極寒の Melbourne から“亜熱帯”の Cairns に移動。
気温と湿度の差は感じたものの、暑さは今夏の(まだ続いているかも…)日本程では無く、寒い Melbourne よりはずっと過ごしやすかった。 Cairns から南下し Brisbane に。 そしてGold Coast の Sunshine を大いに期待したのだけど待っていたのは連日の雨。 それも朝から断続的にほぼ終日…. 地元の顧客に尋ねると
“先週までは良い天気だったんですよ… 何か連れて来ましたか?? “
そういえば中学時代は入学式から林間に修学旅行に体育祭、卒業式以外の行事は殆ど全て雨にたたられ、学年を挙げて誰が雨男で雨女かを真剣に探しあった…30年以上も昔の懐かしい思い出だけど、今回の出張は本当に参ったなぁ…
Gold Coast を本拠地にする A-League のチーム、Gold Coast United は昨シーズン加盟したチーム。しかし Debut Year は開幕から快進撃を続け常に首位争いに絡み続け、レギュラーシーズンは3位で日程を終え Final Series に進出。残念ながら Elimination Final で Wellington Phoenix に PK 戦で敗れたが、debut season としては上々の結果だったと思う。
だが今シーズンのスタートは出遅れ気味。開幕3試合2分1敗は11チーム中10位。
Week 6 では首位を行く Perth Glory にアウェーで Jason Culina のゴールで今シーズン初勝利を挙げ7位にまで順位を挙げた。
今シーズンの出遅れの原因ははっきりしている。昨シーズンチームの総得点39の半分以上の19ゴールを挙げた New Zealand All Whites の Shane Smeltz がすったもんだの末にトルコリーグの Genclerbirligi に移籍し、更にチームの second best となる 5得点を挙げた Joel Porter が怪我で離脱。得点源2人が抜けてその穴が埋まっていない。他にも前年レギュラー、 Anderson と Chalie Miller が抜けた。
そこでクラブ側は昨シーズンまでトルコリーグのGenclerbirligi でプレーしていいた、かつて Adelaide United でエース級の活躍をしSocceroos でワールドカップ予選にも出場した経歴のある Bruce Djite と契約し前節の Perth Glory 戦からデビューさせた。( このクラブは Genclerbirligi と特別な関係でもあるのか?) Djite は北京五輪メンバー候補でもあったが、当時移籍の決まっていた Genclerbirligi との合流時期の兼ね合いもあり、当時の Graham Arnold 五輪監督と話し合い北京五輪メンバーには招集しない事になったらしい。 Arnold 氏はけっこう選手の事を思いこういう“便宜”を図る人だ。 2007年の Asian Cup 前も Glasgow Celtic 入りが決まったScot McDonald を同様の理由でメンバーに入れなかった。その“便宜”は全て今年のワールドカップに向けての事だったかもしれないが、2人ともメンバーには残れなかった… その Graham Arnold 氏はこの日の対戦相手 Central Coast Mariners の監督に就任している…
更に昨シーズンまで Melbourne Victory のGK だった New Zealand All Whites のワールドカップメンバー GK Glenn Moss もシーズン開幕後に獲得。 Moss は All Whites でも Melbourne Victory でもレギュラーだったけど All Whites ではオセアニア地区予選でレッドカードを受け4試合も出場停止となり、結局ワールドカップでも出番が回ってこなかった。 Victory でも終盤は調子を落とし、 Grand Final では GK は Mitchell Langerak に譲った。Gold Coast で新規巻き返しを図る…
Gold Coast United がホームとする Skilled Park は Robina 駅から歩いてすぐの場所にあるのだが宿泊している場所の関係上車で出掛けた。困ったのは駐車場。はじめて行く場所で周辺の事は皆目解らないので結局競技場から離れた巨大な Shopping Centre の駐車場にとめた。しかし駐車料金も取られないし歩いても10分程度なのでこれでよしとしたけど、競技場のすぐ近くにどうやら駐車するところがあったらしい… Skilled Park は地元 Rugby League の Titans のホームグラウンドでもあるのだが、実に立派な Stadium 。Melbourne の AMMI Stadium と言い今の日本ではちょっと見られない新しいデザインの競技場といった印象を受けた。
