Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

バルサ も レアル もいない決勝戦  FC Barcelona 2-2 Chelsea

2012-05-20 | EURO Football
あぁぁぁ、決まったぁ。テレビの中では Schweinsteiger が上半身裸になってユニフォームを振りまわしている。
Barcelona, Madrid は相次いで敗れてしまった。この試合結果に一番安堵感を憶えているのはカタルーニャの人々か….
そうして私はまどろみ始めた。夕食時に御客とのんだおいしかった赤ワインが回って来た。あぁおいしかったなぁ。
今度はサッカー中継を見ながら飲みたいけどどこの国の何と言うワインだったかなぁ…… お客とは何を話したんだっけ…
EURO2008 で圧倒的な強さを見せ優勝し2年後のワールドカップでも念願のタイトルを勝ち取り、世界一レベルの高いサッカーを演ずるのはスペインと世界中で多くの人達が認めていると思う。
今のスペイン人の誇りは Mundial でそして EURO で示したサッカーの実力ではないだろうか。
しかしそのスペインが今本当に危機に瀕している。



Spain faces crisis 'of huge proportions' over unemployment and banks

失業率25%と言う数字が示す様にスペインの銀行は約1億ポンドの融資を必要としている。
José Manuel García-Margallo外相は25%にも及ぶ失業率、更には国の銀行が €1億2千万( 約£9,800万 : 約126億円 ) の融資が今年末までに必要とされていると発表し、その数字は“大変は割合に晒されている。”スペインは危機的状況にあると語った。
18歳以上の失業率は 24.4%にもなっており、560万人の人達が職を失っている。失業問題は今やこの国では政治家達が案じる消費、税収入の定価による債権増加の悪循環に陥る事が懸念されている。
Mariano Rajoy に率いられる右派勢力の批判は政府の政策が部分的に状況を悪くしたと言及しており、この失業率の高騰は容易で費用の掛からない人員清算からくるリストラによるものとされている。今年最初の3カ月で 約374,300人が職を失い €9億5,300万 ( 約100億6,500万円 ) の所得税が消えたと見積もられている。
また Luis de Guindos 経済大臣は €80億(約8,400億円 )の税収を捻出する為にVAT やその他の間接税率を引き上げなければならないだろうとも語った。

国の4つの自治領では失業率は30%越え25歳以下で職が無い割合は52%となっており172万世帯が職の無い1人暮らし世帯となっている。
Engracia Hidalgo 労働大臣は“肯定的な指標”は全くなく García-Margallo はこの数字を“誰にでもそして政府にでも恐ろしい数字”と表現しておりスペインの人口4,700 万人に対して17,433,200分しか就職口が無いと表現している。
García-Margalloはラジオのインタビューで EUに援助の増加を促している。“ 我々にとって悪い事は彼らにとっても悪い事である。それはタイタニックの様なものでもし沈んでしまえば First Class の乗客も一緒にそうなると言う事だ。” 彼は政府の方策を支持しておりもう選択肢はないと語っている。
“患者に強い治療を施す時、最初は弱るがもしその治療を施さねば回復はしない。”と言っている。しかし緊縮経済だけでは充分ではないと付け加えている。
スペインの銀行は長きに亘りある地域では不動産価値が60%以上も下がり何10億ユーロ単位での不良債権が出てくるのではないかと思われている。 多くの家族がこの危機的状況下でも自分の不動産ローンを支払い続けているがこの失業率の急上昇から多くの不良債権が出て来ると案じられている。
スペインの債務の格付けを A から BBB+ に下げた S&P 社は“多くのスペインの銀行は市場で資金調達をする事は容易ではないと思われる。そしてある時点で国は公的寄金を求められるであろう。しかし今は少なくともそれをしようとは思っていないだろう。”と語っている。
この危機的混乱状況はマドリード株式市場の下落に更に追い打ちを掛け、10年物の長期金利率を6%近くにまで引き上げる状況を創っており S&P は今年のスペイン経済成長率は -1.5% となり2013年には -0.5% となると見込んでいる。同社は2015年までスペインでは新しい雇用が創造されるとは期待していない。 
Fernando Jiménez Latorre 経済相は今年中に失業率が 25% にもなるとは予想しなかったと語った。
彼は S&P 社は地方自治の歳出を規制する等の政府が講じた対策を考慮していない数字と不満を表している。そしてその分析は短期間なものと分析している。
マドリードのIESEビジネススクールのエコノミストである Alfredo Pastor は“その大きな数値を2013年前迄、労働市場改革においても硬貨は見られないだろう。事実スペインは効果的にそして生産性の質を高めるより突っ込んだ改革を必要としている。 現在の不況、労働改革も同様に政府は他の方策を取る必要がある。例えば新たな仕事を創る為のキャッシュフローの手助けとか…..
以上の記事は4月27日付のある英国紙の記事からの抜粋だ。
日本でもメディアは連日欧州経済危機を報道し続ける。 Iceland の様にリーマンショックから始まった国家の経済危機から短期間で立ちなおった国もあるがスペインの場合は“復興”出来る要因が無い。 まず Iceland の様に機械類や高度組立産業といった付加価値のある輸出アイエムが乏しくさらに通貨が統合され€になっているので“自国通貨安”の恩恵にあやかれない。 そういう意味ではドイツのほぼ1人勝だ。さすがに工業先進国のドイツはユーロ安を武器に自動車をはじめ付加価値の高い機械類の輸出を伸ばし続けているのだ…




