2試合で勝ち点4は悪くないスタート。ホームゲームで確実に勝ちアウェーで引き分ける。それが理想の勝点勘定。日本はアウェーのバーレーン戦で勝ったがホームのウズベキスタン戦は引き分けた。だが勝点4は変わらない。なのに今岡田日本代表監督は更迭の噂にさらされている。ウズベキスタン戦は数々のチャンスを生かし切れずにその数日前に行われたUAE との“練習マッチ”と同じ様な展開を続け引き分け。
忍耐は美徳では無い、先週中村俊輔がついに口を開いた。日本は “ Win ugly : 泥臭い勝ち方 “を学ぶ時が来ている。その時は来ている、さもなくば岡田監督の任期は長くない。
既に昨年3次予選でバーレーンに敗れて以来彼のポジションは確固たるものでは無くなっている。 “我々は岡田監督と共に歩む。彼を解雇はしない。” 犬飼日本サッカー協会会長はこう発言する。しかし岡田監督の反応は決してその発言が彼のポジションを安泰にするものだとは示唆しない。 ”私はそれが協会内部で真剣に考えられたもかはわからない。私はチームの勝利に貢献すべくベストを尽くすだけだ。コーチを挿げ替えるのは会長の決定なので彼に訊いてくれ!!私は自分のすべきことをするだけだ。私を解雇しないと言われるのは、私をリラックスさせるためで。解雇を楯に仕事を厳しきさせる為ではない。“
彼は次のカタール戦で結果を出さねばならない。
以上は次の対戦国カタール協会のホームページの英語ヴァージョンに記されていた記事の要約だ。カタールは1勝1敗1分。彼ら理想の星勘定はホームゲーム2勝、アウェーで1分、勝ち点7と言う事になるが実際はホームでは1勝1分( 3-0 Uzbekistan 1-1 Bahren ) アウェーでは1敗 ( Australia 4-0 ) なんと言っても痛いのはオーストラリアに 0-4 と完敗を喫した事だ。これにより Uzbekistan を3点差で破った貯金を吐き出してしまい得失点差で1試合消化試合の少ない日本よりも下回る事になった。
先月のオーストラリア戦は“中東通”の Metsu 監督体制の初戦であったにも関わらず4失点の敗戦。得意の攻撃陣もオーストラリアの屈強なDF陣の前に不発。しかも Defensive MF の Grella , カタール攻略に欠かせないハイクロスを配球する Bresciano そしてエース Harry Kewell が不在であったにも関わらず…….
確かに試合のあった当日の Brisbane は大雨が降った。中東ではお目にかかれないピッチコンディションであった。10日以上前に現地入りして、Socceroos の欧州組が揃うずっと前に Gold Coast 入りして準備にあたっていたのが大雨の天候に全て文字通り流されてしまった……. それだけに次にホームでの日本戦への意気込みと巻き返しが非常に気になってたまらない。
そしてカタールサポーター達を喜ばすニュースも入ってきていた。
日本のスターディフェンダー 中澤祐二が“筋肉挫傷”の為に翌週のカタールとのワールトカップ予選には出場できない見込みとなった。
30歳のこのディフェンダーは土曜日の J-League のゲームにおいて右足太ももの内転筋を痛め MRI 検査の結果全治3週間と診断された。中澤は日本の守備の要と言われており19日のドーハでのカタール戦と木曜日のシリア戦は欠場する見込み。替って清水 S-Pulse の高木和道が招集された。
また第一GKの楢崎正剛32歳も所属先の名古屋グランパスの発表によるとカタール戦は怪我の為に戦列を離れるだろとの事であった。日本は11月19日のカタール戦に向けて中村俊輔そして ST.Etienne の MF 松井大輔を招集するなど “ strong Squad “ を発表した。 (この後に招集メンバー25人の選手名と所属先がリストアップされている)
中澤の離脱は非常に痛い。そしてカタールにとっては吉報に他ならない。
あれは我が愛する京都サンガが横浜Fマリノスに勝った試合。テレビ中継もなく I MODE で必死に経過を追っていると中澤の交替の情報があった。前半が終わる前だったのでかなり心配をしたのだった........
