Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

日本戴冠 !! これからの日豪対決は... Japan 1-0 Australia 後半

2011-02-04 | Football Asia

両チーム選手交代のないまま始まった後半もオーストラリアの攻勢で始まる。
48分、右サイドを上がった Wilkshire に Holman からボールが渡りファーサイドに上げられたクロス、それとも直接狙ったか、Cahill が飛び込むがクロスバーに当たりそのまま真下にこぼれたところを更に Kewell が詰める、吉田と長谷部が必死に掻き出し Kewell がゴールインをアピールするがウズベキスタン人のイルマトフ主審はノーゴールの判定。

   

   

Soceroos, Aussie サポーター達にとっては先制ゴールと思った瞬間だっただろうがリプレーが映し出されたがゴールラインは完全に越えていなかった様だった。 ピッチサイドの Osiek 監督はしきりにロングボールをもっと入れろと指示を出している様だった。
53分に Zaccheroni 監督はピッチサイドに岩政を送り出すが、今野がバツ印を出している。この時点では今野が怪我をして交替を欲しているのかと思ったけど試合後、チームはまだアンカーに人を入れなくて良い…という意味だったらしい… こういうやり取りが出来ること自体代表はずっと進化しているんだなぁ…と思った。
そして56分に岩政が投入された時にピッチを後にしたのは HF の藤本だった。
香川離脱後大舞台にスタメン抜擢された藤本だったが向こう側のサイドから手を叩きながら退場して行ったが攻め込まれる時間が長く、ボールを受ける回数は限られただろうなぁ…
だがこの交代から日本は劇的に試合内容が好転する。岩政がCBに入り今野が左SBに移り長友が中盤の左サイドに上がった。それにより長友のサイド攻撃が更にオーストラリアに脅威を与えオーストラリアの右サイドからの攻撃が全くと言っていいほど見られなくなった。
62分には長友からパスを受けた岡崎が前田に送りシュートに持ち込むがここは Ognenovski がカット。65分36秒には長友がサイドを上がり送ったセンタリングを岡崎が走り込んでダイレクトでシュートを放つが惜しくもポストの右に外れて行った。
もう少し左に転がってくれたら名手 Schwarzer は完全に反応出来ていなかったので先制点だったんだけどなぁ…
しかし約5分後の71分13秒今度はまたもこちらがヒヤリとさせられるシーンが、真中で Cahill がボールを受けそこに吉田がマークに入るが Cahill は上手く左前方の Kewell に浮球を送る。 Kewell には岩政がマークに付いたがバウンドを利用して身体を入れ替えたKewell がフリーで抜け出し GK 川島と 1対1になる。そして川島の出鼻を左下を狙ってシュートを放つが川島が右足でストップ。Aussie サポーターはこの日2回目に大きく天を仰いだ瞬間だっただろう。

オーストラリアベンチは65分に Holma を下げてEmerton を投入。スタメン落ちした 185cm のEmertonは意地を見せたいのか前線でくさび役になったり自らドリブルで持ち込むなど積極的に攻撃に絡む。 78分には Luca Neil から Jedinak を通じてボールを受け右サイドを突破しゴールラインぎりぎりのところで折り返すとそこにKewell が走り込むがここは吉田と岩政が Cahill を挟み込むようにマークしシュートを許さない。

  

86分 にはまたも Kewell が今度は右サイドで抜け出してフリーで日本ゴールに迫るが最後のドリブルが少し大きくて身を呈して止めに言った川島がしっかりと掴んだ。  Kewell この日2回目の1対1だったけど共に川島に止められた。
オーストラリアは80分頃からサイドからのクロスが上がらなくなりそして後方からのロビングも正確さが落ちていた。前線の2人特に Cahill の動きに膝の調子が悪いのか切れが無くなっていた。頼みは途中出場の Emerton からの起点そしてドリブル突破となっていた。
2分あったロスタイムを過ぎても両チーム得点は上げられず延長戦に入った。 Asian Cup の延長戦は 1988年、同じカタール大会のサウジアラビア vs 韓国戦以来でこの時はPK戦までもつれこみサウジアラビアが大会2連覇を飾った…

オーストラリアのキックオフで始まった日本は準決勝戦に続いての延長戦。 Socceroos は主力選手が30歳前後になっており共に体力勝負そして交代選手を含めたベンチワークの戦いになると思った。そして試合時間が無くなって来ると文字通りパワープレーを掛けて来られフィジカルの差が出て来るか…と少し心配になった。 98分日本ベンチは2人目の交代選手李忠成を準備する。だれと交代かと思うとワントップの前田との交代だった。韓国との準決勝戦でも延長後半にピッチサイドに立ったけどその直後に長谷部が故障して交替出場はならなかった。韓国戦という事で忠成は出たかっただろうに…

