Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

14年振りの Camp Nou Champions League  第4節 後半

2008-11-11 | EURO Football

後半に入っても序盤から主導権を握るのはバルサ。51分には Hleb がボレーシュートを撃つが GK Costanzo がストップ。55分にはIenista からボールを受けた Henry がドリブル突破を図る。しかし Basel DF, 特に CB の Marque, Ferati そして Huggel の守備は堅くシュートは撃てない。55分にはPique がドリブルで中央を突破そして左サイドに寄った Henry にクロスを上げるがHenry がこの日放った2回目のフリーのヘッドはまたもゴール枠を外れてしまった。 
こうなるとバルササポーター達はピッチサイドでアップを続けてきた Messi と Xavi に期待がかかる。スタンドからも2人に声援が飛ぶ。おそらく早く出て来いってな内容だろうか…. 

  

しかし先にメンバーを替えたのは Basel 。 MF Perovic を下げて FW Eduard を投入した。これで前線を2枚に増やし先制点を狙うのか…と思うと大歓声が沸き起こる。 Messi と Xavi がピッチサイドにユニフォーム姿で現れたのだった。アップをしていた2人が呼ばれてベンチに戻った時から歓声が上がっていたがその何倍もの大歓声だった。60分に Krkic, Sanchez が下がって大歓声を背にEURO 2008で観た Xavi そして昨年オーストラリアで観た高速ドリブルの Messi がピッチに入った。 

  

2人のポジションは… と思う間もなく Camp Nou に大歓声が沸き上がる事に。 中盤でボールを得たMessi が高速ドリブルで前線に出て来て前にボールを送るとそこに走り込んだ Henry が体を反転させてワンタッチでボールを後ろに戻すとそのまま走り込んできた Messi が更に加速してドリブルで真ん中から左に切れ込み相手DFを簡単に振り切って放ったシュートは GK Costanzo を破って Basel ゴールネットを揺らした。後でスクリーンに映し出されたリプレーを見ると Messi が Henry にボールを出してから戻してもらったボールを受けてシュートを放つまでわずか2秒だった。そして彼が投入されてから2分も経っていなかった。これがワールドクラスの技術なのだろう….. Henry のワンタッチプレーもそうなのだろう…….そして私もバルササポーター達もこれから何点入るのだろうか?と胸算用を始めたと思う。

  

それにしてもこのレベルで1人で何とか出来る選手と言うのは本当にすごいレベルなんだろうなぁ…と思った。
67分、中盤で倒れたバルサの選手が立ち上がれない。どうやら Iniesta の様だ。担架が運び込まれたが結局 Iniesta は立ち上がって歩いてベンチに向かった。

  


そして替って Samuel Eto’o が投入された。
   
   

ここでも大歓声が沸く。観客は更なるゴールシーンを期待していたに違いない。何しろ前節は同じ Basel をアウェーで 5-0 と粉砕しているからだ。
しかしこの時間帯から Basel がバルサゴール前に迫るシーンが見られる様になる。68分には Carlitos が 右サイドをドリブルで上がりSylvinho と Pique の間に割って入ってクロスをあげると中には Stocker が飛び込むがシュートはゴールポストの右に外れて行った。 70分には Streller に替って EURO2008 スイス代表のEren Derdiyok が投入され Eduardo と2トップを組む事に。そして時折 Stocker が前線に出て来て効果的にプレスをかける事に。バルサは攻撃時に Messi がドリブルで持ってもDF4人に囲まれる。ポジションも Eto’o がトップで Henry がトップ下に入り右に Messi, 左に Hleb が入ったり Messi がトップに上がり Henry が左に開いたりするのだが….
それでも69分には Xavi のFKに Pique がフリーでヘッドを放つがポストを直撃してしまった。

そして72分、Carlitos が右サイドをドリブルで上がり入れたクロスを Derdiyok が放った叩きつける様なボレーシュートが大きく弾んでバルサゴールネットに突き刺さりあれほど劣勢だった Basel が同点に追いついた。最上層部席に陣取る Basel の大サポーター達は大喜び。そして1階席にも Basel サポーター達がいた…. 

