Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

ホスト国の進撃が続く Thailand 2-0 Oman

2007-07-14 | Asian Cup
“ここからスタジアムまでは歩いた方が早いです。” 
片言だけど日本語を話すタクシーの運転手は申し訳なさそうに私に言った。
街の中心街からタクシーに乗って既に50分近くが経過していた。タイの首都バンコックの交通渋滞は “ infamous “ だ。しかしその状況はさっぱり改善されなさそうだ。毎年この街に出入りする様になって6年目になる。個人の貧富の差は相変わらずなのだろうが日本と異なり景気の後退はそれ以来看られない。その好景気に伴い自動車の数は増加の一方でそれに対するインフラが確実に進んでいないのがはっきりと確認でした。
しかし、もとはと言えば私にも不注意があった。インターネット予約を入れておいたチケットを繁華街にある Central Chidrom の7階チケットセンターにピックアップしにいったのだが、カウンターの女の子は “あなたの予約は確かに入っています。しかしここでピックアアップ出来るのは10日前までです。競技場のチケットカウンターに直接行って下さい。”と丁寧に英語で説明を受けた。その上、競技場の地図までくれた。後でよくよく e-mail で送られてきたConfirmation を見ると、文面の前半はタイ語で書かれており意味不明なので読み過ごしてしまったが下の方に英語で そう書いてあった。見落とした俺のミスか…….
すぐに下に降りてタクシーに飛びのる。ホテルの受付で書いて貰ったタイ語の競技場名を見せると拾ったタクシーの運転手は日本語を独学で勉強しているとか。 “5時20分には間に合わないかもしれません。”と親切に教えてくれた。車中は色々運転手と話がはずむが、車は渋滞に巻き込まれ遅々として進まなかった…..
Rajamangala Stadium 付近にたどり着いたのは試合開始数分前。そこからタクシーを降り、競技場迄歩く事に。すると試合前の国家演奏が漏れ聞こえてきた。そして合唱の声も。もう少し音量が大きくてもいいと思うのだけど。 タクシーを降りたところから競技場迄は本当に5分も無かった。しかし、チケットのピックアップに手間取り結局着席した時は前半30分近くになっていた。 
ここ Rajamangala Stadium は 1998年のアジア大会のメイン会場。マラソンの高橋尚子が驚異的な記録で優勝を果たし、100mでは伊東浩二が 10秒00 のアジア記録を樹立した。この伊東の記録は人類学的にずば抜けた記録で黒人選手を除くと世界最高の記録で、欧州の白人選手でも出した事がない大記録だ。従って陸上競技用のトラックは完備されている。サッカー経験者はこれほど邪魔なものはないらしいが、陸上競技経験者の私としてはこのトラックを見ると何となく感傷に浸ってしまう。だが昨日訪れたインドネシア、ジャカルタの Gelora Bung Karno Stadium よりかは格段に見やすい。あそこはトラックの周りにさらに壕がある上、スタンドの傾斜が緩やか過ぎて本当に見通しが悪かった。 


試合はまだ両チーム無得点のまま、だがここも電光掲示板にはスタメンが出ていなかった。 観客の入りはまだ半分強と言ったところ。でもまだ続々と入場してくる人々が。観客の多くはタイの王族の色でもある黄色のシャツを着ている。しかしこの日のタイ代表のユニフォームは濃紺の上下。着席した時はタイが攻勢に出ていた。
MF Thongla Datsakorn, Sripan Tawan, そして 2トップのKiatisuk ZICO Senamuang と Suksomkit Sutee によくボールが渡りさらに大歓声が後押しをする。これこそホームの強みだろう。特に Kiatisak は前線でボールキープが出来てオマーンDF陣にも当たり負けしない。注目の22歳の FW Teeratep Winothai はこの日もベンチスタート。 Kiatisak との共演は見られるか?35分にスルーパスに Kiatisuk が抜けるところを引き倒され良い位置でのFK。この FK は一旦オマーンの壁に当たるがこぼれ球をThongkao が拾って前線のSuksomkit に繋ぎそのままドリブルシュートを放つがGK Ali Al Habsi の正面。この Ali は 2003年から3シーズンNorway の FC Lyn でプレーし2006年1月に Bolton Wanderers に移籍、まだ Premier デビューは果たしていないものの、かつての Arab Keeper of the Year そして2004年のノルウェーの Keeper of the Year を受賞。 日本戦でもワールトカップ予選で中村俊輔のPKをストップしている。 
すると今度はその Ali から送られたボールが速攻で繋がり最後は FW Bairdoorween が撃つがそのシュートは不発に終わり大サポーターの安堵の溜息が。43分再び Thongalo が前線へスルー。それに反応したKiatisak がフリーで抜けようかと言うところをオマーン DF Al Wahabi Juma が引き倒してイエローカード。既にこの試合4枚目の警告だった。観客からは大ブーイング。その直後に今度は仕返しにとばかりにタイペナルティエリア付近で Saiwaeo が オマーンの Al Hosni Amad を引き倒すがこれにはノーホイッスル。この日の主審は韓国の Lee Gi Young 氏。そして前半最大のチャンスがタイに訪れる。スルーパスに抜け出た Therdsak Chaiman がフリーで撃つがサイドネットを直撃。そのままダイレクトで撃ったが、もうワンタッチ入れても良かったか….. 結局両者無得点のまま前半が終わった。控室に戻る選手達に声援が飛ぶ。私も Kiatisak に “ ZICO !!! “ と叫ぶとこちらを向いてくれて小さく手を振ってくれた。

