Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Asian Cup 紀行 ホスト国達の明暗 16.JUL. Malaysia にて

2007-07-17 | Asian Cup
マレーシアの首都 クアラルンプール 入りして今日で3日目。今朝の地元紙 NEW STRAITS TIMES の一面の見出しには “ GAME OVER “ の大きな見出しが。昨日行われたイラン対中国の試合が 2-2 で引き分けた事によりマレーシアのベスト8進出の可能性が完全に無くなった。今大会は出場国の中で比較的ランクの下がるホスト国の進撃が大会序盤を盛り上げたがマレーシアだけは完全に蚊帳の外であった。確かに FIFA ランキング149位は他のホスト国とタイ ( 122位 ) ヴェトナム ( 142位 ) インドネシア ( 143 位 ) と比較してもランクが下で最下位のランキングであるが、初戦の中国戦 ( 1-5 ) 第二戦ウズベキスタン ( 0-5 ) は酷すぎた。他のホスト国の様にホームアドヴァンテージを活用するどころか、成す術無しと言う感じだった。そもそも大会期間中に Manchester United との協会設立50周年記念試合を予定し、AFC から公式に試合日の変更を指示されるくらいであったからこう言う結果も当然かもしれない。 今朝の地元紙にはTengku Abdullah Sultan Ahmad Shah マレーシアFootball 協会Deputy President が協会内の全ての要職から辞任する事が報じられた。これまで協会には23年間務めたらしい。そして地元紙は他の協会役員も責任を取るべきと報道。協会が設立された1957年には韓国も日本もその存在が恐れられたマレーシアサッカーが50年経って Schoolboys の様にレベルが落ちてしまったとも書かれている。1957年に遡らなくても 1970年代から80年代中盤までのマレーシアの強さを知っている私にとって、このアジアカップの結果を見てここまで弱体したのを目の当たりにして悲しい気持ちだ。日本人の私がこう思うのだから地元のベテランサッカーファンはどういう思いでこのアジアカップを観たのだろう?アジア内の上位ランク国に出場権の与えられる Asia Champions League もマレーシアのクラブチームには出場権が与えられず AFC Cup に2チームが出場権を与えられているが共に準々決勝には進出できなかった。同紙には“ THE GOOD NEWS : ENGLISH PREMIER LEAGUE のキックオフまであと26日 ”と皮肉られている。だが、こう言う報道がなされる事はまだ救いだ。18日のイラン戦は少しでも意地を見せられるだろうか?

今日も夕方から雨が降って来た。この地域は例年なら雨季に入っているらしいが、その時期もだんだんずれて来ているらしい。仕事を終え、現地時間の午後6時20分からSTAR SPORTS チャンネルで生中継されるハノイでの日本 vs ヴェトナムにチャンネルを合わせる。 クアラルンプール と言うよりもここのホテルに入ってようやくアジアカップのテレビ観戦が可能になった。日本同様アジアカップの試合は東南アジア各国、地元の試合以外は衛星チャンネルなら視られると言う事になっており、シンガポールでは衛星チャンネルが看られるホテルをわざわざ選んだのに実際は“地上波しか映りません”と言うフロントの回答。その上シンガポールはアジアカップ出場国でないので STAR SPORTS チャンネルが視られても全試合中継するわけでは無かった様だ。次のジャカルタでは1泊しかしなかったのでテレビ観戦の機会すらなし。続くバンコックではホテルのテレビは STAR SPORTS が映らず、また地上波はチャンネル7以外はアジアカップの報道をボイコットしていたので(後でわかった)日本戦の試合結果等をすぐに入手するのは容易ではなかった。

