五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

歌舞伎役者となった中車さん

2013年01月07日 | 第2章 五感と体感
昨晩、NHKの番組で市川猿翁さんと中車さんこと俳優香川照之さんを拝見しました。

親と知りながら親であらずの40年間の香川照之さんの自問自答は、「自分は何のために生きているのか?何をするために生きているのか?」だったそうです。

勉学に励み、俳優の道を選び、一所懸命に仕事をしてきた香川照之さんの演技には、何かいつも生き急ぐ呼吸の浅さを私は勝手に感じていました。演技を見ていると、私の呼吸が苦しくなるくらい「切なさの一所懸命」を感じていたのです。

2代目市川猿之助を父に持ちながらも女優の母との離婚で一切の縁を断たれ、25歳の時にいきなり父の楽屋を訪ねると、きっぱりと「いきなり、舞台の最中に来るとは何事か。おまえは子では無い」と叱られ、それ以降その意味をずっと考えていたそうです。

意志あるところに道あり

俳優として活躍する中、「何のために生きているのか」という問いかけの中で「自分の生き甲斐と自分の心と魂と身体を大切にしているか」という問いも加わった時に、悔いの無い選択をされたようです。

齢40からの梨園の修業は大変なものでしょう。

襲名披露の向上は、ほんとうに素晴らしいものでしたが、「こうしたい」という意志の迷いの無さの中に、自分が何のために生きているかの問いかけの道筋を掴んだ強さを改めて感じさせていただきました。

「自分が何のために生きているのか」

この問いには、自分の生育史に育んだ人間観がベースになっていくようです。そのベースが宙ぶらりんであれば、考えるための素地が無い事と同じです。

3代目猿之助を襲名した元亀次郎さんの迷いの無い活躍を期待し、4代目になるであろう中車さんのご子息團子さんのカツゼツの良さは絶品であると期待し、アイデンティティの統合を量られた中車さんの悔い無き人生の選択に、私の悔い無い人生を投影させて頂き、テレビの画面から希望の光を頂いたような心持になりました。

「呼吸深く、今に留まる役者」に成られることを大いに期待しています。

親子の縁は、人のアイデンティティの統合の源であるとしみじみ思いました。


告知:
2013年1月13日から2月9日まで、銀座プロムナードギャラリー(銀座三越下~東銀座までの地下通路・歌舞伎座の手前)において、「江戸表具を愛する会」に参加します。新歌舞伎座の見物の際は、ぜひ地下通路をご利用くださいませ。



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