後半が始まるが共に選手交代はなし。そしてフォーメーション等を確認する。
タイのDFは右から Sukha Suree, Siriwong Niweat, Saiweo Katprawut, Phanrit Nataporn の4バック。初戦のイラク戦ではDF Jitsawad がスタメンであったが、この日は Saiwaiko Kiatprawut が起用。一方のオマーンは一方のオマーンは初戦のオーストラリア戦で途中出場ながら何度もオーストラリアゴールを襲った Bait Doorbeen をスタメンで使ってきた。 
タイは得意のショートパスをよく使って来る。そしてオマーンの最終ラインが前に出て来ると、大きく最前線の Kiatisak にボールを出し、背後を効果的に突く。しかし、その一方でタイのDFはどうもマークがあまい。前半終了間際には Bador Al Maimani からクロスが入るがタイGK Hathairattanalkool がキャッチ。中にいた Amad Al Hosni に付いていた Siriwong はマークが甘く、もし Amad にボールが飛んでいたらピンチだった。 オマーン攻撃陣は攻撃 Al Honsi Amad がワントッップ、2列目は右にAl Maimani Badar, 左にAl Ajmi Ismail その後ろに Al Maimani Bader を配し4人でダイヤモンド型の布陣を形成し、その後ろに3人が並ぶ。攻撃に転ずる時はその3人が加担し素早く前線にボールが運ばれるが、最前線の選手達はボールを持たない時の動きに乏しく、ボールを足元で受けるのでタイDF陣の網に掛ってしまう。それでもマークが甘いのだけど….
48分、タイは左から大きく逆サイドの Kiatisak にボールが渡りそいのまま前線に持ち込み中に折り返すとそこに走り込んだ Sripan がダイレクトで撃つが大きくクロスバーを越えてしまう。 ZICO そのまま撃っても良かったのでは..
52分今度はオマーンが右からBadar が上げたクロスをMF Ahmed が撃つがゴールを外れる。この後もオマーンの波状攻撃が何度か続くがシュートミスとタイGK Hathairatanakool のセーブに救われる。タイDF陣はマークが甘い。それでもタイは攻撃に転じると2トップが動きながらボールを受けるのでチャンスが生まれる。オマーンFW陣がこういう風に動けばもっと優位に試合は進んだだろうに。この試合中は晴れていたが気温は思ったほど上がらず、ピッチは日陰になっていたのでさほど苦しいコンディションとも思えなかったのだが。タイは Sripan Tawan のスルーパスから次々にチャンスが生まれる。Kiatisak のドリブルも効果的だが、全盛期の様な切れは今……. それでも人気者の彼にボールが渡ると大歓声が沸き起こる。タイの Chanvit 監督は59分に Therdsak に替えて Thonkanya Pipat を投入し左のトップに入れて Kiatisakと2トップを組ませる。そして Sukosmkit は2列目に下がる。66分にはオマーンがFKから最後は FAWZI が頭で触りワンバウンドしたシュートはゴールポストを直撃。タイの大サポーターは胸をなでおろす。そして67分には Kiatisak ZICO を下げて若手有望FWの Therratep Winothai を入れる。ピッチに入る若い Winothai への期待とベンチに下がるベテランZICO の労いの大歓声が送られる。Kiatisak も拍手をして観客に応え、ベンチ前では Chanvit 監督と抱擁を交わす。
そして70分、地元サポーター待望の先制ゴールが決まる。右サイド、またも Sripan のスルーがWinothai に通り相手DFを振り切る前にクロスを上げると走り込んだ Thonkanya がそのままダイレクトでオマーンゴールにけり込んだ。名GK Al Habsi も成す術がなかった。大歓声がスタジアムに沸き起こる。スタジアムの入りはもう7割近くになっていた。 みなが Thailand, Thailand と連呼する。Chanvit 監督の交替策が当たった。74分には FW Suksomkit が下がり Nutnum Suchao が入りFWを入れ替える。