Mr.コンティのRising JAPAN

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あぁ~ J-League のレベルは…. 浦和レッズ 1-3 全北現代 3rd Apr. 2013

2013-04-14 | Football Asia
試合が終わり、両チームの選手達が握手を交わす。そして現代の選手達がセンターライン上に並びレッズサポーター達が陣取るゴール裏に向かって一礼をする。私は拍手をしようと思ったがサポター席からはブーイングが。 おいおいここまでしているのにブーイングか?確かに目の前で3連続ゴールを決められ、これ見よがしのガッツポーズも取られはしたけど、ここでブーイングはなぁ…
前の日にはダルビッシュが敵地 Houston で打者26人連続アウトの後に完全試合を逃しベンチに引き揚げるときはホームの Astros ファン達が彼を温かい拍手で迎えられた。 それと比べると….. 別に時分はレッズサポータではないけど。



そう、別にレッズサポータではないけど今年のACLは楽しみにしていた。2007年は何度も当時小学校6年の息子とここでACLの試合を観戦した。 特に Sydney FC との試合は今でも交流がある Sydney FC サポーター達と知り合った試合として思い出に残る試合だ。 あれからもう6年が経つ。小学生だった息子は高校生になり今は友人とたまにさいたまスタジアムに来ているみたいだ。

心配された雨も上がり気温もそんなに下がらなかった。ただ少しきつめの風が吹いている。この前の柏対 Central Coast 戦と言い今年のACL 観戦は天候に恵まれない。 まぁ2009年は大雨の中等々力で観戦したけど。
着席した時はもう両チームスタメン発表が終わった後だった。 観客席は満席ではなかった。そしてこの円安の折、もっと韓国からサポーター達も来るかと思ったけど。2007年の準決勝戦は城南一和を応援するサポーター達でアウェー側の席は埋まったんだけど..



3日前新潟を 2-0 で降したレッズはその試合からメンバーを何人か替えてきた。負傷退場した永田に替って投入された那須がそのままスタメンでCBに。森脇に替わって坪井が今シーズン初めて公式戦出場。ボランチの阿部と鈴木はそのままで、MFは右に梅崎に替わって平川が左に宇賀神に替わり関口がそれぞれ起用された。ワントップは興梠ではなく新潟戦では途中出場で貴重な追加点を決めたマルシオ=リシャルデス。原口と柏木のトップ下は同じだった。新潟戦から選手を5人入れ替えて臨んだ。



一方の全北現代はかなりメンバーを替えていた。 GK はベテラン42歳の崔慇誠ではなく①権純泰。DF陣はCBに⑤鄭仁煥とオーストラリア国籍の長身 187cm の 18 Alex Wilkinson 。 左サイドは⑲朴源載。右サイドは⑮鄭赫。アンカーに⑰ 林遥煥が置かれボランチに⑦徐相民とかつて名古屋でプレーした⑭金正友。 2列目右にはブラジル人の Edinho 。かつて帰化させて韓国代表に入れたらよいとまで議論された選手だった。 水原戦は30 Park Hee Do だったが浦和戦は ⑪李承が2列目左に。そしてワントップはベルギー人の長身FW ⑨Kevin Oris。 2009-11 Antwerp でプレーし、昨シーズンは韓国の大田に移籍。今シーズンから現代でプレーする。そして私の目当ての⑳李東國はベンチスタートだった。



さすがさいたまスタジアム。試合前から国際試合の雰囲気がいっぱいだった。数は多くないが現代サポーター達も熱心に上げる。するとそれをかき消すかの様に浦和サポーター達が大声援を送る。 だけどこの時は声援だけで結果が伴ってくれれば…. と少し心配になった。それが的中するとは….



Jリーグのゲームでは後半に地元サポーター側に攻め込む様にエンドを決めるという不文律があるらしい。開始前から結構風が吹いていてもしその通りにエンドをとっていたのなら疲労が溜まる後半にレッズは風下になる。韓国のチーム相手にそれは厳しいと予想していたのでいつもと反対の方のエンドでキックオフをしてくれないかな?と思っていたらその通りとなった。そして試合はレッズのキックオフで始まった。と、いうことはどちらがコイントスで勝ったかわからないけど現代が前半風上のエンドを取ったということか…..
1分22秒、いきなり原口が地元サポーター達が陣取る前のゴールにドリブルシュートを放つがこれはクロスバーを越えた。しかし大歓声が上がる。そして5分25秒、槙野が中央やや左からドリブルで現代PAに切れ込むと相手DF二人に囲まれながら粘って原口に送りまたも原口がドリブルシュートを放つと今度は現代ゴールネットにその弾道は突き刺さった。 





