少し前の出来事ではあるが、大型連休後半初日の5月3日。私は午前10時近くまで惰眠を貪っていたがとうとう
“洗濯物が干せないから”
と家内の一言で起こされ、けだるい体を引きずり近所の公園に愛犬の散歩に出かけた。外は絶好の行楽日和。小一時間ほどの散歩から帰るや否や
“明日(5月4日)実家のみんなとバーベキューに行くんだから車を洗って来て”
との命令。そう言えば愛車の MAZDA Demio も随分と洗っていないなぁ、と朝食、いや格好良くブランチ、もそこそこに近所の洗車場に向かう事に。すると
“たまにはこの子も手伝わせてよ。いつもゴロゴロゲームばかりしているんだから。”
と、今度は息子がいやいや車に乗り込む事になった。車中では親子の会話。
“ママうるさいなぉ”
“でもパパいつも負けてんじゃん。”
“やかましわ。それはパパとママの問題。今日は友達と遊びぃ行くんかぃ?”
“いや、今日はサッカー見る。”
“なんかやっとったけぇぇ?”
“2時からマンチェスターユナイテッドとミランの試合がある。それ見るから家にいる。”
おっとぉぉぉぉぉぉぉぉ そうじゃった~ 日本時間の3日早朝に終わったUFEA Champions League の準決勝 2nd Leg がこの日は録画放映されるのであった。危うく洗車が終わったらネットで結果を調べるところであった。こう言う時は結果を知らずにテレビ観戦をするに限る。さすが我が息子。6年生にもなるともなるとちがうのぉ.. 洗車場に着くと首尾よく1台分だけスペースが空いている。これはついとる。連休初日は親子の洗車で始まったが、カーボディーを拭く手つきも二人で軽やかに?小さな愛車を磨き上げて帰宅。車を見るなり家内は
“あら随分奇麗になったじゃないの?今度も二人でお願いね。”
“アホぬかせ。でも車内も掃除機をかけたのだぞ。”
と自慢にならない自慢もしておいた。 しかし、小学校6年生の息子は現金なもので友人から誘いの電話が掛ってきて、
“やっぱり俺遊んでくる。”
“はぁ?サッカーはどないすんねん??”
“あぁ。パパ録画しておいて。そして俺が帰るまで見ないで、見ても結果は絶対に教えないで。”
亭主の威厳、父親の威厳丸でなしだ。 仕方がないので録画をセットし、息子が帰って来るまで結果を知ってしまわないようにせねば。最近は日本のニュースでも UEFA Champions League の結果くらいならすぐに報道してしまう。昔はサッカーなんか何にも取り上げなかったくせに。当時 Champions Cup の結果を知るのにどれだけ苦労した事か?? なんて思いながらタイマーをセットし、この試合の録画ビデオを見始めた夕飯時までテレビやラジオを避けながら過ごした。
初戦のオールドトラフォードでは終了直前、ルーニーの劇的なゴールで勝利を収めた Manchester United だが、むしろ2失点した事が気になった。ホームの AC Milan はマルディーニに替ってグルジア代表のカハ・カレーゼが替わってCBに起用され、中盤は一人減らして左からアンブロッシーニ、ピルロ、ガットゥーゾの3人で構成。トップ下にゼードルフを上げてインザーギとカカーの2トップ。前の試合で1トップを務めたジラルディーニョはベンチ。一方の Manchester United はフランス人DF パトリスル・エヴラが累積警告で出場停止なので4バックの左サイドはアルゼンチンDFアインツェがCBから左にずれてセルビア人DFビディッチが起用されブラウンとCBを組み右サイドにはアイルランド人DFオショーが。そのDFラインの前にはキャリックとスコットランド人MFフレッチャーの二人がボランチを組み、ルーニーのワントップにギグス、Cロナウドが2列目そしてスコールズがひとつ前に上がり前線の“底”に。この日のサンシーロはテレビ画面を通してもわかるほどの大粒の雨。
“すげぇ。大雨じゃん”
とは息子の第一印象。
“どっちを応援するんだ?”