 Barcelona は失点直後の74分に Henry がゴール前でボールをキープ。DFを引き付けて左にいたフリーの Eto’o にボールを送るが Eto‘o はボールを持ち過ぎて Basel DF にすぐ囲まれてシュートが撃てず、サポーター達から落胆の声が…..バルサは引き分けても次のステージに進めるが3連敗の Basel は勝たねばならない。その差が出たのか残り10分を過ぎると Basel の攻撃が目立つ。83分には Stocker が下がってアルゼンチン人の Marcos Gelabert が投入される。 Messi に一泡吹かせられるか? それとも Maradona にアピール出来るか ???
長身の CB Marque も上がって来る。Basel とて勝つチャンスは残っているのだ。 

  

しかし44分には GK Constanzo が遅延行為で警告を受けてしまう。引き分け狙いなのか…… ロスタイムは4分。その表示に歓声が沸いたのはバルササポーター達だった。しかしスコアーは動かないままタイムアップ。そして歓声は Basel サポーター達から沸き上がった。ピッチ上でも喜びを表しているのは Basel イレブン達。 観客に向かって何度も手を挙げ、そしてサポーター達の音戸の乗って万歳をする。 淡々と引き揚げるバルサイレブンとは対照的。 Henry はインタビューを断ってロッカールームに消えて行った。Messi も見せ場はあの得点シーンのみだった。

   

対照的なのは Basel GK のConstanzo 。5失点した前節と異なりこの試合は失点を1に抑え、満面の笑みでインタビューに応え、最後は Basel サポーター席に向かって何度も手を振っていた。でもこの引き分けで Barcelona は次のステージ進出が決まり、 Basel の敗退が決まったのだけど…….. 

   

あぁ14年前に聴いたバルサのあの歌が今回は一度も聴けなかったなぁ………

この日の Basel の戦いは格上のチームを相手にした時の手本になるかもしれない……. 帰りはマクドナルドに寄って地下鉄でホテルに戻った。地下鉄では Basel サポーター達と遭遇した。彼らも満足げな表情。ドイツ語は何とか出来るので色々話をした。“ NAKATA はどうしている?日本でプレーをしているのか?“と彼を気遣う言葉が、それとも日本人の私を気遣ったのか? ” NAKATA は前にいた KASHIMA Antlers に戻って良くやっている。もうすぐ代表に復帰するかもしれない。ワールドカップ予選があるから。Scot Chipperfiled も私は気になる。オーストラリアは日本と同じグループだから…..”

彼らが降車した後は地元の人が私のマフラーを見て結果を訊いてきた。両手の人差し指を立てて 1-1 と示すと少しがっかりした様子。

14年前に来たときはホテルの近くで地元の御夫人に結果を聞かれてスペイン語を話す家内が 5-0 でレアルを破った事を教えた時はすごく喜んでいたなぁ……… そしてカタルーニャ広場では Fiesta が始まってしまっていたけど今夜の街は静まり返っている……..

   


翌朝、 Barcelona 空港で搭乗した機内から小型機を見つけた、そして尾翼には Basel のマークが。球団機?なのか?Jリーグのチームも球団機でACL を転戦….と言う日は来るのだろうか…….. 

  

帰ったらスペイン語かイタリア語を勉強しようかな……いやいやもっと英語とドイツ語を….. でも何もしなやろなぁ…….あぁ疲れたぁぁぁ………



14年振りの Camp Nou Champions League  第4節 前半

2008-11-11 | EURO Football
前にスペインに来たのは14年前。その2年前に家内が突然スペイン語の勉強を始めたのにかこつけて計画したのがCamp Nou でバルサ対レアルの試合観戦を含んだスペイン旅行。インターネットの無い時代、チケットは当日の昼間でも入手できたが残っていたのは一番高かった9,500 スペインリラの席。ATMもほとんどない時代、慌てて金を取りにホテルに戻ったのを覚えている。 
試合は当時全盛期だったロマーリオのハットトリックそしてクーマンの強烈なFKが決まるなど 5-0 でバルサが歴史的な勝利だったがそこで観戦した試合はまるで映画を観ている様な感じで本場欧州のサッカー観戦を満喫できた思い出のスペイン旅行であった…….

再び訪れたカタルーニャの地、そこは14年ぶりと言う事もあり初めて訪れた様な感覚であった。前日までいたのはドイツ北部の港町ハンブルグ、その前は降雪の北欧ノルウェーの首都オスロ。従って最高気温が18度にもなるバルセロナは本当に温かく感じた。しかし現地の人から言わせれば“先週はもっと気温が高かった。数日前に雨が降って本当に寒くなった….” との事らしい。

  

仕事を片付け Camp Nou に地下鉄で向かう。昔と異なり Web Site でチケットが購入できる。ただ購入の優先件はバルサを支えているソシオ達にあり彼らに先行販売され余ったのが一般販売となるらしい。12月14日にここで開催される Real Madrid とのクラシコのチケット情報を見ると価格は Champions League よりも高くなっており、特に Grand Stand は一般向けが€110 に対してクラシコは€170となっていた。そして全てのチケットは既に売り切れていた。