なかなか今のJリーグの日本人選手でドリブルシュートを撃てる選手は多くない。原口には是非それを武器に代表に。そして出来れば欧州で…と期待している。だけど息子はレッズ以外ではプレーして欲しくないみたいだ。
その後もレッズが攻勢を続ける。 攻撃時には槙野が左SBに入り一気に上がり阿部がCBに入り槙野の後ろを埋めるのがよくわかる。 10分には啓太のスルーパスを受けた原口が鄭仁煥と競りながらシュートに持ち込むが惜しくも外れる。 11分には柏木が絶妙のスルーパスを原口に送るがこれはわずかにオフサイド。13分には平川からパスを受けた原口が今度はスルーパスをリシャルデスに送るがリシャルデスのシュートはポストの左に。リズムよく攻め立てるレッズの攻撃に追加点の期待が高まった。
劣勢続きの現代は16分、徐相民が阿部に倒され得たFKを Eninho が直接狙う。その弾道はクロスバーをかすめるように上にそれていった。さすがブラジル人選手こういう武器もあるのかと思わせられた。そのFKを貰うためか現代の選手は立ち上がりから競り合い時にはよくひっくり返る。球際の強さが韓国選手の特徴と思っていたんだけど…. 19分にも柏木と競り合った朴源載が倒れてFKを貰ったがこれもちょっと…と思わされた。
20分、今度は Wilkinson が原口をPAエリアのすぐ外中央で倒してFKを与える。 このFKリシャルデスが直接狙ったが惜しくもゴールの角を叩いてしまう。後方のレッズサポーター達から一斉に溜息が漏れた。



しかしこのチャンスの後から徐々にレッズはサポーター達の方に向かう時間が少なくなっていった。 現代は左SBの朴源載が上がる時間が多くなってきた。 28分には朴源載の上がりからCKを得て長身の Oris が飛び込むがここは関口と那須が二人ががりでマーク。 32分には啓太が相手を倒して献上したFKから繋がれて左サイドからあげられたクロスにまたも Oris が槙野と競りながらヘッドを放つがこれはわずかにクロスバーを越えた。 現代は 2列目左の李承がトップに上がり Oris と2トップを組んだり2列目右に回り Edinho をトップに上がらせたりして長身の Oris にハイボールを当ててそのこぼれ球をから攻撃に転じようとしてきた。そしてレッズの両サイドを右が李承、左を朴源載がばんばん突いて来た。 38分加藤が蹴ったゴールキックを長身の Oris が体に当てて跳ね返ったボールがあわやゴールインとなりそうになった。リードしているレッズが余裕無い様に見られた。
終了間際に啓太が粘ってシュートに持ち込んだけどゴールには至らず。レッズリードのまま前半が終わった。しかしチャンスがありながら追加点が奪えなかったこと、そして前半の終盤は結構押し込まれたことが気になった。



ハーフタイムを利用して気温が低くなってきたのでアンダーフリース、日本語でズボン下?股引?パッチ?を履きにトイレに行った。そしてトイレから出た後に何人かの人がラーメンを楽しんでいた。こういう時は温かいラーメンはありがたい。海外のスタジアムではお目にかかれない。第一特に欧州人はビール売り場に殺到し並ぶということをしない。




日本のスタジアムの良い所を見た好印象に浸りながら席に戻ると今度は物々しい雰囲気が。 私が座っていたところはアウェーサポーターズシートとの境界線近く。緩衝地帯が設けられているが数人の日本人サポーターが現代サポーター達に何か叫んでいる。そのうちに2人が柵を乗り越えて現代サポーター席に乱入しようとしているのを警備員数人が押し留めていた。 日本人たちは口々に”竹島を返せ!””盗んだ仏像返せ”とか叫んでいる。さらには”韓国女はブスばかりなんだよ!”とも叫んでいた。 10人ほどの現代サポーター達もこちらにやってきて何やら叫んでいる。向こうの方も警備員達が着席するようになだめられていた。 現代サポーターのうち一人がレッズのマフラーに何やらしようとしていたがその行為は試合中からあったらしくどうもそれが発火点になったみたいだった。
日本人達は”俺たちが韓国に行ったときはもっとひどくやられているんだ!”と警備員達につっかかっていた。中にはいきなり煙草を吸いだす輩も。 警備員は大変紳士的にしかし強力に彼らを押し留めいていた。 これがドイツあたりだと体重100㎏は下らない屈強な警備員が出て来て本当につまみ出されていただろう。 こういう光景も日本的なのか?
私も日韓関係に就いては竹島は日本固有の領土と信じているし従軍慰安婦なんて韓国側と日本共産主義のでっち上げと確信している。更に対馬から盗まれた仏像をユネスコ憲章に反して韓国の高等裁判所が日本に返還しないのは(ただこういう返還されないのは対馬の仏像だけでなくもっとたくさんある。) 許せない事だと怒っている。
しかしそれはここでは議論すべきじゃないと思う。ただ現代サポーターの行為もいただけないなぁ。 それだけにこの試合はレッズに勝って欲しかったんだけど….