と訊いてもこの両チーム、そして何の試合なのかは全く知らなかったので一通り UEFA Champions League を説明すると、
“じゃぁマンチェスター”
と即答した。息子はここ1か月彼は中古で買ってやったゲームソフト “2006 FIFA ワールトカップ ドイツ大会“にはまっており、お気に入りは日本代表とイングランドだ。日本にはまだ中田英寿がおり、イングランドにはベッカム様が堂々とレギュラーで起用されている。試合が始まると家内はそっちのけで父子でビデオ観戦。彼女は一人で
“折角の休み初日なのにつまんなぃ”
と言い始めた。その1回目の “つまんなぃ” の直後の開始1分、カカーが高速ドリブルで中央やや左を驀進、この日起用されたビディッチを振り切ってクロスを送るが惜しくも走り込んだインザーギ、ゼードルフに合わない。
“うわぁ、はぇぇぇ~。だれこいつ??”
“カカー。ブラジル代表や”
“あぁ。知っている。(ゲームソフトの)ブラジルでも出てた。へぇぇ?ブラジルの選手がイタリアでするのかぁ。”
そうか。この子は南米のトップクラスの選手は殆ど欧州のクラブチームでプレーする事をよく知らないのだった。よしよしこれからじっくり教えてやるぞ… その直後にはゼードルフのミドルが飛びGKファン・デル・サルがパンチで弾き出し、その後、右サイドバックのオッドからのクロスに今度はカカーがジャンピングボレーシュート。ボールはGKファン・デル・サルの正面に収まる。その度に息子からは
“うわぁぁ~”と歓声が。そして家内は“あぁつまんない”と。ゼードルフ、ファン・デル・サルはオランダ代表の選手で昔はオランダのクラブ ( Ajax ) で同僚だった事も説明したら。
“よし、こんどオランダと試合をしよう。”
おいおいオランダとまだ対戦していないのか?欧州でも列強だぞ。よしよし後でゆっくり説明を……と思った11分。Milan に先制点が。後方からのロングフィードをゼードルフが頭で落とすとそこにカカーが走り込む。そしてビディッチが追いつく前に放ったショットはManchester ゴールネットに吸い込まれた。これで Manchester は最低でも点を取らねばならない事を息子に説明。
“でもルーニーがいるから”
とは彼の解説。ゲームでのルーニーはお気に入りで彼のイングランド代表ではツートップはオーウェンは外してもルーニーは外さない。一時は Jコールと2トップを組ませていた。理由は
“Jコールはよく点を取るから。”
よしよし今度パパが英語でマクラーレン監督に手紙を書いてやろう….. 低迷を打開するかもしれないぞよ。押されていた Manchester は20分にギグスがドリブルシュートを放つが、なかなかルーニーにボールが出ない。Milan の両サイド、特に左サイドバックのヤンクロフスキの押し上げが早く、 Manchester は2列目とその後ろが分断されている感じ。たまにルーニーに繋がってもネスタ、カラーゼのディフェンスがしつこい。効果的なのはCロナウドのドリブル突破のみ。それでもCロナウドがドルブルで上がるたびに息子は
“いけ、いけ。はぇぇなぁぁぁ”
と感心する。しかし30分には Milan が追加点を挙げる。 Manchester DF アインツェが自陣ゴール前でボールをビディッチに渡すがビディッチは濡れたピッチに足を取られて転倒。そのこぼれ球をピルロが拾い、右サイドから追いすがるアインツェをかわしてクロスを入れる。一旦はビディッチがヘッドで撥ね返すがそれがゴール真正面に待ち構えていたゼードルフの足下に。ゼードルフがオショー、ビディッチのタックルを交わして撃ったシュートはかつての僚友ファン・デル・サルを破って追加点を決めた。
“だめじゃん。こんなミスしたら。”
思わず息子が口に出す。試合後、この試合に起用されたビディッチの心境はどうなのだろう。 試合は2-0 のまま前半を終えたが、 Manchester はどうやって後半2点以上を挙げるのだろう?
“つまんなぃ”を連発していた家内の前にはキリンラガービールの350mlの空き缶が既に4本開いていた。残るラガーはあと2本。こちらも足りるかなぁ….. 後半に続く。
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