窓口でクレジットカードとパスポートを見せてチケットを受け取り競技場内の MEGA STORE に向かった。前に来たときはこんなのあったかなぁ…… 店内にはありとあらゆるバルサのオフィシャルグッズが販売されている。先週のレプリカもその場で名前と背番号を入れてくれる。でも 14 Cryff や 13 Neeskens そして 10 Maradona ってのは入れてくれるのかな???目移りをして何を買って良いのかわからなくなってくる。同僚に後輩に子供に….そして自分に…時間はあっという間に過ぎて競技場入り口に向かったのはキックオフの5分前、そしてマンモススタジアムの泣き所の一つそこから入口までが長い、そして入場して席を探すにも時間がかかり着席した時は既に試合が始まって5分程度経っていた。14年前に聴いたあの試合開始前の“バルサ!バルサ!バ~ルサッッ!!”の歌が聴けなかったのが残念でならなかった…….

この日の対戦相手はスイスの FC Basel 1893。2週間前はバーゼルで同カードが行われアウェーの Barcelona が5-0 で圧勝した。そして両チームには深い関係があるらしい。109年前の 1899 年スイス北部の Winterthur 生まれの後にカタルーニャ姓の Joan Gamper と名を変えた元 FC Basel の主将だった Hans-Max Gamper 氏がバルセロナに渡り地元スポーツ新聞に選手募集の広告を出したのが FC Barcelona の始まりと言われている。両チームともユニフォームのデザインが青と赤の縦じまで2週間前の Basel の試合では FC Basel がこの模様のユニフォームを着て、このバルセロナでの試合は FC Barcelona がそのデザインのユニフォームを着る事となった。この両者が欧州の公式戦で対戦するのはこれがこの Champions League が初めてだったらしい。
この日は両チームとも多くの選手を入れ替えて来たがその理由は大きく異なるだろう。5失点で惨敗を喫した 5人の選手を替えて来た Basel の布陣は GK Franco Constanzo かつては River Plate, Real Alaves でもプレーし 1999年FIFA U-20 に出場、ワールドカップドイツ大会の南米地区予選のウルグアイ戦で代表のゴールを守った事もある。 DF は4バックで 右サイドバックが Reto Zanni 彼がまだスイス代表入りしないのが不思議らしい。 CB は 186cm のBeg Farati と 187cm の Francois Marque, 左サイドバックがスウェ-デン代表の Behrang Safari。DF ラインは二人入れ替えて Zanni, Ferati が起用された。EURO2008スイス代表のBenjamin Huggel が1ボランチに起用され、2列目は左からセルビアの Marko Perovic, 真中二人は スイス代表歴1試合のValentin Stocker と かつて A-League 発足前のPerth Glory でプレーしたセルビア代表歴9試合そしてワールドカップドイツ大会にも出場したIvan Ergic 右がポルトガルの Carlitos . Ergic以外は全て入れ替えられた。ワントップは EURO2008 そしてワールドカップドイツ大会代表の 195cm 長身選手のMarco Streller 。2005年11月のトルコとのワールドカップ予選プレーオフでは最後トルコの息の根を止めるゴールを決めた選手だ。私が注目しいていたオーストラリア代表の Scott Chipperfield はベンチからも外れていた。後で聞いたが膝の故障で入院らしい。2000年オーストラリアのNSLの Grand Final でプレーした Chipperfield ( Wollongong Wolves ) と Ergic ( Perth Glory ) が同じチームにいるのだ。う~ん感慨が深い……

そして地元の Barcelona 、メンバーとポジションの確認をしようと目を凝らしてピッチ上を眺めるのだけど選手達のポジションチェンジが速くてなかなかそれが掴めない。やはり現場とテレビ観戦との違いか……
立ち上がりから Carle Puyol と Aleksandr Hleb の2人が右サイドを抉のだが Puyol が上がった時はそれに連動して Hleb が引いてくる。

  

トップの Thierry Henry と Bojan Krkic の2人も目まぐるしく位置を変えて来る。それで Basel は2列目がさっぱり上がれずトップの Streller が孤立してしまっている。

  

