Mr.コンティのRising JAPAN

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UEFA Champions League Final あれから2年

2007-05-24 | EURO Football
2005年5月24日。UEFA Champions Leagueの決勝戦を翌日に控えたトルコ、イスタンブールの報道陣の待つ Ataturk Stadium に到着したLiverpool のメンバー Sami Hyypia, Xabi Alonso そしてベニテス監督に立ちふさがったのがこの競技場の門番達で、“彼らは我々を追い払おうとして追い回しさえしたよ”と後に語ったのは Hypia 。雨の降りしきる中でいらいらがつのる中待たされ続けた彼らはようやく UEFA の役人によって中に招き入れられた。
“もし John=terry, Frank=Lampard, そして Mourinho 監督であったならこんなことにはならなかっただろうに” 門番はこう自答したかもしれない。
準々決勝で Juventus, 準決勝で Cheasea を連破して決勝に進んだ2年前の Liverpool はこんなものであったらしい。その鬱憤をはらすかのごとく歴史的な逆転勝利で 21年ぶりの欧州タイトルを勝ち取り2年が経た今、ベニテス監督がこの劇的な試合のハーフタイムについて最も重要なチーム内での話し合いはなんだったかの問いうについてカ彼は English と答えている。 “今は当時よりアドヴァイスを少しはましな英語で伝えられるよ。”とも言っている。 
一昨年の劇的なゲームには伏線があったとも言われている。2000-01 の FA Cup 決勝戦では Owen の連続ゴールで 2-1 と逆転勝利を収め、同年の UEFA Cup では延長戦で Deportivo Alaves を 5-4 で破っており “決勝戦では逆転の Liverpool “といいたいのだろうか?そして昨年の FA Cup Final でも 0-2 の劣勢から最後はロスタイムに Gerrad の同点ゴールで追いつきPK戦で勝利を得たのを憶えている人も多いだろう。従って明日の試合でも1,2点リードされても大丈夫と言ったところか?ベニテス監督の明日のスタメンの焦点は2年前と同じ、オーストラリアの英雄 Harry Kewell を左のハーフで起用するのだろうか?2年前はスタメンで Kewell がそのポジションに起用されたがそれは “AC Milan のDFは4バックと言うよりも4人のでフェンダー” と言う見解から。左から Maldini ( 36 ) Stam ( 32 ) Nesta ( 29 ) Kafu ( 34 ) 彼らの平均年齢は 32.75 歳。スピードには対応しきれないだろうと言うことからの抜擢らしかった。それは準決勝戦の PSV Eindhoven の朴智星、李栄杓がスピード溢れる豊富な運動量で AC Milan DF 陣を翻弄した事から学んだものであった。しかし結果は約20分で Kewell は怪我の為に離脱。前半は3失点を喫し Dida の守るゴールを脅かせなかった。 
今回も AC Milan DF 陣の高齢化を懸念する声もある。確かに Maldini と Nesta の CB コンビは“健在”。そして、右サイドバックのOddoは30歳、左サイドの Janklovski は29歳。平均年齢は 31.75 歳だが両サイドバックの上がりが今年の AC Milan の快進撃を創造している。今回の Kewell 起用論は今季このポジションを守っていた Boudewijin Zenden が先週の練習中にくるぶしを痛め、先発出場の可能性が完全で無い為。John Arne Riise, が Arbeloa と共に左サイドを固めるという選択肢も残されている。しかし、いかなる選択肢を持ってしても最も重要な任務は Kaka にスペースを与えないことだろう。“Manchester United と我々は異なったチームと言うのは事実だ。 United が行なったようなアプローチを我々は出来ない。この大舞台に臨むにはまず自分のチームを分析しそしてどの選手がフィットしているかを見て”これが我々のチームだ“と確信してから相手を考察する。そして相手チームの長所、短所を見つけられればそれで万全だ。時には試合中ゲームプランを変えねばならないが、私は常に Plan A,B そして C, D も同時に持たねば成らない。”と語るがベニテス監督が最も安心しているのはこの2年間の監督生活で改善された “ English “ の問題ではないか。

一方の AC Milan アンチェロッティ監督。“2年前のことは忘れた”とは言うものの、彼の悩みはワントップのポジション。ロナウドは規則の為に使えない、 Ricardo Oliveira は調子を落としている。インザーギ、ジラルディーニョ。このどちらがこういう舞台で実力を発揮するのだろう?“メンタルの面では2003年の Champions League で13ゴールを挙げた経験のある インザーギであるがフィジカルの面では、早いカウンター攻撃が出来て1対1でも強いジラルディーニョだ。しかしインザーギの決定力も捨てがたい。”2年前はクレスポとシェフチェンコの2トップであった。この際この2人をツートップに据えて見てはと思うのは素人か?ベニテス監督が Kaka にスペースを与えぬ様にと用心するように、アンチェロッティ監督が警戒する選手は Gerrard だろう。 
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2年前もアンチェロッティ監督は“もし Gerrard の動きがベストなら Liverpool は本当にチャンスだ。”と試合前に語った事が実現してしまった。
2年前に無かった強みとは今季は八百長スキャンダルからくるペナルティによってスクデットを狙わずにChampions League nに集中出来たことと欧州の批判家は皮肉るが、それでもグループリーグでは AEK Athens ( 1-0 ) と Lillie (2-0) に敗れておりトーナメントに入っても Celtic, Bayern Munchen と苦戦続き。準決勝の2nd Leg での Manchester United 戦は 3-0 の快勝であったがそれは United が16日間で5試合もこなさねばならなかった過密日程そしてサンシーロのゲームの4日前に Premiership での優勝を決定づける為に Everton との激戦をこなさねばならなかったと言う事実を忘れてはならない。