Nutonum は今年初めの ASEAN CUP 5試合にフル出場した24歳の選手。次々に若手が投入される。これでタイの2トップは右に Thonkanya 左に Winothai が入る。これからしばらくこの二人が代表のFWを担うのか?リードされているオマーンのカルデロン監督はまだ交替カードを切っていないけどどうするのだろう。75分オマーンに同点のチャンスが、左から Fawzi が入れたクロスをタイの Saiwaeo がかぶってしまい、ゴール前10m程の至近距離にいた Ismail に。しかし、 Ismail はその絶好機を空振りしてしまった。恐らく突然ボールが来て反応が遅れたのだろう。76分には Badar がボレーを放つが GK Hathairattanakool がセーブ。しかしタイDF陣は相変わらず簡単にシュートを撃たせる。川口なら怒っているのでは….. しかし、78分タイに追加点が決まる。中盤の空中戦で Sripan が相手DF陣二人と競り合いながらも競り勝ち前線に落すとそこには Thonkanya が,そのままドリブルで持ち込みオマーンGK Al Habsi を破ってこの日2点目。観客席はまさに狂喜乱舞。ピッチのイレブンもベンチも抱き合って大喜び、落ち着いていたのは Chanvit 監督だけか?
一方のオマーンベンチは動きが無い。交替策は講じるのだろうか? こうなればゲームはリードしているタイが一方的に押す展開に。2トップの Thonkanya, Winthai が生き生きとボールにからむ。オマーンは時折ドリブルを見せる Ahmed 以外チャンスの兆しが見えない。そしてボールが繋がらなくなり次第に焦りが。Ahmed がタイ DF Sukha を突き飛ばす。イエローが出てもおかしくなかったが。終了間際に Al Gheilani が入れたところを GK Hathairarranakool が果敢に飛び出してキャッチ。しかし背中から着地し少し痛む。でもタイDF陣ももう少しマークを厳しくしないと次のオーストラリア戦は簡単にはいかないであろう。結局ロスタイム4分を含めてオマーンは選手交代もこれ以上の抵抗も見せられず、タイムアップの時を迎えた。
スタジアムは狂喜乱舞と言うよりも静かな歓声が湧き上がる。 まだベスト8が決まったわけではないからか…. ヴェトナム、インドネシアに次いで開催国が勝利を挙げた事になるがタイがアジアカップで勝利を収めたのは1972年大会以来だがこの時は地区予選での勝利はあったが地元で開催された本大会での勝利は無く、事実上本大会での初勝利である。タイはホームゲームは滅法強いと言われているが、それでも最近のワールトカップ予選や五輪予選ではホームゲームでの勝てない試合があった。次節オーストラリア戦はどんな試合展開を見せてくれるのだろう?
そして優勝候補のオーストラリアはいよいよ次のイラク戦は負けられなくなって来た……..


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1 コメント

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第7回万里の長城マラソンへようこそ! (万里の長城マラソン)
2007-07-14 19:19:45
はじめまして、
第7回万里の長城マラソンへようこそ!
開催地:2008年五輪大会の中国北京
開催日:2008年5月1日(木)。
よろしくお願い致します。
日本語協力WEBサイト:http://www.greatwallmarathon.jp
日本語公式WEBサイト:http://www.beijingglobalmarathon.com/greatwallmarathon/jp/index.html
公式英語WEBサイト:http://www.greatwallmarathon.com.cn (今 点検中)


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万里の長城マラソン責任者
     朱 貴華
greatwallmarathon_japan@yahoo.co.jp
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