この日の対戦相手 Central Coast Mariners とは私も雨を通じて縁がある。初めて観戦した A-League の 試合 ( Sydney FC vs Mariners ) 、そして昨年等々力での ACL ( フロンターレ戦 ) そしてこの試合と雨続きだ。特に昨年の ACL の試合は豪雨だったなぁ…..でも 2007-08 の Grand Final は好天だった。 Mariners は毎年けっこう安定した強さを見せており昨シーズンこそ8位に低迷したがこれまでの5シーズンで3度 Final Series に進出しており、優勝はまだないものの2度は Grand Finalist に。
今シーズンは開幕から好調で前節もホームで Melbourne Hearts を 1-0 で降し首位戦線に絡んでいる。これまでの5シーズン、3位、8位、1位、4位、8位とほぼ1年ごとに上位に残っているので今年は上位に留まる順番かもしれない…
Gold Coast のスタメンは前節 Perth 戦でスタメンだったべテラン右 SB の Steve Fitzsimmons に替ってブラジル人の ’99 FIFA U-17 優勝メンバーだったAnders Alaves da Silva を起用。 彼はボランチを務める Robson Alaves da Silva の弟らしい。 そこ以外はすべて Perth 戦と同じスタメン。CB の Michael Thwaite は Carl Valeri, Mile Jedinak, Alex Brosque そしてこの日の対戦相手のCB Alex Wilkinson らと共に’03 FIFA U-20 でベスト16に残ったYoung Socceroos メンバー。
ワントップには前述した Bruce Djite 。 そして何と言っても重鎮は PSV Eindhoven で4シーズンプレーし ’99 FIFA U-20, シドニー五輪、ワールドカップ 2006,2010 でもレギュラーだったJason Culina 。Socceroo ではボランチで起用されていたがここでは攻撃的なポジションだった。彼のプレーを見るのが一番の楽しみでもあった。
一方ビジターの Mariners もタレント揃い。188cm のワントップの Matt Simon は北京五輪メンバー。2列目真ん中のアルゼンチン人 MF Patricio Perez は前節先発の Oliver Bozanic に替って起用された。’01 FIFA U-17, ’03 FIFA U-20 そして北京五輪メンバーの CB Willkinson と組むもう1人の 長身190cm のCB オランダ人Patrick Zwaanswijk はかつて大分トリニータでプレーをした。 Simon, Wilkinson の他に右SBの Peaj Bojic とボランチの John Hutchinson が昨年の ACL 経験者だ。
1 Moss
8 Anders da Silva 3 Thwaite 16 Rees 6 Djulbic
2 Pantelius 5 Robson da Silva
7 Caravella 10 Culina 22 Treore
11 Djite
19 simon
2 McBrean 10 Perez 14 McGlinchey
7 Hutchinson 8 Griffith
3 Rose 6 Zwanswijk 18 Wilkinson 4 Bojic
20 Ryan
試合はキックオフからホームの Gold Coast が Central Coast ゴールに迫る。
9分10秒には右SB Djubic からボールを受けた Robson da Silva が 絶妙のスルーを Djite に送るが ボランチの Griffith と CB Zwanswijk が厳しいマークでシュートを撃たせない。14分25秒には GK から直接ボールを受けた Djite がポストプレーで Treore のシュートを演出するがクロスバーを大きく越えた。
そして何と言ってもトップ下の Culina の動きとプレーはピッチ上のどの選手達よりも1枚も2枚も役者が上と云う感じがした。ワールドカップではボランチのポジション、代表で一緒にボランチを組む Grella は守備的で Culina はどちらかと云うと攻撃的であったが、この日の様にこんなに攻撃に絡む事は少なかった。前線ですばやくサポートに入りボールを受けると、1人、2人に囲まれてもその包囲網を突破したり、味方にボールを出して素早く動き再びボールを受けたりと縦横無尽の動きでチャンスを演出する。18分には連続でボールを繋ぐがその愛で二2度も起点になった。
19分にもTerora がCulina とのワンツーで中央を突破しシュートを放つがクロスバーを越えた。21分28秒には Culina が右からクロスをあげボランチの Pantelidis がシュートに持ち込むが GK Ryan がキャッチ。Ryan は18歳で次の五輪代表候補らしい。
