Mr.コンティのRising JAPAN

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Aussie サポーターたちの憂鬱 Australia 1-3 Iraq

2007-07-15 | Asian Cup

今回のアジアカップ前、私はオーストラリアこそ優勝候補最右翼。Socceroos 達がどんなパフォーマンスを演じるかを非常に楽しみにしていた。しかし、7月8日のオマーンとの初戦をテレビで看て、彼らのチーム状態は昨年のワールトカップに遠く及ばない事態になっているのでは?との懸念が湧き上がった。それでも終了直前の Cahill のゴールで追いつくあたりまだまだワールトカップベスト16のチーム力はこれから上がって来るものと思っていたのだが...

この日もスタジアム入りした時は前半を20分近くが過ぎていた。仕事が終わってから競技場に向かうまでの自分の段取りの悪さ、要領の悪さには我ながら呆れてしまう。それでもこの日はホテルの前で拾ったタクシーの運転手は近道を知っており、競技場に到着したのは試合開始5分程度を過ぎたところ。運転手のおにぃちゃんに御礼とチップをはずみいざ競技場内へ…… しかし、今度はスタジアムは見えども入口が解らない。すると同じような境遇のオージー達が10人。何とか勘と前日の記憶を働かせ何とか前日チケットをピックアップした場所を見つけた。今度はこちらがオージー達に御礼を言われる番であった…..

着席しピッチ上の Socceroos に目を移すと、何だか動きが重そうだ。黄色のユニフォームに発汗量がよく目立つ。着席してピッチ上のフォーメーション確認をしようとした23分、イラクは右サイドでFKを得て、Ali Nashat がゴール前に放り込むと突っ込んできたイラクMF Al Sadwn Salih の動きに気を取られた GK Shcwarzer  が弾道から目を離してしまいゴールインを許してしまう。初戦のオマーン戦では終盤に好セーブを連発し Chaill の同点ゴールを呼んだのだが….. 周囲にいたオージーサポーター達は“シンジラレナ~イ”と言った表情。