100分49秒、内田が倒されボールがこぼれたがホイッスルが鳴らず Cahill が拾って Emerton に繋ぎ左サイドを上がった McKay に送ると McKay がゴール前に上げたボールを川島がキャッチしようとしたところを Cahill が身体をぶつけて来る。
ホイッスルが鳴ったけど当然出るものと思われたイエローカードは出なかった。
101分50秒には中盤でボールを受けた McKay が岩政がマークに来る前にワンタッチで前方の Kewell に送るとマークに入った内田をハンドオフで倒して右から切れ込んだ Emerton に送ると今野がマークに入る前に Emerton はシュートを放つ。
この直後オーストラリアベンチは動きの落ちた Kewell をついにベンチに下げて若い Kruse を投入する。 自身3度目の日本戦で恐らく対日本戦最高のパフォーマンスを見せただろうがゴールを上げる事は出来なかった。

   

103分17秒、入ったばかりの Kruse が左サイドでEmerton が右から上げたクロスをヘッドで狙うが、ゆっくりと日本ゴールに向かった弾道は最後は川島が一杯に伸ばした右手で掻きだす。 これが入っていれば翌日のオーストラリア紙は“世代交代”の見出しが躍っていただろう…
104分45秒にもCKからのこぼれ球を拾って McKay が強烈なミドルを放つがクロスバーを越えてくれた。延長前半終了間際に長友のドリブル突破から最後は本田がほぼ正面から狙いすましたミドルを放ったがポストの左に外れて行く。韓国戦でもそうだったが長友の無尽蔵のスタミナは陸上の中長距離でも通用するだろう…とこの時思った。だけど延長前半もオーストラリアが日本ゴール前に迫るシーンが多かった。

 

延長後半が始まる前に両チームの選手達が示し合せた様に水分補給をして休息をとる。本当はインターバルはないのだけどイルマトフ主審も特別試合再開を促す様子も無かった…

そして試合再開5分後の120分、ついに決勝点が決まる。左サイド長友からの素晴らしいクロスをフリーで待ち受けた李忠成が完璧なボレーを Schwarzer が守るオーストラリアの右側に豪快に叩き込んだ。こればかりは Schwarzer も弾道を見送るしか出来なかった。

  

    

忠成のボレーも素晴らしかったが長友のクロスそしてクロスを上げる動きが素晴らしかった。最初に本田からボールを受けてサイドを上がった時は CB の Lucas Neil がマークに付いた、長友は一旦は後ろの遠藤に下げ、今野にまでボールが戻されたが、再び遠藤から戻ってきたボールを受けると左サイドをドリブルで上がり次にマークに着いたサイドバックの Wilkshire を振り切り矢の様なクロスを待ち構える忠成に送った。最初に長友を Neil が対応している時から忠成は中央やや右に上がってクロスを待っていたがオーストラリアDFは彼を全くケアーしていなかった。本来は David Carney がマークをせねばならなかったのだか疲労と元来が攻撃的な選手だった事が忠成をフリーにしてしまったのだろう…
李忠成も2007年五輪予選のドーハでのカタール戦に先発出場して67分で退いている。あの時決められなかったゴールをこの試合で決めてくれた。
狂喜乱舞する Samurai Blue イレブン、対照的に座り込んでしまう選手もいた Socceroos …

しかし時間はまだ10分残っていた。5年前はラスト8分で3失点を喫した。オーストラリアが同点に追い付けば Socceroos 達はまた生き返る…そして韓国戦の悪夢も思い出す。 だが試合再開直後に今度は Cahill が下がって MF Kilkeny が入り中盤に入り Emerton がワントップに入る。 オーストラリアはこれで2トップが退いた事に。
最後の交替の1枚を DF 選手だけど 193cm 長身のSpiranovich または FW McDonald を入れられるのが怖かったのでこの人選には少し胸をなでおろした。

111分25秒 岡崎がオーストラリアゴールに迫ったところをMckay がバックチャージで倒してイエローが出される。絶好の位置のFK,時間を懸けて遠藤と本田がボールをセットする。デンマーク戦の様に遠藤が….と思うが右上隅を狙った遠藤の直接FKを何と Schwarzer は大きな掌でキャッチ.。彼の凄さを見せつけられた。
115分Wilkshire のCKから Ognenovski が長谷部と吉田と縺れながら放ったヘッドはGK川島の正面だったがそこに Jedinak が肩からぶつかって来る。だがイエローは出ない。 117分オーストラリアは WIlkshire のCKに数人の選手がなだれ込み川島がぶつかられて倒れるがノーホイッスル。この日のイルマノフ主審はPA内でのハンドやこう言ったプレーにはかなり寛容だった。