25分には Panteldis が右サイドを突破し中央に走り込んだ Culina に送る、Culina はGK Ryan を引きつける様なタイミングで左から走り込んだ Traore に送り、 Trare が放ったグラウンダーのシュートは Ryan を破ったがファーポストの僅かに右に外れて行った。 前半最も沸いたシーンだった。
その直後にはセットプレーからチャンスを掴み Djulbic, Djite が連続してシュートを放つがゴールネットを揺らせない。41分にはまたの Culina のゲームメイクからチャンスを掴むが得点には至らない。
Central Coast は 長身CB の Zwanswijk, Wilkinson が何度もクロスを跳ね返す等必死の守り。 Gold Coast ゴールに迫ったのは 24分23秒に中央をPerez がドリブル突破した時と31分にセットプレーのチャンス時に攻撃参加をした Wilkinson が飛び込みキーパーチャージを取られた時ぐらいで All Whites GK の Moss を脅かすシーンは殆どなく両者無得点のまま前半を終えた。
後半に入っても Gold Coast 優勢は続く。 52分56秒、カウンターに転じた Gold Coast はセンターサークル付近から Culina が GK の位置を見て超ロングシュートを試みるがこれは大きく外れた。 55 分には中央から左サイドに切れ込んだ Culina が中に入れるとそこに Djite が走り込むが Wilkinson と Bojic が必死に戻りシュートがジャストミートしなかった。
65分 Central Coast セットプレーから Griffith が惜しいシュートを放ったのが後半最初のチャンスらしいチャンス。セットプレー時には CB の2人が上がりベテラン MF McBrean が最終ラインに入るが、どうも相手を崩して得点が入る様には思えなかった…
攻めているのになかなか得点は決まらない Gold Coast は 68分 ボランチの Robson Da Silva と 右サイドの Treore の2人を下げて かつて Manchester United, Blackburn そして Nottingham Forest でプレーしたベテランJohn Curtis と 188cmの長身 FW Andrew Barisic を入れて Djite と2トップを組ませる。 しかし更に守りを固める Central Coast の最終ラインをなかなか破れない。 73分25秒には FK のチャンスを得て Culina が Caravella に送るがシュートは GK Ryan の正面。76分53秒には Panteldis がドリブルで突破してくるがシュートは打たせて貰えない。
74分には雨脚が強くなってきた。Central Coast は Simon 以外はみんな深く下がり守りを固めていると言う感じだった…. それでも80分には MF Perez を下げて FW Adam Kwansnik を入れて2トップにするが、中盤での Perez のドリブルはけっこう武器になっていたと思ったんだけど…
82分この日の観客数の発表があった… 2,037 人…..私が観た A-League の試合では最低人数。後で知ったけどこれは史上ワースト2位だったらしい…
Gold Coast ベンチは 83分、後半半ばから動きの落ちた Djite を下げて 20歳のエリトリア生まれの FW Golgol Mebrahtu を投入する。 Mebrahtu は混乱のエリトリアを家族で逃れてオーストラリアに移民し帰化したらしい。そして彼も次の五輪候補らしい… Gold Coast は右 SB の Djulbic を中盤に上げ3バックにし、最前線を Mebrahtu と Barisic の2トップにする。 87分 Central Coast は2列目左サイドの McBrean を下げて DF の Brad Porter を入れる。 あぁ守備固めに入ったか…
時間は過ぎ、このままこの退屈な試合も終わりか…と思った89分21秒、 Caravella の右からのクロスが中央に走り込んだ Mebrahtu を越えてフリーの Barsic が至近距離からボレーを放った。そのゴール裏に陣取った Gold Coast サポーター達は決勝ゴール !! とだれしも思っただろうが、弾道は大きくクロスバーを越えてしまった…
3分と表示されたロスタイム、91分には Djulbic が Kwansnik へのチャージで Central Coast が良い位置でFKを得る。もうこれが最後のチャンスと身を乗り出してゴール前を凝視するが、直接狙ったFKはポストの左に外れて行った…
