Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

UEFA Champions League 準々決勝 オランダ人対決

2006-03-30 | EURO Football
私が初めて欧州カップ戦を観戦(テレビだけど)したのは1992年の Champions Cup の決勝戦だ。ウェンブリーで行われた Barcelona vs Sampdoria Genoa の一戦を出張先のポーランドで観た。当時はまだコマーシャリズムが蔓延しておらず、欧州にいれば、大抵地上波でこういうビッグゲームが楽しめた。当時日本はオフトジャパンが出航しようとしており、帰国直後にキリンカップを観たのを思い出す。試合内容はスペクタクルなもので、何度も両チームのゴール前の攻防が見られた。延長後半にバルセロナはゴール前約25mで得たフリーキックをクーマンが豪快に直接蹴り込み激戦に終止符を打った。サンプドリアにはジャンルカ=ビアリやロンバルトらがいて、バルセロナはヨハン=クライフ監督に率いられていた。クーマンは1987-88 にもPSVアイントホーフェン在籍時代に Champions Cup で優勝しており、ベロデヂッチ(ルーマニア:Steaua Bucuresti, Crvena Zvezda )に次いで二人目の異なったクラブでこのタイトルを勝ち取った選手となった。そして3人目となったのがフランク=ライカールト ( AC Milan, Ajax Amsterdam ) だった。この二人は1988年の欧州選手権でオランダが優勝した時の中心選手だ。この二人に率いられたチームの直接対決と言うことで注目度も上がっていたのではないかと思われる。 またクーマンだけでなくベンフィカの主将シモーネもかつてはバルサでプレーした選手だ。
両チーム直接対決は歴史が古く、1960-61 Europe Champions Cup の決勝戦で当りBenica が 3-2 でバルサを破りReal Madrid の大会6連覇を阻んだ。しかし正確に言うと阻んだのは1回戦でこのレアルとあたったバルセロナであった。サンチャゴ=ベルナベウで2-2と引分けたバルサはホーム、ノウカンプでレアルを 2-1 と降しフランコ政権下で色々あったカタルーニャの人々の溜飲を大いに下げた。ベンフィカは翌年の大会も決勝戦でレアルを 5-3で破り連覇を達成。その翌年にはACミランがそれに続く2年間はインテルが優勝を飾り、更にその翌年の覇者はレアルマドリード、と大会が始まった頃は南欧勢が興隆を極めていた。最近の直接対決ではバルセロナが優勝した1991-92 のグループステージで同じ組になりバルサがアウェーで引分、ホームでの 2-1での勝利が決勝進出に繋がった。バルサはポルトガル勢に強く過去ホーム&アウェー方式での対決では8回中7回、ポルトガル勢を退けている。しかし、アウェーでは分が悪く最初の6回の戦績では2分4敗となっていたが、以降ここ最近2連勝中だ。 しかし Benfica にとってもスペイン勢はホームで相性良く過去6回対戦して1回しか負けていない。今大会のグループリーグでVillarreal に Estádio da Luz で敗れたのは初めての出来事だが他のホームでの10試合は負け知らずだ。 Benfica は典型的な内弁慶でここまでの14試合のアウェーゲームで勝ったのは先日のAnfield での Liverpool戦の勝利が初めてであった。
今や古典的とも言えるスペクタクルなサッカーで定評の高いバルセロナをホームに迎えるベンフィカだがこの日はNuno Gomes を累積警告でAlcides そして 右サイドバックのNelson が怪我と攻守の中心選手達を欠いている。 Nuno Gomes の代役はGeovanniに廻ってきたが、DFの特にロナウジーニョに対峙するべくNelson の代役にクーマン監督は苦悩していたが先週土曜日のSC Braga を1-0で破った国内リーグ戦でのRicardo Rocha のパフォーマンスを見てその悩みも解消された。しかしそれでも世界的なセレソンの選手を容易に止められるとは思わなかっただろう。 メンバー作りにはバルセロナのライカールト監督も苦心するところ。主将のCarles Puyol は累積警告でそしてEdmílson と Rafael Márquez は怪我で欠き最終ラインに不安を抱え、その上そしてアルゼンチンの新鋭Lionel Messi も故障中だ。そのDFラインはOleguer Presas のリザーブリーグ時のパートナー 21歳のRodriが予想されたが、DFラインで他に名を連ねたのは Belletti, Motta そして van Bronckhorst だった。