そしてイラクのサポーター達は国旗を打ち振り大歓声をピッチに送る
それでも失点直後から
オーストラリアは同点を目指しての攻勢が続く。28分には Kewell Hussein Haider に倒され、29分には今度が Viduka Rehema Ali に倒されそれぞれFKを得る。FK Willksher が担当している。31分にはまたも得たFK Willksher が左に転がし、走り込んできた Viduka がショットを放つがポストの左に外れる。36分には Emerton が中央からドリブル突破、そして前線の Viduka へ。Viduka はイラクDFを背負いながら体を反転させシュートを放つがゴールネットに届かない。39分にはゴール前に上げられたロビングに Viduka がヘッドで狙うがその前にプッシングを取られた。
この日のオーストラリアの前線は Viduka のワントップに2列目が右から Bresciano, Holman そして Kewell の3人がならぶ。オマーン戦でスタメンだった MF Sterjovski に替り Holman が起用されたのはより攻撃的にと言う意図か?しかし攻撃陣の動きが今一つだ。この気温は昨年のワールトカップで経験済みだろうが、恐らく湿度が強烈に堪えているのではないだろうか?42分に Lukas Neil がイラク FW Kharef Younes に抜かれるところを倒してイエロー。警告覚悟で止めねば完全にKhalef に独走されると事であったが Neil はその直後にも再び Khalef を倒すと、カードは出ないが倒された Khalef Neil に詰めよりAjeel Mahdhi が加担する場面も。高温多湿の気象下にやや焦りが出てきたか?
44分には Wilksher から前線に上ったロビングを Viduka が頭で落とすがそのこぼれ球を拾った Kewell は上手くコントロール出来ずにシュートが撃てなかった。  Kewell もここまで得意のドリブルシュートがまだ見せられていない。 オーストラリアのボール支配率は恐らくイラクを上回っているかもそれないが、ラストパスが通らないなど最後の詰めが甘い。気温が下がって来ると調子もあがるいだろうか…… ?
後半に入ると、まず Holman に替えて Cahill が投入される。その効果があったのか?開始1分46秒に同点ゴールが生まれる。右サイドを Brett Emerton が疾走し中にクロスを入れると今度はViduka が頭で押し込みゴールネットを揺すった。これで Socceroos のエンジンがかかって来るだろうと思う中、48分には Viduka のヘッド、52分には Viduka のポストプレーから Cahill がシュートに持ち込んだり攻勢に転じる。しかしまたイラクが主導権を奪い返す。57分MF Tahir Haitham がミドルを放つが正面。そして60分、左からのスルーパスが Haider に通りそのまま撃たれたシュートは GK Shcwarzer を破りまたイラクがリードを。オーストラリアは同点にしてから14分後にまたリードを許す事に。その直後にも MF Nashat のボールキープから攻撃参加して来た DF Hussain Haider にフリーでシュートを撃たれるがこれはゴールを外してくれた。オーストラリアは中盤から前の動きが少なく、パスコースを容易に読まれるなどなかなかリズムが掴めない。
64分に Arnold 監督は Ajax Amsterdam のレギュラー Jason Culina を下げて昨シーズン A League 得点王、 Melbourne Victory Archie Thompson を投入した。攻撃の枚数を増やすと共に前線での運動量を上げるのが目的であろう。
投入直後に右サイドを Cahill からボールを受けた Thompson が突破しクロスを入れるがペナルティーエリア内には誰もいない。オーストラリアが両サイドを使いだすとカウンター攻撃中心だったイラクが中盤でボールが回る様になり、オーストラリアは後手に回り攻撃の糸口が掴めない。70分には Vidukaが頭で落とした所を Kewell が拾ってバイタルエリアに侵入を図るがイラクDFが二人掛りで Kewell を止め、そのままカウンターに転じ最後は Kisnorbo を振り切った Al Sadwn  が放ったシュートは Shcwarzer に“当たって”追加点を免れた。71分には Aloisi Kisnorbo に替って投入され MF Glerra DFラインに入る。 Cahill, Aloisi ,が投入されるのは昨年のワールトカップの日本戦を思い出す。だが大会前のシンガポール合宿では仕上がりが評価されていた Beachamp の出番がまだない。
オーストラリアは前線に Cahill, Kewell, Viduka, Thompson, Bresciano の5人が並んでイラクゴールを狙う。75分には Emerton のクロスを Chaill がポストプレーから、80分には Kewell が浮玉を上手くコントロールし送られたクロスでそれぞれ Aloisiがシュートを放つ。前線の選手を増やし攻撃に厚みを加えたいところだが、その分中盤が手薄になり、また交替出場の選手と最初から出ている選手との動きに差がありラストパスのタイミングがずれて、イラクPA前でボールを拾われるとそのままイラクのカウンター攻撃を容易にさせる。交替選手が投入されても結局はViduka のポストプレーと Kewellのドリブル頼みだ。84分にはKewell のドリブル突破から Thompson PA でボールをキープするが相手DFとの競り合いでファールを取られる。Karim Jasim 主審はバーレーン人。イラクに判定がやや甘く見えるのは同じ中東人の好か?
そして88分、試合を決定づける3点目が決められてしまった。 Neil のクリアーミスを拾った Ajeel Mahdi が持ち込んでPA外からミドルを放つとそれが Neil に当たりフリーの交替出場MF Muhamed Karrar の前にこぼれそのまま難なくゴールに流し込んだ。呆然とするGK のSchwarzer と DF Lukas Neil そしてAussie サポーター達。イラクサポーターの狂喜の雄叫びがこだまする。

ロスタイムは4分あったがもう Socceroos 達に挽回する気力は失せていた。最後は終了間際の選手交替でなかなかピッチの外に出ない Khalef Younes Lukas Neil が“早く出ろ”とばかりに押した行為にこの日2枚目のイエローカードが出されて退場。次のタイ戦も出場停止に。Neil ほどの選手がこう言う愚行をするとは..
そしてタイムアップ。Aussie サポーターは一斉にブーイング。これがワールトカップベスト16のチームなのだろうか? 控室に戻る前にオーストラリアから遠征して来たサポーター達に一通りの挨拶は行うが、その後の落胆の色は隠せない。


