Mr.コンティのRising JAPAN

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ようやく振り返る WBC 宿敵倒してさぁ準決勝戦 !! 日本 6-2 韓国

2009-04-13 | World Baseball Classic

4点リードの最終回。 代打李晋映の打球を片岡がさばき今大会の対韓国戦を2勝2敗とした。

日本が3者凡退に終わった直後の1回裏韓国の攻撃、この日初めてスタメンマスクをかぶる阿部慎之助は外角主体の配球。それは初先発と言うよりも今季初実戦の内海の立ち上がりを気遣ってか? それとも慣れないボールに内海がコントロール出来なかったか? 

先頭打者の鄭根宇にセンター前安打を喫し、続く李容圭に送りバントを決められ、3番金賢泌にエンタイトルツーベースを打たれ先制を許す。この間わずか6球。 さらに続く今大会対日本戦本塁打を含む4安打2四球の4番李泰均を歩かせ、一昨日の韓国戦同様立ち上がりに失点を重ねるのでは??外角主体の阿部―内海の愛するジャイアンツバッテリーの立ち上がりが…と心配された。

  
   

しかし5番李大浩には強気の攻めでサードゴロ併殺打に討ち取った。昨年の北京五輪では本塁打を打たれた“残像”があるのか、今大会はこの試合の前まで対日本戦無安打ではあるが本塁打を警戒して敬遠を含む5四球を許していた。 

2試合連続韓国に先制を許した日本だがその直後の2回表、すぐに追い付く。昨シーズンは本塁打14本を放っているが .日本プロ野球史上右打者最高打率の .378 で首位打者となった横浜ベイスターズの強打者内川が1号同点ホームランを放った。初球、2球目、外角のボール球インコースを上手く打ってのスタンドインであった。第2ラウンド最初の本塁打を放った内川。昨季両リーグ最高の得点圏打率 .449 、14本塁打67打点とは言え長距離打者の印象ではない内川の本塁打は意外であった。しかし、今考えてみれば彼が昨年北京五輪に選ばれなかった方がもっと以外か??

韓国先発はヒーローズ所属の左腕投手の張洹三。2006年のアジア大会、北京五輪アジア予選、世界最終予選と続けて代表入りし、北京五輪では先発したオランダ戦では、8回を散発4安打、無四球で0点に抑え、完封勝ち(8回コールド)。中国戦でも好投し、格下相手とはいえトータルで12回1/3を無失点に抑えた。
昨シーズンは12勝8敗そしてシーズンオフ、思わぬ形で注目を浴びる。それは、三星(サムソン)へ30億ウォン(約3億9,000万円)での金銭トレードが発表されたからだ。その金額は張ウォン三の昨季の年俸、8,000万ウォン(約1,040万円)の37・5倍にもなる高額。これは、球団を維持するため、大金を手にしたいヒーローズと、左腕エースが欲しい三星の利害が一致したものだった。しかし、この移籍話にKBO(韓国野球委員会)が待ったをかける。ヒーローズは消滅した球団に代わって発足した経緯から、トレードにはKBOの承認が必要で韓国球界は、球団維持のため大物選手を「人身売買」し挙句は消滅という過去もあり、結局、このトレードはご破算となったが、これで張の評価は一気に上がったらしい。
今大会はこれまで東京ラウンドで日本がコールド勝ちした試合に3番手として登板し 2回 1/3 を投げ中島に2塁打を打たれるなど3失点を喫した。

   

同点に追いついた日本は、続く村田は初球の外角低めを逆らわずに右中間にはじき返す。岩村は 1-2 から打ってショートゴロ、第2ラウンド崔延がワンバウンドの送球、1塁手金泰均が取れずに1死1,3塁とする。 阿部は三振に終わるも9番片岡が初球外角高めのストレートをライトに打ち上げた打球が右翼手李容圭の前に落ち幸運な逆転打となった。
前の韓国戦と異なりこの試合は日本にもツキが回ってきたが、村田の打球をファンブルした中堅手の李宅根、そして崔延、金泰均といった内野手の失策はこれまでの韓国らしからぬところだった。 前の韓国戦では立ち上がりの連続失策で先制を許した日本守備陣であったが、この日は逆転直後の2回裏1死で頭部に死球を受けた李容圭の代走李鐘旭を1塁に置き3番金賢泌がフルカウントからチェンジアップをライト方向に叩きた打球を1塁手村田が軽快にさばき李鐘旭を2塁に封殺する。村田の動き、村田からのワンバウンドの送球を走者と交錯しそうになりながら上手く受け取った中島の動きが光った。
そして続く3番、昨シーズン115試合31本塁打92打点の李泰均に対し日本ベンチは内海からオリックスの小松にスイッチ。バッテリーは今大会対日本戦本塁打を含む4安打2四球の李泰均に対し変化球で攻め最後は大きなカーブで見逃しの三振をとり無得点で切り抜けた。 このイニングに失点しなかったのは大きかった。 
そして2番手小松の巧投が光った。2回 2/3 を李大浩の四球1つに抑え無安打5三振に抑えた。 ただジャイアンツファンとしては内海の中途半端なピッチング内容は少し気になるところ。 上原が抜けジャイアンツでもそして日本代表でも投手陣の中心となってほしいのだけど….

