Mr.コンティのRising JAPAN

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Scotland 名門復活なるか? Kiev で沈む

2006-10-31 | EURO Football
10月7日、Glasgow で強豪フランスを 1-0 で破り、3大会ぶりの欧州選手権本戦出場に期待を抱かせた Scotland だが次の戦いの地、ウクライナ共和国のキエフに向う前に冷水を浴びせらた様な事件が起こる。フランス戦試合終了後、選手達には20時間の自由時間が与えられ、その後にベースキャンプにしている East Kilbride に集合する様にと指示されていたのだが、フランス戦で途中出場したFWの Garry O’Connor がその集合場所に姿を現さなかったという規律違反の廉で遠征メンバーから外されてしまった。O’Connorはこれまで代表歴8回を数えている23歳の Locomotive Moscow の所属。憶測ではエジンバラの近くの Haddington にある自宅に同棲のLisa 嬢( Partner と地元紙には書かれていた ) と3歳の息子 Josh 君といたと言われている。O’Conner は9月の欧州選手権予選でもホームでフェロー諸島を降した試合には途中出場をしたが続くリトアニア遠征からは怪我の為に外れている。今年3月に Hibernian から160万ポンド(約3億5千万円)で Locomotive Moscow に移籍。11月には今季のロシアリーグも幕を閉じるが今年のサラリー約80万ポンド(1億7500万円)は彼をモスクワに留める事は不可能だろう、と見られている。Lisa と Josh は既にモスクワには住んでおらず、その理由はモスクワの生活に慣れない為と言われている。一ヶ月の半分以上は試合の遠征等でモスクワを空ける事になるその生活環境ではまだまだ“西側”の人間はモスクワには馴染めなかっただろう。 O’Conner の代表デビューは当時のヴェルティ=フォックツ監督の元2002年18歳の時だった。今回の件に就いては Smith 監督も相当のおかんむりらしく“もし誰かが Scotland の為にプレーをしたいのならそれは歓迎だ。それがデニス=ローやケニー=ダルグリッシュなら考えものだがゲームの中でさらに自分のすべき事を全うする若い選手の事を指している。”とコメント。そして“どうして彼が来なかったかを知りたい。”と繰り返したらしい。 O’Conner の代替の選手は連れて行かないとの事。それは“彼はコンスタントに(代表で)プレーをしていた分けでは無い”という Smith 監督のコメントが理由だろうか?ウクライナ遠征は20人の選手が帯同しフランス戦で警告を受け出場停止の Christian Daily に替わって Hibernian のフルバック Steven Whittaker が選ばれ、Aberdeen のセンターバックRussell Anderson は負傷の為遠征メンバーから外れた。そしてキエフには Scotland からのサポーター約 2,500 人が駆けつけるとの事であったが、それだけの人がキエフにサッカーのサポートに出掛け、そして Scotland の選手が Moscow のクラブチームに移籍するなんて隔世の思いだ。 Scotland をホームの国立オリンピックスポーツコンプレックスに迎えるウクライナ代表。前節はアウェーでワールドカップ王者のイタリアに 0-2 で破れただけにホームの Scotland 戦は是が非でも勝ちたい試合だっただろう。イタリア戦をインフルエンザで出場出来なかったエース、シェフチェンコはこの試合には万全の調子で臨むと自らインタビューで答えたがもう1人のFW選手 Olexiy Belik はイタリア戦に続き負傷で出場出来ず、他にも中盤の Anatoliy Tymoschuk と Andriy Husin の2人も怪我。DFの Volodymyr Yezersky は累積警告で出場不可。試合前の記者会見ではスーパーエースのシェフチェンコのコンディションに質問が集中していたが、これにはブロヒン監督も不快感を表わしていた。しかし、試合終了後に更なる怒りを露にしたのはこの試合の数日前に代表監督の契約を延長した Scotland のスミス監督の方だった。前半を 0-0 で折り返した後半の15分に Olexandr Kucher に代表初ゴールを喫した後、試合もロスタイムに入ろうかと言う時間帯 Scotland ゴール前でシェフチェンコが Scotland DF Steven Pressley に足をすくわれ転倒。スウェーデン人のHansson 主審は迷わずPKを与えその上 Pressley に Red Card を提示した。このPKをシェフチェンコは難なく決めてそのまま 2-0 で勝利を収めた。しかしこのシェフチェンコのプレーを TIMES 紙は the most flagrant dive ( 最も破廉恥なダイブ ) と表現。スミス監督は“主審はウクライナに施したのと異なる方法でスコットランドを罰した。私は土曜日の試合(フランス戦)でも感じたが、主審は英国のチームは攻撃的すぎると思っているかは知らないが、 Scotland はそうではない。 試合結果よりも警告に怒りを感じる。 Kenny Miller のシュートが(82分に)クロスバーを叩いた時はチャンスだった。そして最後に Stephen McManus を投入し同点機を求めたが、最後の退場で台無しになった。シェフチェンコは(問題のシーンで)ボールにすら触っていなかった。彼はワールドクラスの選手でクレバーだ。ワールドカップ予選でウクライナがホームゲームで負けなかった理由がわかる。対戦相手にとってここは難しい所だ。” Hansson 主審は Pressley を退場にしたのみでなく James McFadden, Darren Flecture にも警告を出し、この3選手は来年3月の Georgia 戦に出場出来なくなった。しかし、この次のアウェーのイタリア戦には出場可能なのが不幸中の幸いか?この試合の結果、 Scotland と France が勝点9で並ぶが直接対決の結果未だ Scotland が1位だ。3番手に勝点7のイタリア、ウクライナが勝点6で続くが試合数が1つ少ない。 昨年日本代表もシェフチェンコ、ボロニン抜きのウクライナ代表とここオリンピックスポーツコンプレックスで親善試合を行ったが、昔はここは(多分)ディナモスタジアムと呼ばれていたと思う。ディナモスタジアムから少し離れた所にインツーリストホテルが有り、昔そこに宿泊した事がある。そして早朝にジョギングでディナモスタジアムまで走った。幸運にもスタジアム内に続く入り口が開いていたのでトラックを数周走った。そして競技場内にあると言われていたモニュメントを探したが見付けられなかった。どこかにあるはずなのだけど。それは映画の様な話でナチス占領下のキエフで、ドイツ軍とディナモキエフの“親善試合”が行われたらしく、激戦の末にディナモがナチスを破り地元の人々を大いに沸かせたらしいが、試合終了後シャワー室から出て来たディナモの選手達をナチス・ドイツ軍は射殺してしまったらしい。そのモニュメントがここにあるらしいが、西側の人々は“これは共産党のプロパガンダだ。事実この試合を見たというウクライナ人を聞いたことが無い”と言われているらしい。 あれから60年以上。ソ連共産時代からペレストロイカそして連邦崩壊。当時は Scotland 独立運動の記事を Newsweek 誌で呼んだこともある。 時代は流れ多くの人がサッカー試合の為にウクライナにそしてウクライナから往来する様になった。 
欧州選手権予選は来年3月までお休みとなる。この組から抜け出すのはどこの国だろう? Scotland はかつての輝きを取り戻せるのだろうか….

