Mr.コンティのRising JAPAN

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連覇と欧州での野望 Celtic の補強

2008-01-20 | EURO Football
私が“世界のサッカー”に興味を持った1970年代中頃、英国4協会 (その言葉もその時初めて知ったけど)で最も好成績を上げていたのは England でなく、 Scotland だった。70年代に開催されたワールドカップでは74年西ドイツ大会、78年アルゼンチン大会と連続して欧州地区予選で沈んだEngland に対してケネス=ダルグリッシュ ( Liverpool ) 、マーチン=バッカン ( Manchester United ) 、ジョー=ジョーダン( Manchester United ) 、アーチー=ゲミル ( Nottingham Forest ) 、リチャード=ハートフォード ( Manchester City ) らを擁して英国4協会からただ1カ国連続してワールドカップ出場を果たしていた。当時の主力選手の所属クラブを見ると上記した通り多くの選手が English Club に所属しておりそれぞれ中心選手であった。
1974年から1982年3大会で選出されたメンバーでの Scotland League の所属選手は下記の通りであった。( Scotland 代表のみ )

1974年  Celtic 4人  Rangers 1人 Hibernian 2人 Dundee United 1人
1978年  Rangers 2人 Aberdeen 3人 Patrick Thistle 1人 
1982年  Celtic 2人 Dundee United 2人 Aberdeen 3人 Patrick Thistle 1人

上記のなかで “ Patrick Thistle 1人 ”となっているがこれは当時の正 GK アラン=ラフがここに所属していたもの。 Patrick Thistle は現在 Scottish First Division におりなんとか Premier League 昇格をと苦戦しているが1921年には Rangers を破って Scottish Cup を 1917年には Celtic を降して Scottish League Cup を勝ち取った名門クラブ。 また1974年大会の Celtic 1人とあるのは Daniel McGrain の事で、次のアルゼンチン大会は怪我で参加出来なかったが、1982年のスペイン大会では見事カムバックし初戦のニュージーランド戦に出場した。また日本でも名の知られる Celtic のストラカン監督は1982年大会では Aberdeen の所属選手としてワールドカップメンバーに選ばれ1次リーグ3試合全てでスタメン出場をした。 1998年のワールドカップフランス大会に出場して以来Scotland の“凋落”は如実でワールドカップ、欧州選手権の本大会にまで駒を進められない。 そして Scotland が最後に Major Tournament に出場した1996年欧州選手権と1998年のワールドカップのメンバーで同じような統計を取ってみた。

1996年 Celtic 3 人Hibernian 2人 Rangers 3人 Aberdeen 2人 Patrick Thistle 1人 1998年 Celtic 8 人Aberdeen 2人 Hearts 1人 Rangers 1人

この数字の変動はまず Hibernian のGK ジェームズ=レイトンは Aberdeen に移り、MF ダレン=ジャクソンは Celtic にそれぞれ移籍したためワールドカップでは Hibernian 所属の選手がいなかった。 Celtic の8人と言う数字は新戦力の台頭もあるが、先述した ダレン=ジャクソンの獲得のみならず欧州選手権時には Chelsea に所属した グレイグ=バーリーを獲得するなどのした事にも寄与している。ここで私が気付いたのはScotland が“強かった”70年代には Scottish Club 所属の選手が少なく、逆に90年代後半の時代はメンバーの半分以上が Scottish Club の所属と言う事。そこで一昨年のワールドカップ予選のメンバーを調べてみたがのべ44人招集されたこの予選で Scottish Club 以外からの所属選手は半分の22人(といっても全てEnglish Club ) その中で Manchester United や Liverpool, Chelsea, Arsenal といったBIG 4 の所属は MFのダレン=フレッチャー1人だけで First Division のチームを除いた Premiership 所属選手は13人しかいない。 1991年にソ連邦の崩壊から時代は1民族1国家へと大きく動き出し、ユーゴスラビアの崩壊を呼んだが、この年 News Week 誌で “ Scotland 独立 “ の記事をも読んだ事があった。しかし90年代中頃からのボスマン裁定以降、そしてEUの統合から欧州間での人と物の往来がより盛んになった事は Football 界にも影響し UEFA のクラブ間でも“隔差社会問題”が取りざたされる様になる。しかしここで気付いたのは Scotland と England はFootball, Rugby では別の協会だが、国家としては同じ United Kingdom 。英国での“労働許可証”問題は当てはまらない。従ってもっともっと English Premier 所属の選手が Scotland から出て来てもおかしくないと思う。それだけ Scotland が English Premier から見れば70年代の様に魅力のある市場でないと言う事になるのか…

