Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

大飛行及ばず。残すは団体戦。

2010-02-21 | 冬季五輪

1回目飛距離 121.5m 得点105.7 で21位に沈んだエース葛西紀明は2回目11番目に登場した。はっきり言ってこの時点でメダルはほぼ不可能。しかし世界に“カミカゼカサイ”健在の大飛行を見せて欲しかった。 そして高い飛び出しから距離をぐんぐん伸ばす。“落ちるな!落ちるな!来い!来い!よし来たぁぁぁぁぁぁぁ!!”と叫んでしまったその大飛行は 135m 。この時点で Slovenia の Robert Kranijec の 233.7 点を上回る 239.2 点でトップに立った。1回目135m 以上飛んだのは首位の Simon Ammann と2位のPoland の Adam Malysz の二人だけだった。1回目3位の Finland の Matti Hautakaeki が 131.5 点。2回目102.2点を出せば葛西の記録に追いついてしまう。 117 ~ 118m も飛べば抜かれてしまうと言う事だ。ゲートが下がって距離が出にくいとは言え容易に出せなくない飛距離。あぁ葛西のメダルはやっぱり無いんだなぁ、1回目が勿体なかったなぁ… 前日の予選のジャンプを取っておいてほしかったなぁ…. と思ってしまった。

 

札幌五輪で表彰台独占の快挙を子供の時テレビで見て以来、私は Ski Jumping が大好きだ。勿論飛んだことも無ければスキーをしたことも無い。でも38年間、ほぼ毎冬日本人選手を始め世界トップクラスがどんな戦績を残すかを楽しみにしていた。
ワールドカップ等の世界大会は出来る限りテレビ観戦をしている。ただ最近はテレビ中継が激減したけど….. Olympic Year の今シーズン、 五輪直前時点のWorld Cup Ranking を見ると Top 10 と日本人選手は下記の通り。

 1. Amman Simon              SUI   1249
 2. Gregor Schlierenzauer   AUT  1192
 3. Thomas Morgenstern     AUT   749
 4. Andreas Kofler             AUT   721
 5. Wolfgang Loizel             AUT   641
 6. Adam Malysz                POL   542
 7. Janne Ahonen              FIN    490
 8. Martin Koch                 AUT   477
 9. Anders Jacobsen          NOR   470
10. Bjoern Einar Romoeren NOR   449

14. 伊東大貴                            324
18. 葛西紀明                            264
29. 栃本翔平                            124
36. 湯本文久                              77

ワールドカップポイントは文字通りワールドカップでの順位の総合ポイントであるが、主に開催されるのが欧州以外の選手はその遠征費用に金がかかる。
最近の不景気の煽りを受け、企業のスポーツ部閉鎖の波を受けて日本人選手の欧州遠征は長野五輪を境に厳しくなっており、出場できる大会も限られそれも日本勢が欧州の列強に水を開けられている原因の一つだ。
今シーズンの世界情勢を見てみると Austria 勢が上位に並ぶがやはり断トツはスイスの英雄 Amman Simon 。 五輪直前の Klingenthal 大会でも Adam Malysz に9点差をつけて優勝するなど今シーズンもこれまで World Cup 5勝を挙げている。それに対抗するのが World Cup Ranking 2位の Austria の Schlierenzauer 。今シーズンはランキングでは Amman の後塵を拝しているが Zakopane 大会で2連勝。 Innsbruck, Garmish-Partenkirchen , Engelberg 大会で Amman を抑えて優勝している。優勝回数は今シーズンは Amman を上回る8回( Oberstdorf 大会では Team HS123 で優勝 )。従ってこの五輪では Simon Amman vs Gregor Schlierenzauer それに前回トリノ五輪 Large Hill 銀メダルで今年のジャンプ週間 ( Viershanzen tournee, Four Hills Tournament ) で総合優勝した Andreas Kofler を初めとしたのオーストリア勢と Poland の英雄 Adam Malysz がどう絡むか、そこに復帰した Jaane Ahonenn らフィンランド勢そして Large Hill に強い Norway 勢がどこまで上位争いに入ってこられるか?そして最近低迷しているドイツ、日本勢は1発が出るか? が私見だった。
願わくば日本勢に一発が出て、上位の候補勢がこけてくれる事を願った。ただドイツ勢はここ数大会の五輪で金メダルを勝ち取ったのは 1994年 Lillehammel 大会の Weissflog が LH で勝った以来なく、個人種目でのメダルも 2002年 Salt Lake City 大会の NH で Hannawald が銅メダルを勝ち取っただけだ。まぁ日本も長野五輪以来メダルはないんだけれど。