UKRAINE (4-4-2): O Shovkovsky (Dynamo Kiev) — A Rusol (Dnipro), V Sviderskiy (Shakhtar Donetsk), A Nesmachny (Dynamo Kiev), A Kucher (Shakhtar Donetsk) — M Kalynychenko (Spartak Moscow;sub: A Vorobey, Shakhtar Donetsk, 76), O Gusev (Dynamo Kiev; sub: A Milevsky, Dynamov Kiev, 62), O Shelayev (Dnipro), A Tymoschuk (Shakhtar Donetsk) — A Voronin (Bayer Leverkusen; sub: B Shersun, Dnipro, 90), A Shevchenko (Chelsea). Substitutes not used: B Shust (Shakhtar Donetsk), O Rykun (Metalist Kharkiv), S Nazarenko (Dnipro), O Gay (Shakhtar Donetsk). Booked: Kucher.
SCOTLAND (4-1-4-1): C Gordon (Heart of Midlothian) — R Neilson (Heart of Midlothian; sub: S McManus, Celtic, 88), S Pressley (Heart of Midlothian), D Weir (Everton , G Alexander (Preston North End) — G Caldwell (Celtic) — D Fletcher (Manchester United), B Ferguson (Rangers), P Hartley (Heart of Midlothian), J McFadden (Everton; sub: K Boyd, Rangers, 73) — K Miller (Celtic). Substitutes not used: N Alexander (Cardiff City), L McCulloch (Wigan Athletic), G Teale (Wigan Athletic), S Severin (Aberdeen), S Brown (Hibernian). Booked: McFadden, Fletcher, Neilson. Sent off; Pressley.

Referee: M Hansson (Sweden).


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