昨年も UEFA Champions League の準決勝戦が開催されている時に商用でベルギーの Brussels を訪れていた。
今年はEURO2012 が開催されるので大会は昨年より9日ほど早く進められている。
テレビでみた El Clasico そして内田の Schalke が Manchester United と対戦した試合.. あぁあれからもう1年経ったのか…

Barcelona 2 Chelsea 2 MAGNIFICO
4月25日付けのある英国紙には上記の見出しが Fernando Torres の大きな写真に添えられていた。
そして FA set to name Boss というやや小さめの見出しに難航している England の代表監督が Harry Redknapp か Roy Hodgson に絞られた事も説明されていた。
私がお客さんとの食事を終えホテルの戻った時はまだ10分近く試合時間が残っていた。丁度 Drogba がベンチに下がり Torres が投入されたばかりだったか….スコアーは 2-1 で Barcelona リードだった。しかし The First Leg は Chelsea が 1-0 で勝利を納めている。このままでは Chelsea が決勝進出となる。 Barcelona は総攻撃を仕掛けていた。 Chelsea は完全に自軍ゴール前に蓋をするようにひきこもっていた。ゴールに近づくべくその要塞をこじ開けようとその周囲をボールを回すそのパスワークは流石だと思った。しかしエリア内に侵入すると白色のユニフォームの選手達が2人、3人と取り囲む。そして…..縦パスが Torresに渡るとそのまま爆発的なドリブルで Torres はBarçaゴールに迫り最後は GK Valdes をかわしてボールをゴールに流し込んだ。



EURO2008 決勝戦で唯一ゴールを決めたのが Torres 。それ以来2010年ワールドカップでは無得点に終わり、Liverpool から Chelsea に移籍をし Liverpool サポーター達からは裏切り者と、Chelsea サポーター達からは“月給泥棒(っていうのかな?)”と両サポーター達からブーイングを浴び続けた男の意地のゴールに見えた。
“あの時の Torres のユニフォームは Atletico に見えたんじゃないですか…..?” 職場の同僚が翌日こう語った。
Camp Nou はこの時、本当に静かだった。その前にオフサイドか何かファールがあったんじゃないか?と思うくらいだった。それは大会2連覇の潰えた瞬間であった….