119分内田を下げて伊野波を入れる。韓国戦の様に5バックになるなよ…と思うがここはDF同士の交代。そしてロスタイムに入り119分45秒最後の力を振り絞って日本ゴールに迫るオーストラリアは Kilkeny が日本ゴール前にボールを放り込むが McKay の前に入ってクリアーに入った岡崎の手に当たりハンドを取られる。ゴール正面、絶好の位置でのFKだったが幸運にも Kewell も Cahill もベンチに下がっていた。 誰が蹴るのだろと思うと Carney が直接狙ったFKは壁にそのまま当たり、こぼれ球を拾って何とかクリアーをすると 122分ついに試合終了のホイッスルが鳴り、8年振りのアジア王者のタイトルを奪還した。

試合に勝って嬉しかったが内容は2006年ワールドカップの時の様に押されていた。

敗れたオーストラリアは若い選手が出て来た反面肝心なところで頼れるのは前のワールドカップメンバー…結果と今後の課題残した。 ( だけどこの課題は今に始まった事ではないけど )

    

日本は大会への準備が全くと言っていいほど出来ない中での優勝だった。7月の南米選手権が楽しみになって来た。
楽しみと言えば4年後の Asian Cup はオーストラリア開催だ。オーストラリア大陸は私の庭だ。その時まで身体がしっかりと動く事を祈るよ。

そして大会が終わって約一週間が経ち、長友のインテルへの移籍やポスト Asian Cup の話題も尽きないようだけど、私の睡眠不足はまだまだ解消されないままだ……

だけど次の豪州出張が楽しみでもある…


日本戴冠 !! 日豪新時代になればいいなぁ… Japan 1-0 Australia 前半

2011-02-04 | Football Asia

日本列島は Asian Cup の快挙がまだ冷めない。
決勝ゴールを決めた李忠成は今や時の人だ。
ワールドカップで好成績を残し、学生、若手主体のメンバーで臨んだアジア大会で優勝。(なでしこも優勝して男女アベック優勝。)そして Asian Cup タイトル奪還。
政治、経済で出口の見えない閉塞感漂う日本列島でサッカー界が次々に国民の前に見せてくれる快挙の連続こそ抜本的な解決にはからないが人々の顔を上向きにしてくれる明るい話題である事は間違いない。全てのスポーツに於いてこの様に発展してくれることを願う…
Asian Cup のタイトルを欲していたのは当然日本だけでは無い。決勝戦の対戦相手オーストラリアもそうだった。エース Harry Kewell はLiverpool 時代に FA Cup, UEFA Champions League のタイトルを勝ち取ったけど Green and Gold のユニフォームを着た時の最高のタイトルは…2004年の Oceania Nations Cup らしい…
昨年 AFC Women’s Asian Cup ではオーストラリア女子代表こと Matildas が見事に優勝。今大会は Socceroos もアジアのタイトルを勝ち取り男女そろってアジアの頂点が大きなモチベーションだったとの事。 この6年間で激増した地元サポーター達は我らが Socceroos がワールドカップに次ぐ大会で優勝する事を望んでいたのだ。それは“サッカーファン”が日増しに強くなる“市民権の獲得”を誇示出来る機会であったからだ…

注目の決勝戦。オーストラリアはOsiek 監督口約通り左HF に McKay を、そして香川の離脱した日本は藤本をそれぞれスタメン起用した。 

 



                 GK 1 Schwarzer 194 / 85
                     ( Fulham )

3 Carney 180/70   6 Ognenovski 195/95   2 Neil 185/80  8 Wilkshire 178/71
   ( AZ )         ( 城南一和 )      ( Galatasaray )   ( Dynamo Moscow )

      16 Vareli 175/70               15Jedinak 189/88
        ( Sassuolo )                 ( Genclerbirligi )

   17 McKay 171/69                      14 Holman 177/72
      (Brisbane )                            ( AZ )

       4 Cahill 178/65                10 Kewell 180/77
        ( Everton )                   ( Galatasaray )

                  11 前田 183/80
                     ( 磐田 )

  14 藤本 173/69       18 本田 182/75         9 岡崎 174/76
     ( 清水 )         ( CSKA Moscow )           ( 清水 )

        7遠藤 177/70 17               17長谷部 177/65
          ( G 大阪 )                   ( Wolfsburg )

     5長友 170/68      4 今野 178/73        22 吉田 187/81    6内田 176/62
      ( Cesena )           ( FC 東京 )            ( VVV Venlo )      ( Schalke 04 )

                                       GK 1 川島 185/80
                                               ( Lierse )

 


              
前の Asian Cup の日豪戦出場経験者は日本では遠藤1人に対してオーストラリアは GK Schwarzer, CB Neil, DF Davis Carney それに Cahill, Kewell。他にベンチスタートの Emerton, 4年前出番は無かったが今回スタメンなのが Holman だ。そしてCahill, Valerri, Holman Neil , Schwarzer らが2009年2月に横浜で行われたワールドカップ予選でのスタメンだった。
それにしても欧州のクラブチームがよく選手を離してくれたものだ....

