Mr.コンティのRising JAPAN

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EURO2012 Final 数時間前….

2012-07-02 | EURO Football

欧州選手権 UEFA EURO2012 も決勝戦を残すのみ。3位決定戦というのが無いのがこの大会の好きなところの1つ。決勝戦に進出して来たのはスペインとイタリア。 連覇を狙うスペインの決勝進出は多くの人達が予想していたけどイタリアは少なかったんじゃないかな? 決勝戦を前に英国紙から気になる見出しを見つけた。

Spain and Italy suffer new economic setbacks

借入金額は跳ね上がり株式市場は下げ止まり。投資家は安全な避難場所を求めて

スペインとイタリアの財政悪化は6月26日借入金額が跳ねあがり株式市場が下がっている事から泥沼化している。そして政治家達はこの状況の責任に就いて非難しあっている。スペイン政府は銀行破綻を防ぐために€1兆( 100兆円) の財政援助を申請した為に同国の借入金が跳ねあがってしまった。
スペインでは銀行の先行き不安から3カ月と6カ月の短期国債の金利は2倍に跳ね上がった。
Angel Merkel 首相は私が生きている限り欧州は負債をため込まないとの発言を受けて投資家達がより安全な方向に走る様になった。
スペインとイタリアそして他のEUから直接資金を受け得いるアイルランド、ポルトガルそしてギリシアに関心が集中している間にフランスにスポットライトが当たっている。 大統領選挙を先月に終え再び金利が上がり始めている。 

“薄っぺらい、惨めなスペインとイタリアを加えた後、次のターへっとはフランスになるだろう。 私は大変少人数の国際研究所のメンバーがフランス債を買っているのを見ている。人々は大変神経質になっている。”

Hollande 大統領はそれは税収入の激減と公共雇用60,000人を捻出する為に数週間のうちに予算を組み替えると思われる。
フランス銀行の10年国債の金利はEURO 時代に入ってから最低であった6月1日付けの 2.071%から 2.63%に上がると見られている。5月15日の Hollande 大統領が執務に着いた時は 2.902% であった。
欧州の株式市場は Brussels Summit に先駆けて落ち着きを見せている。 スペイン IBEX 35 は1.5% 下がりイタリア MIB は1.1% 下げている。

この2日間の“欧州首脳会議”は欧州を支配している金融危機を解決する為の結論には達さないと見られていた。
この問題はドイツと他の3カ国、フランス、イタリア、スペインとは絶対的に埋まらない温度差があると言われているがそれは当然で金を貸す方と借りる方では立場も言い分も異なりその上借りる側の方の見解は本当に援助して貰うのかいな?と思ってしまう。

銀行破綻が懸念されるスペインやギリシアの銀行は欧州中央銀行からの直接資金注入を欲しているがドイツというよりもメルケル首相はあくまでも政府を通じての資金援助しかするべきでないと主張。ジャーナリスト筋ではドイツが外交的に優位に立つ為と言っているが“金を貸す方”から言えば当然の主張だと思う。

まぁ中国みたいに借りた金で宇宙開発をしたり軍備を強化し貸した国の領土侵犯をはかったり途上国に援助をして貸した国より国際舞台で優位に立ったりするよりかはましか?それにそんな中国にお人好しに国民の税金を簡単に援助してしまう国の外交の方が問題か?

予想以上のポルトガルの健闘。そして勝ったのは連覇を狙うスペイン

Spain 0 ( PK4-2 ) 0Porutgal   26th June Donetsk

大きな炭田がある炭鉱で有名な街 Donetsk 。旧ソ連邦時代からここは同国のエネルギー源となっており“ソ連貿易”を専門に行っていた私が前にいた会社ではキエフに続いてウクライナ共和国では頻繁に出張者が訪れていた。残念ながらロシア語を話せない“東欧担当”だった私はキエフこそ行った事があるがドネツクには行った事は無かった。

ここで準決勝戦が行われた。 

                    GK 12 Patrica ( Sporting )

      21 Pereica      3 Pepe      2 Alves       5 Coentrao  
     ( Sporting )   ( R. Madrid )    ( Zetit )       ( R. Madrid )

                       4 Veloso ( Genoa )

           16 Meikeles               8 Moutinho 
            ( Chelsea )                ( Porto )

   17 Nani ( Manchester United )            7 Ronaldo ( R. Madrid )

                       9 Almeida  ( Besiktas )

                      11 Negredo ( Sevilla )

     6 Iniesta ( Barça )                   21 David Silva
                                     ( Manchester United )

          14 Xabi Alonso              8 Xavi
          ( R. Madrid )               ( Barça )

    18 J. Alba      15 S. Ramos    3 Pique         17 Arbeloa
   ( Valencia )      ( R. Madrid )    ( Barça )       ( R. Madrid )