あぁこれが世界のトップレベルのサッカーか…スタンドでこれだけ選手の動きが追えないのならピッチ上の対峙する選手達にはどう映るのだろう…..と感心していると後ろのレポーターと思しき男性がこの日のメンバーリストをくれた。それも UEFA CHAMPIONS LEAGUE の公式の用紙に印刷されたものだった。これは有難い。
丁寧にお礼を言うと、スペイン語で何か話しかけてくる、残念ながらスペイン語は“専門外”なのでさっぱり答えられないでいると隣の女性レポーターが英語で“ You はどこから来た?どこのジャーナリストか?” と通訳してくれたので “日本から来た、先週はずっとドイツにいた、明日は Celtic が Manchester United  との試合があるのでそれも楽しみにしている。” と答えると “何故 Celtic の試合を楽しみにするのか?”と訊かれたので“ NAKAMURA がいるからだ。”と言うと大きく頷いてくれた。
私はサラリーマンで別にジャーナリストでもなく翌日は日本に帰るのだけどそれ以上は言わなかった……… 彼女は時折 “ Liverpool 対 Athletico は Athletico が先制した….” とか途中経過も親切に教えてくれた。
メンバー表を見ながらピッチ上のフォーメーションを見ると GK Victor Valdez, DF は左サイドバックが Daniel Alvesではなく同じブラジル人の Sylvinho, CB が 192cm のGeravd Pique とメキシコ代表の Rafel Marquez, 左サイドバックが Carles Puyol, ボランチというか中盤の底と言うかDFラインの前に Sergi Basquets 、中盤は左に Andrea Iniesta, 右に Victor Sanchez, 前線がメンバー表では Bojam Krikic が真中ですこし下がって左に Henry , 右に Hleb 。しかしこの3人はポジションを頻繁に替え、私が観た時はしばらく Henry がトップで左にKrkic, 右に Hleb がいた。おそらく日本のバルサファンならスタメンさえわかればポジションくらいはすぐに分かったかもしれないなぁ……..
前節の試合から4人のスタメン選手が入れ替わり、3日前のアウェーでの Malaga CF 戦( 4-1で勝利 )のスタメンだった選手が前述の3人を含めて5人入れ替わった。
Samuel Eto’o と Lionel Messe そして Xavi Hernandez はベンチの“温存”されている。 この辺りグアルディオラ監督のローテンション制による選手起用だろうが Iniesta の前節の怪我による長期離脱は痛いだろう.......

序盤から攻勢を続ける Barcelona はHenry が各の違いを見せる。20分には Hleb にナイスパスを出しシュートを演出するがボールはGK Costanzo の正面に。21分には左サイドからのクロスに走り込んで放ったショットは Ergic が何とかブロック、 Henry にボールが渡ると何かが起こりそうだった。 それでもBasel は 中盤のアンカー役の Huggel がバルサ攻撃陣の侵入を防ぐ防波堤になりDF陣の負担を少しでも減らそうとしている。時折 MF の Stockner が上がってそこにボールが出るがバルサDF陣の前に最前線の Streller へのラストパスは遮断され続けた。27分にはHuggel が Puyol を振り切り前の Stockner に、Stockner は左サイドを上がり Busquets を振り切ってクロスを上げるが GK Valdes がキャッチ。このシーンが前半、 Basel から遠征して来たサポーター達が唯一沸いたシーンで以降はバルサの攻撃が続いた。27分には Henry がアクロバティックなシュートを放ちゴール裏のバルササポーター達の歓声が沸き上がる 。30分には Krkic が Huggel をかわしてミドルを放つがGK正面に。34分には Sylvinho の直接FKがゴールポストをかすめ、36分には Hleb が倒されて得たFKを再び Sylvinho が Basel ゴール前に蹴り込み Henry がフリーでヘッドを放つが惜しくもゴール枠から外れる。あぁ Sylvinho を起用した理由はここにあったのか….と感心させられるFKであった。 
しかし前半は両チームとも得点は入らずスコアーレスで終えた。ボール支配率は Basle 34に対して Barcelona は66 と圧倒していたが……

ハーフタイム中に後ろのレポーターの女性とすこし話をした。昔ここでクラシコ esposa と観戦したことや EURO 2008の決勝戦を観たこと(彼女も観戦したらしい)等など、そして昨シーズンの Champions League で中村俊輔のいる Celtic との試合もこの Camp Nou で彼女達は観戦したとのこと.......でもあまり日本の事は知らないと言っていたなぁ….一度行ってみたいと言っていたけど…寿司は好きらしい… あぁ俺もスペイン語を話せればメンバーリストをくれた男性と色々話せるのになぁ…..                    後半に続く