練が必要なのはそんな所以もあるように思います。

心と体にぴったりくる腑に落ちる体感は、話す本人にしか分かりません。

聴き手が腑に落ちるのではないことを肝に銘じてから、傾聴訓練を積んでいきたいものです。

明日、もう少し「聴くこと」について書いてみます。

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