92分に Central Coast ベンチは Hatchinson を下げて今シーズン Melbourne Victory から移籍のベテランFW Nik Mrdja を投入する。この時間帯の交替は時間稼ぎだろう…
そして93分に主審のホイッスルが鳴り、退屈な試合が終わった。最近はスコアレスドローの試合観戦も珍しくなったかなぁ………
後日の専門紙を見ると Gold Coast の Miron Bleiber 監督と Jason Culina が
“ 明らかに Central Coast はここに守りに来ていた。“
と対戦相手は専守に徹したとコメントを残したらしいが、 Arnold 監督は
”守備重視の戦いではなく、そういう風に見えただけだ。ここには決して守りを固めに来たわけではない。 勝点1には満足しているが、この日の試合内容には満足していない。“ と勝つ為にやって来た事を強調したらしい。
しかし観客数 2,037 人は少な過ぎる。立地は悪くはないと思うのだけど Gold Coast 地区は完全な車社会でもっと駐車場を整備と云うか、自動車で来れる様にしないと観客数は伸びないと思う。
後日の地元紙には Clive Mensinik CEO が今シーズン末までには経営不安が一掃できないのではないかとのコメントを出し、週末にも Gorman Lyall A-League 会長と話しチームとリーグ全体の経営好転の為に合うとの事であった。
今シーズンで契約切れとなる選手が12人もおり、このままでは契約延長も怪しくなってくるとは新聞の見通し、それでも“まだ10人の選手が来シーズン末まで契約が残っている。”と選手の確保には見通しが立っている事を Mensinik CEO は主張。
だが3日後にホームで行われる New Castle Jets 戦も観客の入りがこんな程度だったらチーム絶滅の危機に瀕するかもしれないとも漏らしていたらしい。
その New Castle 戦は終了直前ベテラン FW Curtis の劇的なゴールで勝利をものにしたが観客数は Central Coast 戦より少し多い 2,091 人だった…….チームは5位に浮上したけど大丈夫かなぁ…
帰りは雨の中運転をして帰った、印象の残ったのは Jason Culina のプレートスタジアムの素晴らしさ.. だけだったかな….
でも機会があればまた観に来たいなぁ…. と思った。
雨はホテルに近づくほどにだんだんひどくなってきていた…..
気温と湿度の差は感じたものの、暑さは今夏の(まだ続いているかも…)日本程では無く、寒い Melbourne よりはずっと過ごしやすかった。 Cairns から南下し Brisbane に。 そしてGold Coast の Sunshine を大いに期待したのだけど待っていたのは連日の雨。 それも朝から断続的にほぼ終日…. 地元の顧客に尋ねると
“先週までは良い天気だったんですよ… 何か連れて来ましたか?? “
そういえば中学時代は入学式から林間に修学旅行に体育祭、卒業式以外の行事は殆ど全て雨にたたられ、学年を挙げて誰が雨男で雨女かを真剣に探しあった…30年以上も昔の懐かしい思い出だけど、今回の出張は本当に参ったなぁ…
Gold Coast を本拠地にする A-League のチーム、Gold Coast United は昨シーズン加盟したチーム。しかし Debut Year は開幕から快進撃を続け常に首位争いに絡み続け、レギュラーシーズンは3位で日程を終え Final Series に進出。残念ながら Elimination Final で Wellington Phoenix に PK 戦で敗れたが、debut season としては上々の結果だったと思う。
だが今シーズンのスタートは出遅れ気味。開幕3試合2分1敗は11チーム中10位。
Week 6 では首位を行く Perth Glory にアウェーで Jason Culina のゴールで今シーズン初勝利を挙げ7位にまで順位を挙げた。
今シーズンの出遅れの原因ははっきりしている。昨シーズンチームの総得点39の半分以上の19ゴールを挙げた New Zealand All Whites の Shane Smeltz がすったもんだの末にトルコリーグの Genclerbirligi に移籍し、更にチームの second best となる 5得点を挙げた Joel Porter が怪我で離脱。得点源2人が抜けてその穴が埋まっていない。他にも前年レギュラー、 Anderson と Chalie Miller が抜けた。