                    GK 1 Casillas ( R. Madrid )

スペインは4年前の決勝戦でプレーした選手が6人。4年前はギリシア戦しか出場機会が無かった Alvaro Arbeloa が右SBに。
Puyolが大会前に怪我で離脱したDF陣で前回の決勝戦経験者はCB Sergio Ramos のみ。ワントップに起用されたのは Fernando Torres でも Cesc Fabregas でもなく Negredo 。予選でも1試合しか召集されておらず今大会も出場時間は短かった。 決勝戦は誰がトップに入るのだろうか?

ポルトガルはスタメン9人が前回の EURO もメンバー入りしており Cristiano Ronaldo, Joao Moutinho ら6選手が主力選手だった。左SBの Fabio Coentrao はワールドカップ2010で台頭して来た本来はFW選手。EURO2008、ワールドカップ2010 では1ゴールずつに終わった Ronaldo は今大会これまで4試合で3得点。スペイン相手にゴールが奪えるかも楽しみだった。しかしポルトガルはワールドカップ2010では4試合で僅かに1失点。守備の強さが印象的だった。その1失点が決勝トーナメント1回戦のスペイン戦で David Villa の決勝ゴール。今回はその雪辱に燃える。スタメンの中でこの試合の経験者は12人だった。そして Real Madrid でプレーする選手が7人、Barça所属の選手が4人、Manchester United が2人。
特にDF陣は両チームに2人ずつ Real Madrid の選手がおりレアルの守備はスペイン、ポルトガル連合軍か?と思った。

スペインのキックオフで始まった試合。開始早々 Miguel Veroso がミドルを放ち GK Casillas がCKに逃れる。9分27秒にはスペインが左サイドでパスを繋ぎ Arbeloa がシュートをに持ち込む。その直後にも Iniesta が中央からミドルを撃つ。この試合の天候はポルトガルに味方した。30分過ぎまで水分補給する選手が目立たない。それだけ運動量が上がりスペインはパスを繋ぐもポルトガルの選手達がすぐに詰めて来るので相手のバイタルエリアになかなか近付けない。パスは繋がるもシュートに持ち込めず最後は Iniesta, David Silva 頼りであった。こう言う時、 Torres や Cesc のどちらかが好調ならそこに繋いで局面を打開してくれるのだけど。

個人の力と言えば Cristiano Ronald 。この試合でもドリブル突破は健在だった。26分には波状攻撃を見せるがその際は Ronaldo は中に入って攻撃の中心となっていた。31分には Meikeles のインターセプトからSergio Ramos, Pique のマークを掻い潜りシュートに持ち込むが惜しくもポストの左に外れる。そして左SBの Fabio Coentrao の上がりも効果的であった。

しかし後半に入るとスペインの選手のパスアンドゴーが見られるようになりパスも足元ばかりでなくスペースで受けられる様になった。そして54分には Negredo が下がり Cesc ( Barça ) が投入される。そして60分を過ぎるとポルトガル選手の脚が徐々に止り出したせいかスペインがポルトガルPA付近まで何度も迫る。

こうなるとポルトガルは Ronaldo の個人能力。72分に得たFKはクロスバーを越えた。 81分には Xavi のファールでFKを貰い直接狙い壁に入った Arbeloa の手に当たり更に前の26mの位置で再びFKを得るがシュートはクロスバーを越える。

そして終了直前、カウンター攻撃から77分に Alemeida に替って投入された Nelson Oliveira ( Benfica ) が中央をドリブルで上がって行きエリア付近で左に走り込んだ Ronaldo に送る。フリーの Ronaldo が Pique のスライディングタックルの直前にシュートを放つがクロスバーを越えて試合は延長戦に入った。 90分間でボール支配率ではスペインは 53% であったがシュート数はポルトガル10に対してスペインは6だった。

スペインのキックオフで始まった延長前半、左SBの Jordi Alba が良く上がって来ていた。そして103分には Alba の上がりから Iniesta が決定的なシュートを放つがGK Patrica が好セーブでストップ。その後ポルトガルが Meikeles に替って Silvestre Varela ( Porto ) を入れて2列目左に置き、 Nani をトップ下に入れ右にMoutinho を置き前線を Ronaldo と Oliveire の2トップにする。しかし Sergio Ramos らスペインDF陣を最後まで敗れずEURO2008準々決勝戦イタリア戦から続く EURO, World Cup の決勝トーナメントでのスペインの連続無失点記録が9試合となった。