シード国、ホスト国揃って準々決勝に 


ヴェトナムラウンド 仕事を終えて部屋に戻った時は試合開始から15分くらいすぎており既に 1-1 であった。テレビ観戦にもキックオフに間に合わないのか…… テレビ画面からは地元サポーターの熱気がよく伝わってくる。この My Dinh National Stadium は確か 2003年の South East Asian Games のメインスタンド。あの時もタイとのサッカーの決勝戦で地元観客はのものすごい声援を送っていたのを思い出す。途中で鈴木啓太のオウンゴールと巻の同点のゴールが映し出される。正直このまま試合が終わってくれることを願った。そうすれば日本、ヴェトナムは揃ってベスト8に進出出来て地元サポーターには申し訳ないが日本はハノイに7月25日の準決勝まで居座れる。まぁ同時刻に始まったもう一つのカタール対 UAE 次第であるが。29分、左サイドを崩されかけるが最後は駒野が Hunyh Quang Tanh をペナルティーエリア内で倒したがPKは与えられなかった。これには助かった。そしてその直後の今度は高原が倒され良い位置でFKを得る。これを遠藤が直接決めてあっさりと逆転に成功する。場内からは当然歓声は上がらないが、日本サポーター達の歓喜する姿が映し出される。あぁ俺もあそこに居たいなぁ。前半はその後何度かヴェトナムが日本ゴールに迫る。スピードもありショートパスばかりでなくロングパスも結構正確だ。そしてスペースに上手く走りこまれる。2トップの Le Cong Vinh と Phan Thanh Binh にボールが渡るとさらに大歓声が後押しをする。この二人は共に五輪代表。8月から始まる北京五輪予選は要注意だ。そして前半を 2-1 日本リードで終えた。
ハーフタイム中にカタール対 UAE 戦のダイジェストが映し出される。あの Sebastine Quintana のPKでカタールが1点リードだ。後半に入るや否やヴェトナムが同点ゴールを目指して日本ゴール前になだれ込む、しかし追加点は日本に。ヴェトナムゴール前でボールを回し最後は中村俊輔が決めた。 これでヴェトナムは苦しくなって来た。その後も日本がほぼ一方的に攻め続ける。10分には正面から約20mの位置でFKを得て、俊輔が一旦遠藤に預けてあわやのショットを。14分には左サイド深い位置で得たFKを今度は遠藤がゴール前に上げ巻が再び体ごとボールに当てて4点目を。解説者はしきりに“日本には遠藤、シュンスケナカムラ、ケンゴナカムラがいるのでゴール前でFKを与えてはだめだ。”と何度も言っていたのだが。 以降は俊輔、遠藤、巻らがベンチに下がり次戦に備える。この時点では準々決勝の相手はまだわからなかったが。ヴェトナムも必死でボールを前に繋ぐが最後の1対1で日本DF陣と互角に勝負が出来ない。後半途中で AFC のウェブサイトからホーチミンで行われているカタール vs UAE の途中経過を検索するとAl Sharjah のゴールで 1-1 に追いついていた。2試合ともこのままで終わると最初に私が願っていた結果になる。 テレビ画面に目を移すと残り時間は10分程度、日本の攻勢が続いている。そして2分のロスタイムが終わろうかと言う時にヴェトナムベンチが映し出され Alfred Riedl監督と数人のコーチ達が握手をしている。そしてタイムアップ。日本の1位通過が決まった。そしてホーチミンの試合では U.A.E. がロスタイムに逆転のゴールを決めてヴェトナムのベスト8進出が決まった。試合が終わるとテレビ中継がさっさと終わってしまったのでスタジアムでヴェトナム選手そしてスタンドの観客が歓喜するシーンは後のニュースで観た。日本、ヴェトナムの次の対戦相手はどこだろう? そしてバンコックにはヴェトナムから大挙してサポーターが押し掛けるのだろうか?そうなると地元の人たちと何かもめそうだなぁ…… 次の対戦相手は