昨シーズン Scottish Premier League で優勝しUEFA Champions League ではベスト16まで進出した Glasgow Celtic 、昨年末から League 連覇と Champions League でのベスト8以上を目指した補強は他の Scottish Club よりも1ランクも2ランクも抜きんでている様だ。しかし 最もストラカン監督を喜ばせたのは Poland人GK Artur=Boruc のカムバック。12月6日、UEFA Champions League のAC Milan戦の4日後膝の手術を受け5試合戦列を離れた。しかし奇跡的な回復で1月2日の Old Firm, Rangers 戦に出場するはずであったが、御存知の通りその Old Firm は延期された。
また更に頭を悩ませたのは Mark=Wilson と Jo=Doumbe の怪我による離脱で今シーズン終了まで回復が絶望的な事。それを解消させるのが23歳のドイツ代表候補の Andreas Hinkel 。2006-07シーズンに Vfb Stuttgart からスペインの Seville に移籍したこれまで代表17 Caps を数えドイツ No.1 の右サイドバックと言われた選手であるが今シーズンは出場機会に恵まれず今年の欧州選手権に代表入りする為に移籍先を探していた。当初は Bundesliga の Borussia Dortmund への移籍が有力視されていたが移籍金210万ポンド (約5億8千万円)と Lennoxtown の新しい超近代的な練習設備を見て Celtic 入りを決めた。また Laethe ドイツ代表監督とも Scotland でプレーする事は代表選出の妨げにならない事を話し合いで確約が取れているらしく、Borussia Dortmund の Michael Zorc General Manager の “ Hinkel は金で動いた。“と言う批判を”大切なのはどの国でプレーするよりかと言う事よりもどれだけ良いクラブ環境の下でプレーするか。“と言って返した。 Hinkel は今季 Sevilla で UEFA Champions League に出場をしたので2月から再開される決勝トーナメントには出場は出来ないが契約期間は3年半なので来季の出場を目指す。
Celtic はまた Dundee United のポーランド人GK Grzegorz Szamotulski にも目を付けていたが Boruc の回復でどうなっただろう。 Hinkel の加入でブラジルの名門コリンチャンズからトレーニングに参加していたDF選手の Coelho はどうも契約締結は難しい模様。 そこで浮上してきたのが日本で大いに話題になった水野晃樹の入団。もし Coelho の契約となっていれば外国人枠の関係で水野の契約は無かったと思う。そして水野獲得の背景には労働許可の取得もあったと思う。中村俊輔の活躍と知名度がかつて三都主や宮本の England 入りを阻んだ代表キャップ数(Aマッチの 3/4以上 )問題がありながら水野には Work Permission が発行された。地元紙では中村と並んで水野もセットプレーで威力を発揮するアジアで最も才能を持っている選手の一人と表現している。そして中村俊輔の存在が水野(日本人)の能力を裏付けしているとも述べ、他に持スペイン、フランス、ドイツのチーム持興味を示していたとも書いている。 だが今年8月に開催される北京五輪との兼ね合いについては地元紙には書かれていなかった。やはり五輪はマイナーな大会か??水野の更なる飛躍を願う。 
だが出て行く選手もいる。中村俊輔が入団した時にエースストライカーとしてチームの得点源であったポーランド人FW Macie Zurawski のイスラエルの Maccabi Tel-Aviv 入りが濃厚となった。  Zurawski はワールドカップでは 2002, 2006 年大会に連続して出場しそれぞれ3試合全てに出場した。Celtic デビューの2005-06 シーズンでは20ゴールを挙げ、これまで53試合で30得点を記録しているが、今シーズンはスタメン出場が無く途中交代出場が4試合あるのみ。Aussie Striker の Scott McDonald と Jan Vennegoor of Hesselink の調子が良いので出場機会を求めるのは移籍しかないと判断した。 Beenhakker Poland代表監督も欧州選手権に向けてトップチームでの安定した出場機会がなければ代表招集を保証できないと“警告”したらしい。 ただこれは Zurawski だけでなく Poland 代表選手全てにいえるものでワールドカップでもそれが原因で体力的に最後はチーム全体でガス欠状態に陥っていた。 
またかつて Real Madrid でもプレーをした Thomas Gravesen のトルコ行も決定的となって来た。現在前に所属していた Everton に Loan 移籍しているがトルコの Galatasaray が興味を示している。ネックになっているのは現在のオファー内容。何しろ今季は Everton で2試合しか出場機会がないものの、Real Madrid からの移籍金が200万ポンドそして週給4万ポンドの高給取り。また Galatasaray も怪我で離脱している Tobias Linderoth の補強をせねばならないので現在週給2万9千ポンドのカウンターオファーを出しているとか。そしてアイスランドの若手 Teddy Bjarnason のノルウェー Lyn Oslo 行きが決まった移籍金は35万ポンドとの事。2005年1月にCelticに移って来て、Reserve League 等で良いパフォーマンスを見せており、昨年5月には Hibernian 戦でトップチームデビューを飾り、アイスランド代表にも選出され今夏には Celtic のスイス遠征にも選ばれ契約も延長されたが今季は怪我もありトップチーム定着とは行かなかった。
ストラカン監督の最後の補強は Bayern Munich のCB、かつては HSV Hamburg で高原と同僚でもあったベルギーの Daniel van Buyten だ。今季残りの数か月の契約となるだろうがもし実現すれば League 連覇が大いに期待できるだろう。

欧州選手権も予選で落ちた Scotland 。今や日本代表が試合をしても決して勝てない相手となった。 それは 日本が強くなり Scotland が衰退して来たのだけど2010年のワールドカップに向けてチームをどのように立て直していくのだろう……
まぁ俺が心配する様な事でもないけれど……..

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