ベニテス監督がアンチェロッティの 4-4-1-1 システムに対抗する布陣を敷くのか Good old-fashioned である 4-4-2 システムを貫くのかも見ものである。2年前のイスタンブールでの“変質”が魅惑となり左トップのやや後ろのスペースに Gerrard を飛び込ませるのか、いつもの右のハーフの位置に配置するのか。またKakaにはマンマークを付けずに Javier Mascerano, Xabi Alonso そして Gerrard がそれぞれのポジションで Kaka をケアーする事になるだろう。 そして Kuyt とパートナーを組むトップは Craig Bellamy か Peter Crouch か?Crouch はベンチスタートで展開によって起用される事になるだろう。あるブックメーカーによると AC Milan の 2-1 での勝利に9-1 が付いているらしい。

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そして試合が開催される Athens で起こった悲劇について。 ある Liverpool サポーターのシャツに “ 21 and 96. Never forget “ と書かれていたとか。 96 と言うのは1989年に起こった Hillsborough の悲劇での死者数で 21 とはその8年前にここ起こった事故での死者数だ。 7番ゲートの悲劇と言われており1981年2月8日、その日は Olympiacos の快勝に終わり勝利の雄叫びを発するサポーター達は我らが英雄である Olympiacos の選手達に祝福の声援を送ろうと1番ゲートに向かう為に7番ゲートに群がった時に起こった。その時の競技場、Karaisukai Stadium は何と1896年アテネ五輪の自転車競技の為に建てられたと言う古さであったのだ。この日は1位 Olympiacos と2位の AEK Athems との直接対決。試合は 6-0 で Olympiacos が圧倒しとり終了2分前に多くのサポーター達が7番ゲートに殺到。しかしゲートは人が一人通れるくらいしか開いておらず、一人のサポーターが階段で転倒しそれがきっかけで将棋倒しに次々にサポーター達が折り重なるように倒れたのだ。その惨状の詳細は Olympiacos Museum に詳しく展示されているとの事。そして毎年2月8日にはこの悲劇を追悼する式典がサポーター達の間で行われている。この Karaiskaki 競技場は2003年に改装のため取り壊され、7番ゲートも同様に壊され約5,000 人の人々がその取り壊し工事を観に来たらしい。 1999年私は商用でアテネを訪問した事がある。その時の印象は“本当に5年後ここで五輪が開催できるのだろうか?”と言うほどインフラが整備されていなかった。ただ一つの別世界であったのは Panathinaikos のホームスタディアム。ここで五輪が開催されるのか?と勘違いしたほど。それほど全てが新しくなくパンテオン宮殿とのバランスを取っているんとちゃうか??と思うくらいであった。 1994年 Champions League の決勝戦の舞台となった Olympic Stadium も決してモダンな競技場ではなかったらしい。そこで Barcelona を 4-0 で粉砕したのが AC Milan であった。

最後に2005年の UEFA Champions League Final に出場した選手達の評価を。

英国 The Independent
Liverpool
GK Jerzy Dudek 6.0 DF : Steve Finnan 5.0 ( 46分 Dietmar Hamann 8.0 ) , Jamie Carragher 7.0, Sami Hyypia 6.0, Djimi Traore 5.0 MF : Luis Garcia 7.0, Xabi Alonso 7.0, Steven Gerrard 8.0, Jon Arne Riise 7.0, Harry Kewell 5.0, ( 23分 Vladimir Smicer 6.0 ) FW : Milan Baros 6.0 ( 86分Djibril Cisse )

AC Milan
GK Dida 6.0 DF : Cafu 7.0, Jaap Stam 6.0, Alessandro Nesta 7.0, Paolo Maldini 7.0, MF : Andrea Pirlo 7.0, Gennaro Gattuso 7.0, Calarence Seedorf 7.0 ( 84分 Serginho ) , Kaka 8.0, FW : Hernan Crespo 8.0 ( 84分Jon Dahl Tommason ) , Andrei Shevchenko 7.0 

伊国 La Gazzetta dello Sport
Liverpool
GK Jerzy Dudek 7.5 DF : Steve Finnan 5.0 ( 46分 Dietmar Hamann 6.5 ) , Jamie Carragher 6.5, Sami Hyypia 6.0, Djimi Traore 6.0 MF : Luis Garcia 7.0, Xabi Alonso 6.5, Steven Gerrard 7.5, Jon Arne Riise 7.0, Harry Kewell 5.0, ( 23分 Vladimir Smicer 7.0 ) FW : Milan Baros 5.5 ( 86分Djibril Cisse  6.0 )
Benitez 監督 7.5

AC Milan
GK Dida 5.5 DF : Cafu 6.0, Jaap Stam 5.0, Alessandro Nesta 6.0, Paolo Maldini 6.0, MF : Andrea Pirlo 5.5, Gennaro Gattuso 5.0, Calarence Seedorf 5.0 ( 84分 Serginho 5.0 ) , Kaka 6.5, FW : Hernan Crespo 7.0 ( 84分Jon Dahl Tommason 5.5) , Andrei Shevchenko 5.0, Ancelotti 監督 5.0

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