そこでクラブ側は昨シーズンまでトルコリーグのGenclerbirligi でプレーしていいた、かつて Adelaide United でエース級の活躍をしSocceroos でワールドカップ予選にも出場した経歴のある Bruce Djite と契約し前節の Perth Glory 戦からデビューさせた。( このクラブは Genclerbirligi と特別な関係でもあるのか?) Djite は北京五輪メンバー候補でもあったが、当時移籍の決まっていた Genclerbirligi との合流時期の兼ね合いもあり、当時の Graham Arnold 五輪監督と話し合い北京五輪メンバーには招集しない事になったらしい。 Arnold 氏はけっこう選手の事を思いこういう“便宜”を図る人だ。 2007年の Asian Cup 前も Glasgow Celtic 入りが決まったScot McDonald を同様の理由でメンバーに入れなかった。その“便宜”は全て今年のワールドカップに向けての事だったかもしれないが、2人ともメンバーには残れなかった… その Graham Arnold 氏はこの日の対戦相手 Central Coast Mariners の監督に就任している…
更に昨シーズンまで Melbourne Victory のGK だった New Zealand All Whites のワールドカップメンバー GK Glenn Moss もシーズン開幕後に獲得。 Moss は All Whites でも Melbourne Victory でもレギュラーだったけど All Whites ではオセアニア地区予選でレッドカードを受け4試合も出場停止となり、結局ワールドカップでも出番が回ってこなかった。 Victory でも終盤は調子を落とし、 Grand Final では GK は Mitchell Langerak に譲った。Gold Coast で新規巻き返しを図る…
Gold Coast United がホームとする Skilled Park は Robina 駅から歩いてすぐの場所にあるのだが宿泊している場所の関係上車で出掛けた。困ったのは駐車場。はじめて行く場所で周辺の事は皆目解らないので結局競技場から離れた巨大な Shopping Centre の駐車場にとめた。しかし駐車料金も取られないし歩いても10分程度なのでこれでよしとしたけど、競技場のすぐ近くにどうやら駐車するところがあったらしい… Skilled Park は地元 Rugby League の Titans のホームグラウンドでもあるのだが、実に立派な Stadium 。Melbourne の AMMI Stadium と言い今の日本ではちょっと見られない新しいデザインの競技場といった印象を受けた。
この日の対戦相手 Central Coast Mariners とは私も雨を通じて縁がある。初めて観戦した A-League の 試合 ( Sydney FC vs Mariners ) 、そして昨年等々力での ACL ( フロンターレ戦 ) そしてこの試合と雨続きだ。特に昨年の ACL の試合は豪雨だったなぁ…..でも 2007-08 の Grand Final は好天だった。 Mariners は毎年けっこう安定した強さを見せており昨シーズンこそ8位に低迷したがこれまでの5シーズンで3度 Final Series に進出しており、優勝はまだないものの2度は Grand Finalist に。
今シーズンは開幕から好調で前節もホームで Melbourne Hearts を 1-0 で降し首位戦線に絡んでいる。これまでの5シーズン、3位、8位、1位、4位、8位とほぼ1年ごとに上位に残っているので今年は上位に留まる順番かもしれない…
Gold Coast のスタメンは前節 Perth 戦でスタメンだったべテラン右 SB の Steve Fitzsimmons に替ってブラジル人の ’99 FIFA U-17 優勝メンバーだったAnders Alaves da Silva を起用。 彼はボランチを務める Robson Alaves da Silva の弟らしい。 そこ以外はすべて Perth 戦と同じスタメン。CB の Michael Thwaite は Carl Valeri, Mile Jedinak, Alex Brosque そしてこの日の対戦相手のCB Alex Wilkinson らと共に’03 FIFA U-20 でベスト16に残ったYoung Socceroos メンバー。
ワントップには前述した Bruce Djite 。 そして何と言っても重鎮は PSV Eindhoven で4シーズンプレーし ’99 FIFA U-20, シドニー五輪、ワールドカップ 2006,2010 でもレギュラーだったJason Culina 。Socceroo ではボランチで起用されていたがここでは攻撃的なポジションだった。彼のプレーを見るのが一番の楽しみでもあった。
