五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

縄文展 美しかった

2018年07月05日 | 第2章 五感と体感




縄文展  2018年7月5日

7月3日から上野の東京国立博物館、通称トーハクにて、縄文展が始まりました。期間は9月3日まで。
長期間の展覧会は、毎回期間ギリギリに駆け込んで観に行くのですが、今回は私の夏の過ごし方にも影響する事間違い無いので、開催二日目の4日に観てきました。
やはり、早めに行った方が空いています。宣伝すればするほど、興味を持つ人が増えてくるので、縄文の美を心おきなく堪能したい人は、早めに行かれることをお勧めします。

数年前にトーハクで開催した国宝展で、縄文の土偶「仮面の女神」「縄文の女神」等、私の記憶違いかもしれませんが、4体拝見したように思いますが、もちろん、国宝や重要文化財に指定されているそれらの土偶も各地から集まり、トーハクで1万年の時空に酔い知ることができます。

なんといっても、今回の展覧会は展示のための分類テーマが、とても洗練されています。

1. 暮らしの美
2. 美のうねり
3. 美の競演
4. 縄文の美の最たるもの
5. 祈りの美、祈りの形
6. 新たに紡がれる美

そして、会場の出口辺りには、現在世田谷美術館で開催されている濱田庄司、川端康成、岡本太郎らが、自宅に持ち、こよなく愛した土偶の写真も展示されています。
私が20代後半に、東急文化村のオープニングレセプションに伺い、そこで人の後ろから光が放たれているのを感じ、後ろに回ってそこにいる人を確認すると、その光を放っている人物は、なんと岡本太郎氏でした。その頃から岡本太郎の作品に大いに興味を持つようになり、縄文や民俗学というフィルターを通して見るようになりました。
縄文の美を愛してやまない人々の心の内を知ろうとすると、私自身の美のスケールまでが「地水火風空」という、生きとし生けるものが、最大限であり最低限必要なものを見据えられるような心地になるのです。




特に、今回は火焔土器の美しさに、心が動きました。展示がドラマティックであることも影響しているかもしれませんが、祀りごとに火を焚き、そこから映る火焔土器の陰影を想像すると、火と森羅万象の鎮への道筋が見えてくるようです。

そして、今回の縄文展での一番の驚きは、縄文中期3千年前あたりの「編まれた籠」を目の当たりにしたことです。
時を経て、土から掘り出されるまでに形作られた美しさは、思わず手を合わせてしまうほどのものでした。


(丸い小さな物は、籠の中から出てきたクルミ)

日本の縄文時代中期あたりと、中国やメソポタミア、バルカンの出土品を比較考察するためのコーナーもあり、文明発達の発信地でもあるような地域から比べると、まだまだ未熟なのですが、縄文人の感性の豊かさと祈りの情動に、穢れ無き清浄を感じるのでした。

閉館ぎりぎりの時間に、国宝の土偶の部屋に戻り、たった一人で今回も独り占め。
幸せでした。

ほんとうに美しいものは、自然界の森羅万象に含まれていくものであることをしみじみと確信しながら、カタログ抱えて帰路につきました。

東京国立博物館 縄文展
世田谷美術館 濱田庄司展
いずれも、この夏のおすすめ展覧会です。

縄文と民藝。
昭和の文人、芸術家達を縄文を通して今一度知ろうとすると、凡人である自分自身と近しいことに気付かされつつ、またまた楽しい妄想を楽しみながら、長い夏を有意義に過ごしたいものです。

昭和40年代、高円寺の祖父の家に行く途中にあった、民藝のお店「ねじめ」がこよなく好きで、小学校低学年でありながら一人で入り浸っていたのは、私の縄文への道筋のプロローグであったかもしれません(笑)



縄文の小説を書いた仕事仲間であるM氏の本も、映像を想像しながら改めて読めそうです。

7月中旬に行う宝塚市での勉強会は、フランス革命から縄文に至るまで、幅広い話題で沸騰しそうです。
今から楽しみです。

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「生き甲斐の心理学」

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