The most Stupid of red card ……
4月18日、Chelsea は Stanford Bridge でBarçaを 1-0 で破った。しかしそんな点差はセーフティーリードでは無かったはずだった。Camp Nou でBarçaが2点差以上を付けて Chelsea を…..カタルーニャの人達だけではくそう思った、いや願った人達も多かっただろう。特に日本の“ジャーナリスト”諸氏は。
Chelsea は 1st Leg と同じスタメンでBarcelona 戦に臨んだ。4日前 Emirates Stadium での Arsenal 戦は GK Cech, CB John Terry, Gary J. Cahill 達こそスタメン起用されたが他の8人、 Dorgba, Lampard, A. Cole, Ramires らはベンチスタート(またはベンチからも外れた)Arsenal 戦で“スタメン起用された Torres ”は
“屈辱”だったかもしれない。 しかしそれでもArsenal 相手に 0-0 で引き分けるのだから大したものだ。
一方 1-2 で Real Madrid 戦で敗戦を喫して中2日で臨んだBarçaは Real Madrid 戦でベンチスタートだった Pique, Fabregas, Sanchez そしてベンチ外だった Cuenca をスタメン起用。ホームゲームとは言えEl Clasico と言う大一番から中2日での試合。選手達の消耗が気になった。
この日は右SBだった Adriano を外して4バックから Mascherano, Pique, Puyol の3バック。Messi を2列目左からトップ下に置き2列目右サイドには Cuenca を置き Sanchez の後ろに3人(左サイドは Fabregas )を置く布陣。 これは攻撃的な布陣か?

試合は開始6分に Cahill が左脚のハムストリングを痛めて Bosingwa との交替を余儀なくされる Chelsea 苦しい立ち上がり。しかし26分には Dorgba と交錯した Pique が脚を痛めてAlves に替りベンチに下がる。だがこの交替はBarçaに一時は吉と出た。35分CK を得ると中途半端なクリアーを拾った Alves が左サイドの Cuenca にボールを送り Cuenca は低い弾道のクロスを入れる。 そのクロスを受けたBusquets が先制ゴールを叩きこみ 2試合通算 1-1 とする。 
更に2分後の37分信じられない事が起こる。 John Terry が Cuneyt Cakir 主審の目の前で Sanchez の背中を膝で蹴り一発レッドが提示される。 試合後 Terry は後ろの下がった時にバランスを崩し膝が上がった時にSanchez が下がって来て偶然に膝が彼の背中に入った…..と弁解していたが英国紙は Terry を集中砲火。

    

Needlessly and with unfathomable stupidity kneed …..とかMadness と表現されたり、 Daily Express 紙の彼の評価は何と“0”。 さすがに Times は同じ評価点ではなかったがこちらは3。 Terry’s sending-off was a betrayal ( 裏切り行為 ) . Terry’s brainlessness ends up damaging no one but himselfと書かれていた。Kicker 誌は最低点の6だった。代表監督問題の発端ともなった John Terry は EURO2012 で名誉回復出来るだろうか..

  

10人になった Chelsea にBarçaが追加点を挙げる。 Messi のスルーパスが Iniesta に入り、そのまま放ったショットは GK Cech を破ってゴールネットに突き刺さった。

  

この時点で “ the mission had suddenly become impossible “ となった様に思われた。
しかし前半ロスタイムに入った46分、 Lampard が素晴らしいミドルパスを前線に送ると Ramiresが走り込み上手くバウンドに合わせて放ったチップキックが GK Valdez の頭を越えてBarçaゴールに吸い込まれた。
同点ゴールも素晴らしかったが同点にした時間も素晴らしかった。これで形勢逆転となり Chelsea が“リード”を手中にした。

  

後半に入ったばかりの48分Barçaが逆転の大チャンスを掴む。Dorogba がPA内で Fabregas を倒して PK を与えてしまう。誰もがBarçaの“逆転ゴール”を信じながらボールをセットする Messi を凝視した。しかし、弾道はクロスバーを叩いてしまう。



    

