Mr.コンティのRising JAPAN

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ZICO 衝撃の復活

2006-12-27 | Weblog
ZICOと言っても前の日本代表監督では無い。キャティサック=セナムアン。タイ史上屈指のFWと言われる選手だ。しかしこの発音が難しい。地元ではキィティサックと言えと指導する人もおれば、キャティサックで良いのよと言う人もいる。彼の好きなサッカー選手はあの ZICO で、タイではキャティサックのニックネームであり、私のキャティサックの発音が現地人に通じなければ ZICO と言えばすぐにわかるくらいだ。最後にキャティサック・ZICO・セナムアンがタイ代表としてプレーしたのが2004年のワールドカップ予選の北朝鮮戦。バンコックで行われたホームゲームにもかかわらずタイは 1-4 で完敗。キャティサックはPKを外すなど良い所が無かった。そしてサッカー好きで知られる当時のタクシン首相は“スピリットの感じられない試合”と自国の代表を批判。それ以降、代表を離れていた。
タイ史上最高のプレーヤーは1984年シンガポールの五輪予選で日本を粉砕したピヤポン=プゥオンを挙げる人が多い。しかし、キャティサックも日本戦には実績を残している。1997年ワールドカップ1次予選のオマーン戦に臨む前の週にバンコックに立ち寄った日本代表はタイ代表とスパラチャイ競技場(昨年北朝鮮代表と無観客試合を行った競技場)で日本は 1-3 と敗れるのだが、この日本相手に2得点を決めたのがキャティサックだった。この年のワールドカップ1次予選でタイ代表は韓国と対戦するがその試合でも韓国DF相手に力強いボールキープからピヤポンのゴールを演出した。1998年のアジア大会準々決勝、タイは韓国を 2-1 で破ったがその試合でもゴールを挙げている。そして続く釜山大会でも1次リーグではイエメン、ヴェトナム、UAE戦と連続ゴールを挙げ3連勝で準々決勝進出に貢献。その他の代表での活躍の一つとして1996 , 2000, 2002年の ASEAN Cup ( Tiger Cup とも呼ばれるASEAN 諸国が集って行われるサッカーの国際大会)でタイを優勝に導いた事が上げられる。 
しかし、代表としての国際舞台での活躍はそこまでだ。2000年のアジアカップではエントリーされながら大会の試合には出場していない、と言うよりも大会に来なかった。それは当時所属していた England League の ハダーズフィールドタウンとの出場の調整がつかなかったらしい。しかしそれでもタイ史上、イングランドでプレーしたのは彼一人。その後2001年のシーズンに Bury (現在は3部リーグ) で少しプレーをしてからシンガポールSリーグの Singapore Armed Force FC に移籍。翌 2002年のシーズンには当時ヴェトナムリーグ2部だった Hoang Anh Gia Lai に移籍し、1年でチームを昇格させている。2005年の Asia Champions League ではジュビロ磐田との対戦で来日している。(試合はジュビロが 6-0 で圧勝 ) そして昨年は監督業も兼任したがらいシーズンからは元タイ代表監督のChatchai Paholpatが就任する事に。

一昨年中国で開催されたアジアカップでも国民の期待をよそに代表入りを固辞。1次リーグでタイは日本と同じグループであったのでもし彼がプレーをしていればもっともっと日本でも存在が知られただろう。

12月24日からタイの首都バンコックで開催されている第37回 King’s Cup 。ヴェトナム、シンガポール、カザフスタンを迎えて4年ぶりに優勝を狙う地元タイ代表はヴェトナムを 2-1 シンガポールを 2-0 で連覇し2位以内を確定させ決勝進出を決めた。28日の試合結果で(ヴェトナム対シンガポール、タイ対カザフスタン)の30日の決勝戦の相手が決まる。 この大会から背番号11を付けたキャティサックが2年ぶりに代表に復帰した。これで代表試合数は118を数えることに。これは同国での歴代1位記録だ。 
タイサッカーがアジア予選を突破し世界の舞台に出られたのは 1968年のメキシコ五輪のみ。今年6月、ワールドカップの日本対クロアチア戦を観戦した帰りニュルンベルグ駅でタイから試合観戦に来ていた数人の男女の若者達と一緒になったが彼らを含めてタイサッカーファンの夢は自国の代表が世界の舞台にもう一度出てくる事だろう。
来年1月からは ASEAN CUP ( Tiger Cup ) が始まる。前回2004年大会ではマレーシアに破れ、ミャンマーと引き分けグループリーグ3位となり準決勝には進めなかった。今年はその借りを返すべく1月12日のミャンマー戦から大会に臨む。 今年は五輪予選もあるが、地元サポーターの最大の関心は7月のアジアカップ。キャティサックも自らの存在をアジア諸国にもう一度見せたいところだろう。1次リーグの相手はイラク、オマーンそしてオーストラリア。ホームでは無類の強さを見せるタイだけに、オーストラリアとて楽観は出来ないだろう。大会直前の6月にはドイツで合宿を行う。 キャティサックがプレーをするのならますますアジアカップもスタンドで観戦したくなってきた。 その時までせめて彼の名前をタイ文字で書けるように勉強を始めよう…..

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