PK戦では先攻のスペインが1番手 Xabi Alonso のPKが Patrica に止められると、 Casillas がポルトガルの先鋒 Joao Moutinho のPKを止める。この試合殆ど仕事が無かった2人が早速存在を見せた。

その後 Iniesta, Pique, Nani ( 順番が変わった?) Sergio Ramos と決めた次のポルトガル4人目 Bruno Alves のショットがクロスバーを直撃。そして Cesc Fabregas が最後に決めてスペインの2大会連続決勝進出を決めた。 蹴る順番が回って来なかった Cristiano Ronaldo の最後の表情が印象的だった。これまで相手チームの決定的なシュートが“ポスト”や“クロスバー”に助けられる事は無かったがこの試合はクロスバーに阻まれた。

Man of the Match はポルトガルの攻撃をそして時には”僚友“ Ronaldo を止め続けた CB Sergio Ramos。 UEFA Champions League 準決勝戦の Bayern München 戦ではPKを失敗したがこの試合ではきっちりと決めた。

地元開催以外ではポルトガルはどうしても準決勝の壁を破れない。 ワールドカップでは1996、2006。EUROでは 1984, 2000 そして今回。 それでもこの試合を見る限り、もう Ronaldo 一人のチームで無い事は良く解った。スタンドに Luis Figo はいたのだろうか。



Paul Bento 監督は試合後 “我々は決勝戦に進出する為にやった。ほぼ90分間我々は素晴らしいパフォーマンスを見せた。しかし延長戦に入りミスに付け込まれスペインに支配を許した。我々は栄誉と誇りを持って偉大なチームに屈した。大会5試合で敗れたのは1試合だけだった。 3連勝の後に我々は欧州、世界王者に対して自滅して敗れた。 我々は2度目の決勝進出に近づいた。ポルトガル国民は代表チームを誇りに思ってくれるだろう。 そして9月にはワールドカップ予選が始まる。” この様に語った。

Cristiano Ronaldo: "We left a little frustrated"

PK戦はいつも同じだ。我々はよく戦ったそして決勝戦に残れるだけのチームだった。単にPK戦で幸運が無かっただけだ。我々は誇りを持てる、しかし勿論フラストレーションを感じながら大会を去る事になった。 私はいつもの様に全力を尽くした。そして自分のプレーには満足している。我々は誇れるはずだ。

“いかなるチームに対してやる様に全力を尽くしたが敗れてしまった。我々よりの幸運であったスペインにはおめでとうと云いたい。” Nani はこう語り Pepe はPK戦に就いてそれは“くじ引きである。試合中の我々は大変良く組織化されよく動いていた。我々は強固なチームだった。不運にも我々は得点出来ず大変な悲しみと共に去らねばならない。” こう語った。

"Balanced game," says del Bosque

Bosque スペイン監督はポルトガルとの準決勝戦を“拮抗したゲームだった。後半は僅かに我々がポルトガルに勝った。おそらく彼らは少し疲れたのだろう。彼らのDF陣を破るのは容易ではない。”この様に語り、イタリアが来てもドイツが来ても決勝戦は拮抗するだろうと語った。




Champions League でPKを失敗したSergio Ramos はこのPKを“大変に望んだ。”と語った。“大変なスリルだった。私は勿論ハッピーだ。スペイン人であることを誇りに思える。そしてまた新たな成功に挑戦できる。”

Casillas は“PK戦はロータリーの様なものだ。我々はキックオフ直後はあまり良く無かったがスペシャリストがいる。  Xavi のPKはセーブされたがこの次は私の番だと思った。我々は歴史を創りまだそれが続いている。”この様に結んだ。

これまでのスペインのPK戦の戦績は下記の通りだった。

 EURO 1984     (準決勝)   : 5-4 デンマーク

ワールドカップ 1986 (準々決勝 ) : 4-5 ベルギー

EURO 1996      (準々決勝)  : 2-4 デンマーク

ワールドカップ 2002 (準々決勝 ) : 3-5 韓国

EURO 2008      (準々決勝)  : 4-2 イタリア

EURO 1984      (準決勝)    : 4-2 ポルトガル

決勝戦はどうなるだろう??



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