カタールは3次予選でそして最終予選でオーストラリアと対戦し3連敗。 ( 0-3, 1-3, 0-4 ) 苦戦したその原因はDF陣のハイクロスの弱さにあった。今年2月、メルボルンで行われた3次予選では 194cm 長身の Josh Kennedy の完全に制空権を握られ、先月のブリスベンでの試合でもカタールDF陣は Kennedy を止められず失点を重ねてしまった。大久保、玉田、達也と先発候補が上背が無い為、セットプレーなどで中澤が闘莉王と共に相手DF陣の脅威となるのであったが…… 巻の調子はどうだろう。
どうしても得点が必要な時は巻の投入またはスタメンも考えても良いか?
ただオーストラリアは Kennedy のヘッドだけで快勝したのではない。 Tim Cahill そして Brett Emerton の2人もゴールを重ねた。特に Emerton は今回のワールドカップ予選ではカタール戦4得点。中澤はいないがハイクロスを生かすべく戦術がうまく取れないものか……
楢崎は本当に離脱するのであろうか?しかし楢崎が守れないなら川口がいる。川口は本当に幸運をものにする選手が。アトランタ五輪ではレギュラーとしてゴールを守ったが、当時所属先の横浜マリノスでは松永成立がいたのでレギュラーポジションでは無かった。そこに松永が監督とのトラブルからチームを去り、レギュラーの座を奪うとそのまま代表のゴールも守る様に。フランスワールドカップでは何度もファインセーブを連発した。トルシエ政権下ではライバルの楢崎がシドニー五輪では Over Age 枠で楢崎が起用されるほど寵愛を受けた。しかしシドニー五輪で負傷した楢崎に替って起用された2000年 Asian Cup レバノン大会ではナイスセーブを連発しチームの優勝に貢献した。2002年ワールドカップ日韓大会では出場の機会が無かったが以降日本のゴールを守る川口と楢崎の存在は誰もが知るところ。 今年3月のバーレーン戦以来レギュラーから外れているが、またスーパーセーブを披露してくれるだろう。(もっともそういうシーンも見たくないけど。)
2006年6月、 Nurnberg で観た川口の神懸かり的なあのセーブを私は一生忘れる事はないだろう……
日本戦に臨むメンバー発表。
韓国との親善試合 を前に19日の日本戦に臨むメンバーが発表された。注目はAl Rayyan 所属先の Adel Lami とエジプトの強豪 El Ahli所属のHussein Yasser 。 Adel Lamiはこの ワールドカップ予選初召集では無いかな……
Hussein Yasser はバーレン戦では90分出場するも前のオーストラリア戦ではベンチ入りを果たせなかった。その後所属先の El Ahli でレギュラーポジションを確保できたその実績が再召集となった。そしてDF Abdula Obaid S Koni と FW Tala Ali H Albloushi の2人が累積警告で出場出来ない為の召集と考えられる。特に FW の H Albloushi は9月6日のウズベキスタン戦でゴールを決めている選手。
11月14日ドーハで行われた韓国との試合では1-1 で引き分けた。この試合は試合開始早々の前半6分、左サイドFKからイ・チョンヨンが直接蹴りこんだボールがゴール前でワンバウンドしてカタールゴールに吸い込まれ韓国が先制した。その後はホームのカタールがエースの Sebastine Quintana を中心に韓国ゴールに迫るがゴールは割れず、後半は立ち上がりソ・ドンヒョン、ハ・デソン、キム・チゴン、チェヒョジンをピッチに送り込んだ韓国が攻める展開が続いたが後半10分以降、徐々にカタールが攻撃のリズムをつかみ始める。そして後半29分ブラジルからの帰化人選手 Fabio Cesar Montesin がFKを直接蹴りこんで1-1の同点に追いつきその後の韓国の攻撃をしのいで試合は1-1の引き分けで終了した。この試合のもっ一つの注目は Asian Cup の飲酒事件から1年が経ちその謹慎明けとなった GK 李雲在の復帰でもあった。
またこの前の11月10日に行われたドーハでのイランとの親善試合は Gholameza Rezaei のゴールで0-1 で敗れている。この試合でBundesliga Arminia Bielefeld でもプレーしたイランのかつての英雄 Karim Bagheri が7年振りに代表に復帰した。34歳の Bagheri はワールドカップ時には36歳になる。彼の復帰はかつて共に戦った現在はイラン代表監督に就いている Ali Daei のたっての依頼だったのだろうか…….