貫録の Amman 金 Malysz 銀 オーストリア勢に一角 Schlierenzauer 銅 Normal Hill

2月14日に行われた Ski Jumping の Normal Hill HS105 では日本勢は伊東大貴が14位、葛西紀明が15位に終わった。 1回目を終えて Amman が 105m を飛んで1位。2位にはドイツの Michael Uhrmann 今シーズンはWorld Cup で3位が3回ある。 前回の Torino 五輪では NH で4位だった選手だ。3位には Adam Malysz 。札幌五輪の 90m 級で世界が驚いた Wojciech Fortuna 以来の金メダルが期待される Poland の英雄だが、Salt Lake から3度目の挑戦でその悲願達成はなるか?  Austria 勢はどうしたのだろう? Morgenstern が4位、Schlizerenzauer が7位、Loitzl が12位、Kofler が17位だった。 そして Finland の英雄 Ahonenn が5位に付けた。Norway 勢は Tom Hilde が13位、Anders Jacobsen が15位。 
北欧勢はどちらかと言えば LH や200m クラスの Flying を得意としている。だから日本勢は Normal Hill にチャンスありと見ていたんだけど、1回目を終わって3位の Malysz との差が伊東で 7.5 点、葛西が 12.5点空けられた。これでメダルの夢はちょっと...... Hill Size の 106m を飛んでも....
2回目は Amman がそのまま逃げ切るのか、 Uhrmann が 16年ぶりにドイツに金メダルをもたらすのか? 今度こそ Malysz が Amman に勝つのか?そして Austria 勢が巻き返すのか?はたまた Ahonen が個人種目で初めての五輪メダルを勝ち取るのか.... が楽しみだった。
1回目19位の葛西の2回目, 意地のジャンプを見せて欲しかったが 100.5m 1回目よりかは飛距離も飛型も決め、この時点ではトップの 244.5 点。ただこれではメダルどころか入賞も厳しい数字。Large Hill に期待するか....と気を取り直す。 1回目13位の Slovenia のPeter Prevc が2回目 104.5 mを飛ぶ。これは2回目だけで結局4位のポイントとなり合計 259.0 でトップに。そして最終順序は7位だった。1回目10位の伊東は2回目距離 100m 1回目の飛距離に及ばずこの時点で6位。葛西、伊東ともに Prevec くらい飛んでくれたらなぁ.... と思った。 
そして1回目7位の Schlierenzauer が2回目 106.5m の大ジャンプ。この時点で Prevec の得点を大きく上回る 268.0 でトップに。さすが Austria と思わせるジャンプだった。こうなると残りの選手にプレッシャーがかかる。 だけど1回目のジャンプは勿体なかったなぁ.. Slovenia の Kranjec , そして Ahonen らは Schlirenzauer を追い抜けない。そして1回目4位、前回 Torino 五輪 LH で金メダルの Morgenstern は 101.5m と失速しこの時点で258.5点で5位、最終順位は8位におわった。 
1回目3位の Malysz が105mを飛び Schlirenzauer を抑えて首位に。ただ続く Uhrmann そして最後の Ammann の事を考えるともう数メートル欲しくは無かったか? それでも Malysz はガッツポーズを。この時点で通算4つ目の五輪メダルが決まったからかもしれない。今シーズンはまだ World Cup で勝っていなかったからなぁ....。



そして1回目2位の Uhrmann は力が入りすぎたか 102.0 m と伸び悩みこの時点で4位。ドイツ勢8年振りの個人メダルの可能性が無くなった。あと5.5ポイント足りなかった。こうなるとこの時点で3位の Ahonen の心境はどうだったのだろう。だが最後に残るのが Ammann だったのでもう諦めていただろう。 Simon Ammann は2回目も 108m の最長不倒を飛び2位 Malysz に7点差をつけて貫録の金メダルを勝ち取った。 これで五輪3つ目の金メダル。前回 Torino 大会では不調だったが、見事な圧勝だった。 
Schlierenzauer は1回目、Morgenstern は2回目の失敗が響いた。 大喜びをするスイス人の観客達を見ていると、Large Hill では何とか日本勢に。そして葛西に。 Team Jump につなげるパファーマンスをと祈った。

  


意地を見せてくれた葛西。 世界は遠い。でも次の団体戦こそ.......