ワールトカップで効果的だったプレスもこの天候では空回りしたのか?結果論だがコンディショニングも問題無かったか?2試合を通じてThompson 以外はみな欧州組。激しい欧州でのリーグ戦を終え消耗も激しかっただろう。Mark Milligan や David Carney といった
A League 勢を使えないか?特に大会前左サイドバックのスタメン候補に挙げられた Sydney FC David Carney はまだ起用されていない。Kewell , Viduka の調子も昨年のワールトカップと比較すると….
Viduka は
コンディション、モチベーションそして基礎体力、すべて昨年よりは下回っているだろう。一度アジアカップ出場を辞退したのもそのせいか?
Kewell
の起用に就いては大会前、1次リーグでは調子を取り戻す為にフル出場はさせないようなコメントが Arnold 監督からあったのだが。
試合後“この結果には大変失望している。3つの個人的なミスが試合を台無しにした。先制されてから必死の思いで同点にしたが、その後2つのミスが命取りとなった。何人かの選手はここに来る事を望んでいない様であった。それが最大の失望だ。”とAroold監督がコメントしたとか。選手起用を含めて次の地元タイとの試合、中2日でどう立て直すのだろう。一方のイラク。初戦のタイ戦で出来が悪かった中心選手 Taher Hawar の起用を巡って物議を醸したが、ブラジル人の Vieria 監督はオーストラリア戦でもスタメンで起用。 Hawar は2点目を決めて期待に応えた。



アジアカップ予選は政情不安の為ホームゲームを全てヨルダンで行うハンディをこのタフな試合で生かした。アテネ五輪メンバーを中心にしたメンバー構成。元々アジアでもトップクラスの力を持っていたのでこの結果も以外とも思えない。
準々決勝では日本と当たるかもしれない。その時はあのドーハのリベンジを….. いやまずは次のヴェトナム戦に集中しよう….



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2 コメント

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第三戦 (Mr.コンティ)
2007-07-16 22:50:23
鍼灸様

ご無沙汰しております。
今マレーシアでオーストラリア vs タイをテレビ観戦しております。
前半終わって 1-0 でオーストラリアがリードです。
気温の下がった日没後のキックオフのせいか、動きはイラク戦よりも良いみたいです。
メンバーもだいぶ入れ替えましたね。 Milligan, Carney の A League 勢を起用した事、 Kewell を外した事と Beachamp をスタメン入りさせたのは予想通り。しかし、リードを許しているとはいえタイもいい出来です。先に準々決勝進出を決めた日本と戦うのはどちらでしょう? コスミナコーチ、何度もテレビに映し出されますねぇ.....
観戦に来ていたオージーサポもアーノルド監督の更迭を求めていました。 さて後半どうなるでしょう?
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あれほど切れと言ったのに (鍼灸)
2007-07-16 01:16:08
イラクといえば、アテネ五輪でも決勝トーナメントの1回戦で対戦して、オリルーが負けてますね。
あのときもオリルーはGLでセルビアやチュニジアを撃破してきたので、イラク相手に甘く見ていたような。
さらにその1年前のWYでもヤングルーはブラジルを撃破し、GLを1位で通過しながら、決勝Tの1回戦でUAEにあっさり負けました。
もともと中東勢には強くありません。特にアウエーでは。

アーノルドは当初から「代理監督」だったわけですから、去年の時点ですっぱりと切っておくべきでした。
監督をやってくれそうなビッグネームが空いてなかっただけなのですから。
先々代のファリナもそうだったのですが、ルーのような未熟なチームに、自国出身者というだけで未熟な人物を監督に据えるのは間違ってます。
ファリナのときも早く切るべきだと思ったのですが、コンフェデで惨敗するまで引っ張りましたからね。

オシムがカタール戦の後、喝を入れて空気を変えたような芸当はアーノルドにはできてませんね。
今は第3戦だけでもカンフル剤として別の監督で臨むべきです。
といっても時間がないからアシスタントコーチのコスミナくらいしかいないでしょうけど。

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