一方ビジターの Mariners もタレント揃い。188cm のワントップの Matt Simon は北京五輪メンバー。2列目真ん中のアルゼンチン人 MF Patricio Perez は前節先発の Oliver Bozanic に替って起用された。’01 FIFA U-17, ’03 FIFA U-20 そして北京五輪メンバーの CB Willkinson と組むもう1人の 長身190cm のCB オランダ人Patrick Zwaanswijk はかつて大分トリニータでプレーをした。 Simon, Wilkinson の他に右SBの Peaj Bojic とボランチの John Hutchinson が昨年の ACL 経験者だ。
1 Moss
8 Anders da Silva 3 Thwaite 16 Rees 6 Djulbic
2 Pantelius 5 Robson da Silva
7 Caravella 10 Culina 22 Treore
11 Djite
19 simon
2 McBrean 10 Perez 14 McGlinchey
7 Hutchinson 8 Griffith
3 Rose 6 Zwanswijk 18 Wilkinson 4 Bojic
20 Ryan
試合はキックオフからホームの Gold Coast が Central Coast ゴールに迫る。
9分10秒には右SB Djubic からボールを受けた Robson da Silva が 絶妙のスルーを Djite に送るが ボランチの Griffith と CB Zwanswijk が厳しいマークでシュートを撃たせない。14分25秒には GK から直接ボールを受けた Djite がポストプレーで Treore のシュートを演出するがクロスバーを大きく越えた。
そして何と言ってもトップ下の Culina の動きとプレーはピッチ上のどの選手達よりも1枚も2枚も役者が上と云う感じがした。ワールドカップではボランチのポジション、代表で一緒にボランチを組む Grella は守備的で Culina はどちらかと云うと攻撃的であったが、この日の様にこんなに攻撃に絡む事は少なかった。前線ですばやくサポートに入りボールを受けると、1人、2人に囲まれてもその包囲網を突破したり、味方にボールを出して素早く動き再びボールを受けたりと縦横無尽の動きでチャンスを演出する。18分には連続でボールを繋ぐがその愛で二2度も起点になった。
19分にもTerora がCulina とのワンツーで中央を突破しシュートを放つがクロスバーを越えた。21分28秒には Culina が右からクロスをあげボランチの Pantelidis がシュートに持ち込むが GK Ryan がキャッチ。Ryan は18歳で次の五輪代表候補らしい。
25分には Panteldis が右サイドを突破し中央に走り込んだ Culina に送る、Culina はGK Ryan を引きつける様なタイミングで左から走り込んだ Traore に送り、 Trare が放ったグラウンダーのシュートは Ryan を破ったがファーポストの僅かに右に外れて行った。 前半最も沸いたシーンだった。
その直後にはセットプレーからチャンスを掴み Djulbic, Djite が連続してシュートを放つがゴールネットを揺らせない。41分にはまたの Culina のゲームメイクからチャンスを掴むが得点には至らない。
Central Coast は 長身CB の Zwanswijk, Wilkinson が何度もクロスを跳ね返す等必死の守り。 Gold Coast ゴールに迫ったのは 24分23秒に中央をPerez がドリブル突破した時と31分にセットプレーのチャンス時に攻撃参加をした Wilkinson が飛び込みキーパーチャージを取られた時ぐらいで All Whites GK の Moss を脅かすシーンは殆どなく両者無得点のまま前半を終えた。
後半に入っても Gold Coast 優勢は続く。 52分56秒、カウンターに転じた Gold Coast はセンターサークル付近から Culina が GK の位置を見て超ロングシュートを試みるがこれは大きく外れた。 55 分には中央から左サイドに切れ込んだ Culina が中に入れるとそこに Djite が走り込むが Wilkinson と Bojic が必死に戻りシュートがジャストミートしなかった。
65分 Central Coast セットプレーから Griffith が惜しいシュートを放ったのが後半最初のチャンスらしいチャンス。セットプレー時には CB の2人が上がりベテラン MF McBrean が最終ラインに入るが、どうも相手を崩して得点が入る様には思えなかった…
攻めているのになかなか得点は決まらない Gold Coast は 68分 ボランチの Robson Da Silva と 右サイドの Treore の2人を下げて かつて Manchester United, Blackburn そして Nottingham Forest でプレーしたベテランJohn Curtis と 188cmの長身 FW Andrew Barisic を入れて Djite と2トップを組ませる。 しかし更に守りを固める Central Coast の最終ラインをなかなか破れない。 73分25秒には FK のチャンスを得て Culina が Caravella に送るがシュートは GK Ryan の正面。76分53秒には Panteldis がドリブルで突破してくるがシュートは打たせて貰えない。