現地時間の2月20日。Large Hill HS140 の予選で日本の葛西、伊東が上位2位を独占し決勝進出を決めた事を伝えるニュースを聞いた。 特に葛西はNornal Hill の2回目にタイミングを掴みつつあるとのコメントを聞いていたので翌日の決勝は大いに期待できると思った。しかし予選免除の World Cup ランキング上位10人も飛んでいたらしい。特に Ammann はゲートを下げても 140m は飛んだとの事。しかし葛西、伊東も、予選のジャンプを2本そろえればチャンスがあると思った。
しかし、伊東は 117m で30位、2回目に進むのがやっと。期待の葛西はK点を越えたが 121.5m で 21位。 3位の Finland の Matti Hautamaeki とは26点も空き、この時点でメダルの可能性は非常に薄いものと考えざるを得なかった。 あぁあの大飛行は......


トップはまたも Simon Ammann 144m, 144.7 点の大ジャンプで 2位の 138.1 点のMalysz に6.6点の差をつけた。そして3位の Hauttamaeki は134m で131.7 点。以降 Austria 勢が4人続いた。 Hautamaki は Torino 五輪 Normal Hill の銀メダリスト。 しかし今シーズンの World Cup では Zakopane 大会の11位が最高で Ranking も32位。 久々のビッグジャンプだた。それにしても Ammann と Malysz は別格だ。そのなかでも Ammann は全く世界が違うパフォーマンス。どうやったらあんなに飛べるのだろう......


2回目、まず伊東が登場する。今度はK 点を大きく超える 128.5m 。2回目に限っては11番目の記録。もし同じジャンプを1回目に出来ていたら入賞出来ただろう。だがそれは胸算用だろう。
そして葛西を迎える。 昨日の再現を,,,と願うと 135m の大ジャンプ。総合得点は239.2 点、この時点トップのSlovenia の Kranjec を上回りトップに。だが残りはあと20人もいるんだなぁ...... Poland の Stefan Hula, ドイツの Martin Schmitt ( おいおいこんな順位なのか?? ) は葛西を上回れない。1回目 18位のドイツの Uhrmann も上回れない。そしてトップ10に入って来た。
1回目9位タイのチェコのAntonin Hajek が129m を飛んで総合 240.6 点でついに葛西を上回ってしまった。 続く Noraway のJacobsen は 122.5m で葛西を下回ったが次のWorld Cup Ranking 20位のドイツの Neumayer が130m を飛んで総合 245.5 点でトップに立つ。そして Austria の Morgenstern が129.5mを飛んで 246.7点。Neumayer を抜いて、葛西はメダル圏外に落ちてしまった。 
1回目5位の Schlierenzauer が 136m を飛んで262.2で首位に立つ。 ただAmmann が2回目に 117.5 点以上を出せば Schlierenzauer の記録を上回ってしまう。続くKofler は135mを飛んだが Schlierenzauer を上回れない。オーストリア勢の金メダルはこれで難しくなった。
そして 1回目3位の Hautamaeki が何と104m の大失敗ジャンプ。この時点で葛西の入賞が決まった。 
続いて1回目2位の Adam Malysz . Hill Size 近くは飛んで Ammann にプレッシャーを掛けたいところだけど 133.5m 。Schlierenzauer を上回り首位に立ったが総合得点 269.4 。Ammann が 130m を飛べばほぼ金メダル。そして Ammann は2回目もトップの 138.0 m を飛び 、総合得点 283.6 点は2位 Malysz に 14.2 点も差をつけての貫録の2種目制覇。 彼だけは全く別のパフォーマンスだった。3位には Austria の Schlierenzauer 、そして4位 Kofler, 5位 Morgenstern とオーストリア勢が続いた。 

     

上位3人は Normal Hill と同じメンバーが並んだ。 
葛西は8位。2回目と同じジャンプが1回目にも出来ておればメダルも可能だった。それは胸算用だけど、世界のトップクラスはそれが出来る。Neumayer 20位, Hajek 24位と云った World Cup Ranking で劣る選手に先を越されたのは悔しかったかもしれない。

   

葛西自身は次の団体戦に向けて勢いがつくかもしれないがこの種目も伊東と葛西以外の選手は2回目に進出出来なかった。 団体戦でメダルをとなるといよいよ岡部の登場か? と思いきや、メンバーから外れるとの事。ちょっと団体戦大丈夫かなぁ.....

団体戦は23日だ。  日本チームの奮起を祈る。

 

  



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