Lampard が Messi を慰める。 だがまだ40分以上Barçaが相手をするのは Chelsea とはいえ1人少ない10人。充分に時間はあったはずだった。
前半終了間際に“逆転”した Chelsea は守備を固める事をはっきりと決められた。それでも Dorogba が1度決定的なシュートを放ったが…
時間が経つにつれてBarçaの攻撃が強くなる。それを A. Cole, Bosingwa, Ivanovic らが必死で跳ね返す。そして Lampard も。更に英雄的な働きをするのは GK Petr Cech . 1st Leg に続いて Kicker 誌は Spieler des Spiels に挙げていた。 そしてロスタイム。もうBarçaの Champions League 2連覇の灯は 消えかけたかと思った時にA. Cole の縦パスが Torres に渡った。

Players insist miracle man Di Matteo must get job

The Times によると Chelsea の選手達は Roman Abramovic に Di Matteo の契約延長を促した…, temporally base から permanent baseへ….と報道した。
2か月前に Andre Villas-Boas からの任務を受け継いだ Di Matteo はチームを見事に FA Cup の決勝に(最終的には優勝に)そして Champions League の決勝戦にチームを導いた。 
Branislav Ivanovic は“München での試合が彼の最後の指揮になるなんて誰も思っていない。 我々は最後まで待つ。今全員が Robbi ( Di Matteo ) と一緒にいられてハッピーだ。 彼は偉大な仕事をやり遂げた。我々のマインドを替えて信頼と支持を与えてくれた。 彼はこれと同じくらいのパフォーマンスを行ったと思う。 ”
Lampard も Di Matteo の支持者だ。しかし彼は例え Champions League のタイトルを勝ち取っても Di Matteo を引き止められるか確信がないらしい。
“クラブは夏まで彼と交渉するだろう。しかし私は声高に彼が成し遂げた事を話せない。なぜならクラブが決定した事に口を挟む事は出来ないからだ。”

そして数日後、Barcelonaの Pep Guardiola 監督の辞任が報道された…….
Barçaは何故勝てなかったのだろう? 私が按ずるのは選手達の“ハングリー感”。 全盛期にあったAC Milan の凋落は選手達の勝利に対する“枯渇感”が薄れて来た事と言われていた。
この敗戦でまたBarçaは盤石な強さを手に入れるのだろうか? それにしても Champions League 連覇は難しいんだなぁ…

    

Munich may be tougher still with key players stuck onside lines
Barcelona戦で6枚のイエローを受け Terry が退場となり更に怪我人が続出し決勝戦は何人の選手が出場出来るのだろうか….
まず言うまでもなく John Terry。更に右SB Ivanovic, 左 HF Raul Meireles, MF Ramires ら3選手が累積警告で出場停止。 怪我でベンチに下がったGary Cahill はその後まだプレーする程回復しておらず、David Luiz は4月16日の Tottenham 戦以降出場出来ていない。 Cahill と Luiz が回復して初めて A. Cole, Bosingwa と合わせて4バックが組める。 それに彼ら2人のCBは Terry がいてこそのコンビネーションだ。
彼らが使えないとなると John Obi Mikel をCBに下げて Mikel のポジションには Ryan Betrand を入れ Paulo Ferreria とCBを組むと言う選択肢も。そして左 SB は17歳の Nathaniel Chalobah が抜擢か?
Ramires, Meireles を欠くMFはもっと深刻か? ガーナの英雄 Michael Essien がここで起用されるか?
そして2列目の両サイドは Mata ( 右 )と Kalou ( 左 ) になるか? 

この状況は1999年の Manchester United と類似している。 Roy Kean, Paul Scholes らが準決勝の Juventus s戦で警告を受け決勝戦は出場停止となり Sir Alex Ferguson は David Beckham と Nicky Butt を中盤で起用。
Jesper Blomqvist を中盤の左に、そしてRyan Giggs を右に配置した。
そして United は劇的な勝利を収めた。 その対戦相手は Bayern München だった……

多くの“日本人ジャーナリスト”が期待した今シーズンの UEFA Champion League の決勝戦は El Clasico の再現では無かった。
それよりもスペイン経済はどうなるのだろう? そんな中超高額なサラリーや移籍金が発生する Football Business が異様に見えて来た。 キックオフまであと数時間。 起きてみようか?録画したものを…それが迷うところだ。




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