    

こうなると早く追加点が欲しい展開。 しかし3回表2死2塁の好機、内川のフルカウントからの6球目、センター前に抜けようかという強烈な当たりも、セカンド鄭根宇のファインプレーで阻まれる。7回には先頭打者の阿倍が 2-1 からチェンジアップを中堅前に弾き返し出塁。続く片岡はバント失敗もあり 2-0 と追い込まれるがファールで粘り9球目の高めのカーブを選んで1塁に歩き無死1,2塁と絶好のチャンスを迎える。しかし韓国3番手李在雨は後続のイチローをセンターフライに、そして中島を併殺打に打ち取り追加点を阻んだ。さすが昨シーズン中継ぎだけで11勝3セーブを稼いだ右腕投手だ。
6回途中から登板していた3番手の田中将大は7回先頭打者の李机浩に 0-2 からストレートを打ち返されセンター後方に飛び込む同点打を打たれた。

   

   

ペトコパークは右中間が 400 ft 左中間は 401ft センター後方は 396 ft 。変化球でストライクが入らずストレートを投じた所を狙い打たれた。続く李宅根には 2-2 からサードに大きく弾むゴロを打つ。3塁の深いところで掴んだ片岡の送球はわずかにそれて李宅根を塁に残した。 片岡は本来三塁手では無いにもかかわらず好守を見せてきただけに、ここは片岡を責め難い。
3番手投手の田中将大は登板直後から韓国の誇る長距離砲、李泰均、李大浩を変化球で連続三振に打ち取っていただけに李机浩に変化球で入ってストレートを打たれた。

    

2回に逆転してから5回を除く毎回走者を出していたが追加点の好機を逃し続けたツケがここに回ってくるのかと不安にさせられる展開であった。
ここで韓国ベンチはメンバーの中で唯一のメジャー選手秋信守を代打に送れば日本ベンチは田中を下げて左キラーのジャイアンツの左腕投手山口をマウンドに送った。 山口は初球変化球後の2球目をインコースにストレートを投じ秋信守のバットをへし折るシュートゴロ併殺打に打ち取った。山口は東京ラウンドの韓国戦では李宅根に四球を与えただけで降板しただけに準決勝戦以降に向けて、またペナントレースに向けて自信が回復しただろう。日本ベンチは続く右打者の朴基赫を迎え、山口に替えて西武ライオンズの涌井を投入。 涌井は期待に応えて朴基赫を低めのスラーダーで三振に討取り後続を断った。 山口、涌井の見事なリレーだった。特に本来先発投手の涌井には難しい場面でのワンポイントリリーフだったが見事に責任を果たした。涌井は昨シーズンクライマックスシリーズでMVPに輝いたが北京五輪では出来も今一つ。シーズン成績も北京五輪での離脱はあったが10勝11敗でチーム内の勝星数では帆足(11勝6敗)、山岸(12勝4敗)に次いで3番目。しかし今回のWBCでは西武投手陣のなかからただ一人選出された意地を見せた。

それにしても金寅植韓国代表監督は併殺に倒れた秋信守の不振というよりも“体調不良”には頭が痛いだろう。前回は李承、朴賛浩ら“海外組”がチームを引っ張っていただけに…….

8回表、韓国ベンチは4番手呉昇桓を投入する。前回のWBC,北京五輪そしてドーハのアジア大会にも選ばれた右腕投手だ。昨シーズンは39セーブを挙げて3年連続セーブ王になった。 57回 2/3 を投げて51個の三振を取った。しかしここは“適所”ではなかったせいか先頭の青木にセーフティーバントを決められ、続く城島には何と代打の稲葉が送られ 1-3 からライト前に打ち返す。エンドランがかかっており青木は3塁に進んだ。そして続く内川には左打者の小笠原が代打として送られた。ここで呉昇桓は降板し左腕の金廣鉉が登板。韓国ベンチとしても金廣鉉の復調無くしてWBCの優勝は難しいと思うところだろう。しかし日本ベンチも小笠原の打棒復帰(特に原監督は)には必至だ。 小笠原はそれまで対韓国戦8打数1安打4三振と不振だったがここは左腕、金廣鉉の外角低めのスライダーを膝を折ってライトに打ち返す勝ち越し打。1塁ベース上での喜びようが印象的だった。

  

更に続く途中出場の亀井が送り、岩村の2点タイムリーを呼ぶ。これでこの試合は決まったと言えた。北京五輪では日本キラーであった金廣鉉はこの試合もスライダー、ストレートをそれぞれタイムリー打され2失点。今大会初スタメンで北京五輪ではマスクをかぶった姜眠鍋はベンチに下がっておりベテラン朴勍完がマスクをかぶっていた。それも今大会不振に関係あるか? 東京ラウンドでは全く不振だった岩村は第2ラウンドで完全に復調。この試合は初めて7番で起用され2安打、アメリカラウンドで12打数6安打となっている。こうなればあとはイチローの完全復調が待たれる。前日のキューバ戦では最後の2打席で連続安打を放ったがこの試合ではなかなか韓国投手陣から最初の打席では 1-0 からストレートをレフトフライ、2打席目は2回2死1,3塁から初球を打ってファーストゴロ。第3打席は4回2死2,3塁から2番手李承浩に変化球で揺さぶられながら 2-2 からストレートを打ち返すもあとひと伸び足らずライトフライとブレーキになっていた。しかし最終打席は右腕投手の林泰勲の内角カーブを振り抜き右中間を破る2塁打を放ち青木のタイムリー打でダメ押しのホームを踏んだ。 これで次のアメリカ戦で完全復調してくれればよいのだけど。 

  
    

韓国最終回の攻撃は藤川が抑えて今大会の韓国戦の連敗を2で止めた。藤川が三振を一つも取れなかったのが気にかかるが…..

これで今大会の日韓対決は2勝2敗となったが共に準決勝進出を決めた後の試合で韓国側は “勝負にこだわらなかった”という内容の報道が多かった。 もし韓国が勝っていたらどういう報道をしたのだろう….. こうなれば準決勝に勝って決勝でもう一度韓国に勝って対戦成績を3勝2敗として終えてほしい…. そう強く思った。 

  

ただ途中で負傷した村田が心配になった。 横浜ファンはもっと不安だろうなぁ..... 

  
    



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