カタール代表のメンバーは下記の通り。
GK Mohammad Saqre ( Al Sadd ) , Abdulaziz Ali ( Al Gharrfa )
DF Saad Al Shemari ( Al-Rayyan ) , Bilal Mohammad ( Al-Gharrafa ) ,
Mustafa abdi ( Al-Gharrafa ) , Meshaal Mubarak ( Qatar S.C ) Markoni Ameral ( Al-Gharafa ) Ibrahim majid ( Al-Sadd ) , Messad Al Hamad ( Al-Sadd ), Younis Ali,Hamid Ismael, (不明 )
MF Talal Al Boloushi ( Al-Sadd ) , Khalfan Ibrahim ( Al-Sadd ) , Majid Mohammad ( Al-Sadd ) , Majdi Seddiq ( Al-Khor ) Fabio Ceasar Montesin ( Umm-Salal ) Mohammad Abdulrab Al Yazidi ( Al-Sadd ) Younis Ali Rahamati ( Al-Rayyan ) Mousa Haroun Geder ( Umm-Salal )
FW Yousif Ahmad Ali ( Al-Sadd ) , Sebastian Sorea Quintana ( Qatar S.C )
Said Al Bashir ( Al-Arabi ) Hussein Yasser ( EL Ahari : Egypt )
Adel Lami ( Al-Rayyan )
Al-Saad 8人, Al-Rayyan 3人 そして Al-Gharafa 4人となっており 攻撃陣では Al-Saad がそして守備では Al-Gharafa の選手が多い。
GK は Mohamed Saqre だろう。オーストラリア戦では累積警告で出場出来なかった。
DF は最終予選3試合連続フル出場でゲームキャプテンを務めた事もある Abdulla Obaid S Koni が累積警告で出場できない。オーストラリア戦はベンチ入り出来なかった Marcone Amaral C Junior、Mustafa Mohamed Abdulla, Ibrahim Majed A ABDULLAMAJED の3人とBilal Mohammad を加えた4バックか?それとも B. Mohammad の替りに Messad Al Hamad が起用されるか? Al Hamad, Bilal Mohammad そして Ibrahim Majed A Abdullamajed の3人は北京五輪予選で日本と戦ったメンバーだ。
MFは Tala Ali H ALBLOUSHI が累積警告で出場できないはずだ。最終予選のウズベキスタン戦とオーストラリア戦で警告を受けている。今回招集リストにあるのはおかしいなぁ…….. H Albloushi は3次予選からほぼ通して出場して来た選手。攻撃的MF には Khalfan Ibrahim と元ブラジル人のCesar Monsten が。そして Majdi Seddiq と Wesam Rizik ABDULMAJID がややディフェンシブなポジションを取るだろう。 Seddiq は北京五輪予選の日本戦に出場している。そしてドーハの日本戦ではロスタイムに得たPKを決めている。
FWは Sebastian Quintana と Said Al Bashir 。 Sayed Ali Bashir は最終予選は怪我の為にバーレーン、オーストラリア戦は連続してベンチ入りもしていない。怪我の回復が芳しく無ければHussain Yaser M ABDULRAHMAN または オーストラリア戦でスタメンを果たした 元五輪代表で日本とも五輪チーム時代は戦った経験のあるMagid Mohamaed I HASSAN の起用か? それとも今回召集の Adel Lami がスタメンか?Quintana に気を取られていると他のMF,FW の攻撃陣も強力なので要注意だ。
このカタール戦は前半の大きな山場となっている。この試合、引き分けても良しとすべきだがオーストラリアが2連勝を果たしており3ヶ月後には Socceroos をホームに迎えるのでやっぱり勝点3が欲しいなぁ…… そうすれば2月のオーストラリア戦までゆっくりと過ごせるのだけど。
既に現地入りしている岡田ジャパンが我々を安心させてくれることを願う。
だけどカタールはイランや韓国と試合をして準備をしているのに日本はシリア相手で大丈夫なのかな.......