Socceroos サワディカ~ップ Kiatisak Senamuan



バンコックで行われる試合まで15分程度間があったので夕食をホテルの向かいにあるケンタッキーフライドチキンに仕入れに出掛けた。外は雨が降っている。部屋に戻ったのはバンコックの Rajamangala National Stadium で行われる オーストラリア対タイの試合開始直前であった。オーストラリアはメンバーを大きく替えてきた。 David Carney, Mark Milligan の Sydney FC コンビを起用し FW は Kewell を外して Aloisi を先発させ Viduka との2トップに。CBは Kisnobo に替って Beachamp が起用された。オーストラリアは2試合で勝ち点1だがこのタイ戦に勝てばベスト8が見えて来る。そうなれば Supachalasai National Stadium ( 2005年に北朝鮮対日本の無観客試合が行われた競技場 ) のオマーン対イラクの結果次第で日本と準々決勝で当たる事になる。一方のホームのタイ。この試合引き分けでもベスト8が決定する。スタメンには MF の Thonglao Datsakom, Therdsak Chaiman が外れているが FW Suchao Nutnum, そして Teeratep Winothai が起用され Kiatisak Senamuang と2トップを組む。前線に選手を並べ、先制点を挙げて逃げ切ろうと言う Chanvit 監督の作戦か?この日のキックオフは日没後の7時35分。その上雨が降っている。気温が下がり降雨の条件だと欧州でプレーする選手が殆どのオーストラリアに有利だっただろう。それでもタイは Kiatisak を中心にオーストラリアゴールを目指す。 Sripan Tawan から何度もスルーパスが通るがオーストラリアDF陣も硬い。そしてこの日は守備から攻撃に転ずるのが 早い。 David Carney の左からの速攻が効果的だ。そして21分 Beachamp が頭で合わせて先制ゴールを奪う。今大会3試合目でオーストラリアは先制点を挙げた。静まり返る競技場。そして映し出される Aussie のサポーター達。それでも以降はタイ攻撃陣が試合を支配する。ほぼ満員の大観衆がタイ選手がボールを持つ度に大歓声を送り後押しする。しかしオーストラリアDF陣はなかなかシュートを打たせない。これだけ守勢に回ればこれまでの2試合の様に消耗のしてくるのだろうが、試合時間と天候が今日は Socceroos 達を味方する。後半に入ってもタイの攻勢は続く。何とか早く同点に追いついて…とイラク戦のヒーロー Pipat Thonkanya が大歓声に迎えられて投入される。 Kiatisak からのラストパスを受けて決定的なシュートを放つが GK Schwarzer の必死のセーブに場内は溜息が。それでも同点とベスト8を目指してオーストラリア陣内で試合が進む。早く同点に追いついてくれ、さもなくば Supachalasai でオマーンが勝ってくれれば得失点でと頭で計算を始めるとArnold 監督は Cahill, Kewell を投入する。あぁ選手層の差が出ているなぁ。しかしタイDF陣も Kewell らへのマークがしつこい。しかし80分試合を決定付ける Viduka のヘッドが決まってしまった。再び観客席の Aussie サポーター達が映し出される。先週金曜日にバンコックにいた時に何人もの Aussie 達と話をしたけどこの試合も観戦しているのか?落胆の地元サポーター達。それでもオマーン対イラク戦の結果によってはまだ可能性が残るのでここで1点返せば…..しかし、 Viduka そして Kewell の連続ゴールで夢は散ってしまった。ホスト国の中では最もベスト8の可能性があると思っていたタイであったが…. 英雄 Kiatisak そしてベテラン Tawan Sripon はこれがおそらく最後の代表の雄姿だろう。それを拝めただけでも私は良かったのかもしれない。彼の後を継ぐのはこの日2トップを組んだ Teeratep Winothai であり、交替出場の Pipat Thonkanya だろう。今後の動向に注目だ。そして Soceeroos は完全に生き返ってしまったなぁ。次はハノイで日本との準々決勝だ。バンコックから移動のハンディはあるだろうが、今彼らは精神的に非常に良い状態にあるだろう。スタメンはそして日本戦に向けての方策は…. いやその前に日本の迎撃態勢は… 俊輔よ高原よ、そして川口よ、今度こそ頼むぞ。 明日は試合がないので仕事に集中できるか…. な??



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