バルセロナのブラジル生まれのポルトガル代表選手、モウリーニョ監督のポルト時代に Champions League のタイトルを勝ち取った時の中心選手、デコはこの試合にというよりも、ポルトガルでの試合という事で思い入れは高く他の選手より二日早く、バルセロナが行った親善試合を飛ばしてまで現地入りした。しかし、試合結果はスコアレスドローに終わった。 Henrik Larssonもロナウジーニョもゴールを挙げることは出来なかった。試合後のインタビューでラーションは"我々は多くのチャンスを作ったが全てがうまく行く日もあればそうでない日もある。ニュートラルなサポーターには楽しんでもらえたと思う“と語った心境は翌週のノウカンプに向けたものか本心か?確かに両チームあわせて29本放ったシュートのうち15本は枠を捉えた。そしてラーションとThiago Motta のシュートはポストを叩いた。ベンフィカのGKMoretto のファインセーブが無ければ試合は一方的になっていたかもしれない。また元々左サイドのRicardo Rocha を右に配置しRonaldinhoに対峙させた作戦も功を奏したといえるだろう。 しかしほぼカウンター一本とも言えたベンフィカの攻撃もシンプル且つ効果的だった。15分に相次いだバルサのコーナーからの猛攻を凌ぐと次第にペースを掴む。 Simone のショットはわずかにGK Valdes の手をかすめた。 しかし決定的なチャンスはまずバルサに訪れる。普段は見られない右サイドのポジションにいたLarsson からのスルーの反応したVan BommelがGKと1対1になるが、その決定機はGK Moretto が冷静かつ正確に足で防ぎ事なきを得る。Metto は前半終了直前にもエトーのショットを防ぐが,その直後に エトーからのボールを受けた Van Bommel に強烈なショットを浴びる。ボールはポストをそれていったが中にはノーマークの Larsson がいた。後半に入ると Laurent Robert に替えてクーマン監督はFabrizio Miccoli を投入し攻撃力のアップを図る。Manuel Fernandes は前半の攻撃の要で後半はバルサGK Valdés を暇にさせなかった。一方のバルサのロナウジーニョは後半に入るとむしろLarsson やMotta の黒子役に。彼からのボールを受けた Larsson 、Montta ( コーナーキックから) が相次いでシュートを放つが Morretoがそれを阻む 。一方攻撃力の増したベンフィカも確信を持って前線に。Miccoli が左を突破するが何とかValdés も負けじとセーブを。 そして Van Bronckhorst が Giovanni のフォローを食い止める。再びバルサが速攻からVan Bommel が迫ると今度はお返しにとまたもやMoretto が防ぐ。手に汗握るゴール前のシーンは相次いで演出されるもスコアレスドロー。 UEFA のホームページではロナウジーニョを Man of the Matchに選ぶがもう両チームのGK も同等の賞を与えられないか?この結果というよりもスコアは、クーマンの方が満足しているのではないか? 翌週のノウカンプでは彼らの1得点は2倍に計算される。個々の技術、戦術はバルサが上回るだろう。しかし、試合運びでは初戦をホームで迎えるベンフィカの思惑通りではなかったか?最後の20分の持久力を含めたフィジカルの面ではベンフィカの選手達の方が優れていた。 ヌーニョ=ゴメスを起用できるアウェーでクーマン監督が優勝候補相手にどの様に乗り切るか今から楽しみである。


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (こめとん)
2006-04-05 10:40:48
>翌週のノウカンプでは彼らの1得点は2倍に計算される。



されませんw

アウェーゴールが多い方が勝ちってルールなので、

今回の場合、得点がはいったドローならベンフィカの勝ち抜けってことだけで、2倍だからという理由ではない。
返信する
アウェーゴール2倍ルール (Mr.コンティ)
2006-04-05 16:47:09
言い方が古典的だったか?よく昔の国内専門誌ではアウェーゴール2倍ルールと名をうっていた。別に2倍すると言う訳ではなく、単にアウェーゴールの数で勝敗を分けるので単にこう表現されただけでしょう。掛け数が1倍より多ければそれでいいだけで、ただこういう表現をしたのは日本の専門誌だけかもしれない。インテルがこれで泣きましたね。 とほほ。
返信する
つけたし (Mr.コンティ)
2006-04-05 17:08:32
さっきの件ですが、”両チーム総得点が同じ場合”と言う条件が抜けてましたね。 すみません。
返信する

コメントを投稿