後半レッズは交代選手がなく現代ベンチはCB Wilkinsonを下げて⑳李東國を投入し Oris のやや後方に置いた。そしてアンカーだった鄭仁煥がCBに入った。50分にレッズは平川からのクロスに原口が飛び込むがやや合わずに逆サイドに流れ関口からの折り返しを柏木が放ったがゴール枠は捉えられなかった。そしてこのシーン以外は後半開始から現代が常に前半の終盤の流れのまま押しまくっていた。51分37秒、浦和ゴール前やや右でFKを得た現代はそのFKから李承がノートラップで合わせて放ったショットがそのままレッズゴールに飛び込み同点とされてしまった。 ゴールが決まった時はあまりにも静かだったので現代サポーターたちでさえすぐにわからなかった。





以降も主導権を握るのは全北現代。 李東國が入ったことにより前線の収めどころが増えレッズDF陣は常に後手を踏むようになった。同点にされた直後にも Eninho にドリブルでシュートに持ち込まれるも何とかストップ。55分には3連続CKとされ最後はGK加藤がナイスセーブで防ぐ。 58分には槙野が上がった後方をカウンターで突かれる。 
これは逆転ゴールも時間の問題かと思われた64分、またも自軍ゴール前でFKを現代に与えるとそのFKから中央から李東國が飛び込みそのままゴールを割られてしまった。さすがベテラン現役韓国代表FWと思わされた。



しかし李承のゴールと言いセットプレーのマークが甘いなぁと思った。 逆転を許したレッズベンチは今シーズン初出場の坪井を下げて興梠を入れトップに入れリシャルデスと原口が2列目に。そうなると坪井のところには啓太か平川か誰が入るのか…と思っていると現代の方がサイド攻撃の起点となっていた李承を下げてくれた。 そして投入されたのは2009-11 AEK Athens でプレーしたブラジル人選手⑩ Leonardだった。
69分、かつて名古屋でプレーした元代表の金正友が中に入れると一旦はDFが跳ね返すがこぼれ球を拾われ前線に走り込んだ Oris にスルーパスが通るがここは那須が何とかシュートを撃たせない。 何とか3ゴール目は防いでくれよと思ったその直後、右サイドから浦和ゴールに向かって放り込まれた Eninho の弾道がそのままゴールに吸い込まれてしまった。 GK加藤のポジションをしっかり見ていてのロングシュートだった。 目の前で3連続ゴールを見せられたレッズサポーター達にとってまさに悪夢のとどめのゴールだった。 そしてその度に数では圧倒的に少ない現代サポーター達の歓声がスタジアムに響いた。





71分関口が下がり宇賀神が入ったが以降もなかなかゴール前にパスが入らず現代選手達の球際の強さが目立った。 相手を止めるときは激しくタフに。そして時折ファールを貰う為に倒れたり。
79分権純泰からのゴールキックをトラップし損ねたところを原口が見逃さず拾い上げそのままドリブルシュートを放ったがここはGK権純泰がナイスセーブ。 このシーンが後半唯一レッズサポーターを沸かせたシーンだった。 この直後に原口はベンチに下がり梅崎が投入された。 後半に入りレッズの攻撃は原口のドリブルとリシャルデスのボールキープが頼りだった。 そのリシャルデスも次第にマークが二重、三重に付かれるようになりボールを上手く出せなくなってきた。 そして2点差の余裕からか現代はDFラインをしっかりと上げて全体をコンパクトに保ち常に数的優位を創っていた。それでなくても一歩の出だしが早くレッズイレブンはボールをなかなかコントロール出来なかった。
ロスタイムに入りCKのチャンスを得たレッズは槙野が飛び込むがクロスバーを越えてしまい、スコアーは変わらずタイムアップとなった。



立ち上がりの時間に追加点が決まっていればもっと異なった結果になったかもしれないけど、現在Jリーグで2位を走るレッズが地元での完敗であった。永田の負傷欠場は大きかったかもしれないけどちょっとJリーグのレベルが….と思わせられる試合内容と結果だった。
韓国の選手が試合後“ K-League Classic では観客が2万人も入る試合は稀だ。大観衆の前でプレー出来る事がモチベーションとなる。”と語っていたらしい。 ホームアドヴァンテージを逆にモチベーションにされたなぁ。そういえばオーストラリアの選手もレッズは毎試合4万人の観衆のスタジアムでプレーするのか?と羨ましがっていたのを覚えているけど。



この試合の3日後雨の中のさいたまスタジアム。レッズは磐田を相手に終了直前原口のドルブルシュートで試合を制した。これで生き返るかと思っていたけどその3日後、アウェーでの全北現代戦では終了直前に徐相民に同点ゴールを許し2点リードを守れず
勝点3を奪えなかった。この結果ACLでは非常に苦しい立場になった。 次の広州恒大戦はどうしようか?だけど広州は一見の価値のあるチーム。このチームを見るのを主目的としてさいたまスタジアムに出掛けようか…と思っている。



浦和レッズ:(4-5-1)18-加藤;2-坪井(66’30-興梠)、4-那須、5-槙野、8-柏木;10-リシャルデス、11-関口(70’3-宇賀神)、13-鈴木啓太、14-平川、22-阿部;24-原口(80’7-梅崎)

全北現代 :(4-5-1)1-権純泰;5-鄭仁煥、7-徐相民、18- Wilkinson (46’20-李東國)、19-朴源載;8- Edinho(73’4-金相植)、11-李承(67’10-Leonardo)、14-金正友、15-鄭赫、17-林遥煥;9-Kevin Oris