(モンマルトルの丘)
クリスマスからお正月三が日まで11年ぶりにパリに行ってきました。
ルーブルに近いサントノーレ通りにアパートを借りて、懐かしい友達に会い、お墓参りもし、郊外の小旅行もし、パリの空気を吸ってきました。
パリの雰囲気は、ずっと変わらないだろう、と思っていたのですが、随分変わっていました。
アメリカ資本のコーヒー店があちらこちらにあり、地下街も広がり、メトロにアナウンスが入ったことは驚きました。
日本語や中国語を操る定員さんも多く、葉巻を吸っている人を見かけたのは一人くらいで、カフェでタバコを吸う人もほとんど居ず、なんといってもヴェネチアで買ったランプを吊るしていた友人のリビングに蛍光灯が付いていたことは超驚きでした。
経済危機の国を抱えているユーロ圏とはいっても、前に進んでいるスピード感のようなものは昔よりもあるように感じました。個人主義的なイメージの強かったフランスに柔らかさが加わったような気もしました。
11年前に友人のパートナーがポンヌフで絵を描いている最中、ふとしたはずみで車に轢かれ亡くなり、以来なかなかパリに行けずにいたのですが、彼らの大好きなモンマルトルの丘にあるラパンアジルと葡萄畑に囲まれた墓地をお参りすることがようやく叶いました。
友人のアトリエに飾ってあったパートナーの絶筆は、丁度春になる手前の時期、ポンヌフからセーヌを見降ろし、ルーブル描き、枯れ木の奥にエッフェル塔をのぞんだものでした。
モンマルトルの街も、随分お店があかぬけて、街並みも綺麗になりました。
気丈に立ち、絵を描き続ける友人の姿は、返って今までよりも本質的で自然体で自由でした。
自由を得る、ということの不自由さは、本当の意味での自由を試されているのかもしれません。
でも、彼女の自由さは、それを超えちゃったかもしれないな、とも思いました。
今年はどんな方向で自分を生かしていくか、テーマを頂いたような旅でした。
心理学のお話にパリの旅を絡めつつ、当分ブログを書くことにします。
本年もよろしくお付き合いください。
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