日本のキックオフで始まった決勝戦。開始51秒で Kewell がミドルシュートを放った。このシュートはおそらく本人も決まるとは思わなかっただろう距離からのゴロのシュートだったがイラク戦で見事に決勝ゴールを決めたエースの“この試合も決めてやる。”と云う強い気持ちの表れだっただろう。そのシュートに象徴される様に前半はSocceroos が攻勢をかける時間が長かった。1分20秒には左の Vareli から中に切れ込んだ McKay に渡りそのままシュートを撃たれるがポストの左に外れて行く。7分にはカウンターから Kewell がドリブルで日本ゴールに迫るがここは今野がマーク。  15分22秒には 攻撃参加した Ognenovski のヒールパスを受けた Wilkshire がマークに入った長友の股間を抜くセンタリングをゴール前に送るとそこに Cahill と Kewell が走り込むが何とかコーナーに逃れ、 McKay が入れたCKを今野に競り勝った Cahill がヘッドで前に送り今度は Kewell が頭で合わせるが何とかGK 川島がクリアー。 
 
27分 McKay からボールを受けた Kewell が Cahill にスルーパスを送るが吉田がマークに入りシュートは撃たせなかった。
オーストラリアの攻撃は至ってシンプル。ボールを拾うとすぐに前線の Cahill か Kewell を狙って直接ボールを放り込む。受ける方は 178cm の今野の方に寄って受けようとする。対日本戦通算4ゴールの Cahill は滞空時間の長いジャンプ力で日本DF陣を圧倒する。 そのロングボール攻撃が効果的なので日本のMFそして遠藤、長谷部がなかなか押し上げられず攻撃陣をサポートできない。Socceroos 達のロングボールがこれだけ正確とは思わなかった。かつて正確なクロスやロングボールを上げられるのは Bresciano だけだと思っていたが両サイドハーフの Holman と McKay のみならず 右SB の Wilkshire ボランチの Valeri もどんどんクロス、ロングボールを入れて来る。…オーストラリアが対日本戦を2トップで臨んでくるのは 2007年の Asian Cup の時くらいだった。あの時は Viduka と Aloisi の2トップだったけど今回の Kewell と Cahill の2トップは、より得点力が高そうな気がした。
また日本が攻撃に転じても DF と MF の2ラインがブロックを形成してシュートに持ち込ませない。それは一昨年のワールドカップ予選でも同様で今回も予想できたが、今はボールキープ力のある本田がいるからチャンスは多いと思ったが本田がボールを持つと Jedinek を初め、2人、3人と寄って来て周りを囲む。 ただ本田がボールを持つとスタジアムから歓声が沸き上がり、例えマークが着いても振り切ってドリブルで上がると更に大きな歓声が上がった。それだけ彼は大会を通じて注目をされていたと言う事か…それだけに香川の離脱が痛かったなぁ…と思った。

 

そしてオーストラリアの攻守の切り替えの速さも意外だった。前半日本のもう一つの攻撃の起点は長友だった7分59秒には Wilkshire を振り切りクロスを上げるなど韓国戦に続いて左サイドを駆け上がり大奮闘だった。サイド攻撃と言えば右サイドの内田にも期待が掛かっていた。相対する Carney は守備にはやや難のある選手。むしろこちらのサイドから攻撃の起点が多く作られるかと思ったが左HFの McKay そして押し寄せる2トップのケアーに腐心させられたのか相手左サイドを崩しての攻撃はあまり見られなかった。今大会の McKay は大いに A-League の存在をアピールしたに違いない。
守勢に回る時間の長かった日本は36分、岡崎からボールを受けた本田からPA内に走り込んだ遠藤にスルーパスが出てワンタッチで戻したところを前田がシュートに持ち込むと言う見事な連続攻撃を見せたが、前半に Socceroos サポーターを震撼させたのはこのシーンだけだった。あとは8分30秒に前にボールを蹴りだそうとした Schwarzer が芝生に足を取られ転倒し蹴り損なったボールが長友に渡り転倒時に膝を痛めて Schwarzer が戻れない無人のゴールに長友はそのまま蹴り込んだが弾道はゴールを外れフォローに戻った Carney がゴールインした場面….くらいだった。 前半は両者無得点で終わったがその差は平均身長差 ( オーストラリア 182.9cm 日本 178.6cm ) 以上に感じさせられた前半だった。それにしても Socceroos はこんなに強かったのか…

        

後半に続く....