74分には雨脚が強くなってきた。Central Coast は Simon 以外はみんな深く下がり守りを固めていると言う感じだった…. それでも80分には MF Perez を下げて FW Adam Kwansnik を入れて2トップにするが、中盤での Perez のドリブルはけっこう武器になっていたと思ったんだけど…
82分この日の観客数の発表があった… 2,037 人…..私が観た A-League の試合では最低人数。後で知ったけどこれは史上ワースト2位だったらしい…
Gold Coast ベンチは 83分、後半半ばから動きの落ちた Djite を下げて 20歳のエリトリア生まれの FW Golgol Mebrahtu を投入する。 Mebrahtu は混乱のエリトリアを家族で逃れてオーストラリアに移民し帰化したらしい。そして彼も次の五輪候補らしい… Gold Coast は右 SB の Djulbic を中盤に上げ3バックにし、最前線を Mebrahtu と Barisic の2トップにする。 87分 Central Coast は2列目左サイドの McBrean を下げて DF の Brad Porter を入れる。 あぁ守備固めに入ったか…
時間は過ぎ、このままこの退屈な試合も終わりか…と思った89分21秒、 Caravella の右からのクロスが中央に走り込んだ Mebrahtu を越えてフリーの Barsic が至近距離からボレーを放った。そのゴール裏に陣取った Gold Coast サポーター達は決勝ゴール !! とだれしも思っただろうが、弾道は大きくクロスバーを越えてしまった…
3分と表示されたロスタイム、91分には Djulbic が Kwansnik へのチャージで Central Coast が良い位置でFKを得る。もうこれが最後のチャンスと身を乗り出してゴール前を凝視するが、直接狙ったFKはポストの左に外れて行った…
92分に Central Coast ベンチは Hatchinson を下げて今シーズン Melbourne Victory から移籍のベテランFW Nik Mrdja を投入する。この時間帯の交替は時間稼ぎだろう…
そして93分に主審のホイッスルが鳴り、退屈な試合が終わった。最近はスコアレスドローの試合観戦も珍しくなったかなぁ………
後日の専門紙を見ると Gold Coast の Miron Bleiber 監督と Jason Culina が
“ 明らかに Central Coast はここに守りに来ていた。“
と対戦相手は専守に徹したとコメントを残したらしいが、 Arnold 監督は
”守備重視の戦いではなく、そういう風に見えただけだ。ここには決して守りを固めに来たわけではない。 勝点1には満足しているが、この日の試合内容には満足していない。“ と勝つ為にやって来た事を強調したらしい。
しかし観客数 2,037 人は少な過ぎる。立地は悪くはないと思うのだけど Gold Coast 地区は完全な車社会でもっと駐車場を整備と云うか、自動車で来れる様にしないと観客数は伸びないと思う。
後日の地元紙には Clive Mensinik CEO が今シーズン末までには経営不安が一掃できないのではないかとのコメントを出し、週末にも Gorman Lyall A-League 会長と話しチームとリーグ全体の経営好転の為に合うとの事であった。
今シーズンで契約切れとなる選手が12人もおり、このままでは契約延長も怪しくなってくるとは新聞の見通し、それでも“まだ10人の選手が来シーズン末まで契約が残っている。”と選手の確保には見通しが立っている事を Mensinik CEO は主張。
だが3日後にホームで行われる New Castle Jets 戦も観客の入りがこんな程度だったらチーム絶滅の危機に瀕するかもしれないとも漏らしていたらしい。
その New Castle 戦は終了直前ベテラン FW Curtis の劇的なゴールで勝利をものにしたが観客数は Central Coast 戦より少し多い 2,091 人だった…….チームは5位に浮上したけど大丈夫かなぁ…
帰りは雨の中運転をして帰った、印象の残ったのは Jason Culina のプレートスタジアムの素晴らしさ.. だけだったかな….
でも機会があればまた観に来たいなぁ…. と思った。
雨はホテルに近づくほどにだんだんひどくなってきていた…..
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