五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

国吉康雄と藤田嗣治

2016年06月15日 | 第2章 五感と体感
国吉康雄と藤田嗣治2016年6月14日

横浜そごう美術館で行われている国吉康雄展を観ました。
1975年の展覧会以来、41年ぶりの再会です。

1889年、岡山県で生まれた国吉康雄は、10代でアメリカに渡ります。そこで絵画を学び、第二次世界大戦中もアメリカに住み、63歳で生涯を閉じます。

フランスで認められた藤田嗣治は、第二次世界大戦中は日本に帰国し、従軍画家として作品を描きます。
国吉は、戦争中アメリカ側の立場に立ちますが、最後まで市民権は得られませんでした。
それぞれの考え方の相違ゆえ、二人は対立したそうですが、二人とも互いが生き抜く場所で名声を得ながらもデラシネ的な孤独に苛まれたままこの世を去ります。

藤田は、戦時中アンダーグランドの活動をした芸術家達からの批判を浴び、フランスに戻り、カトリックの洗礼を授かり、自分の聖堂を建て、描いて、そこに眠ります。
胃癌を患った国吉の最期の言葉は、アメリカ人の妻に向けて「市民権は得られたか?」だったそうです。

それぞれ、他国に赴き、芸術家として大成したであろう二人の芸術家の心中を思う視点で、国吉の作品を観ました。

戦争中に従軍画家を拒否した私の祖父は、伊東の別荘に疎開し、近所中から国賊と言われながら、舞台芸術家の支援も行っていたようですが、結局、どちらを選択しようが、芸術には変わりないのです。
「表現する」ということは、そういうことなのです。
これらのこと思索することは、この時代だからこそ達観的にできるのであり、ようやくそういう時代になったのだと思います。

二人の画家のオムニバス映画なんぞを撮る映画監督はいらっしゃらないかしら?きっと面白い映画が取れるのでは?

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作品展のお知らせ

6月21日(火)から26日(日)
世田谷美術館 区民ギャラリーにて 「江戸表具を愛する会」

私の表装個展:
7月5日(火)から9日(土)12時半~19時半
京橋 メゾンドネコ


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