Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Socceroos の挑戦 大敗後の監督コメントから

2010-07-28 | 夏季五輪

Pim Verbeek says the buck stops with him after Australia’s Durban nightmare
The Australian
Socceroos の Pim Verbeek 監督は Durban の惨劇に巻き込まれた自軍の選手達を非難する事を拒否したが Rustenburg で行われる勝たねばならない次のガーナ戦で再び選手達のファイティングスピリットを再構築する事を期待した。
“試合前のゲームプランは大変明らかだった。結果を得る為には前線でペースを握る事だった。監督として常に責任を負う。それがシンプルな役割だ。私がスタメンの11人を最終的に決めた。そして戦術を準備したのも私だ。だから選手達を決して非難しない。常に鏡の中の自分に良い決定をしたかを問うている。私の責任を認めるのに何ら問題は無い。だから私は決定を降し責任を負う監督だ。”
しかしながら Bresiano, Kewell そして Kennedy らを起用しなかった事には何も悪びれず、週末の試合でこの3人を起用する事もまだ示唆していない。
“誰も我々が彼ら3人をフィールドに送れば勝利を得られるとは保証できない。 我々は世界の強豪を相手にしている。だから得点出来なくても困惑はしない。 Bresciano と Kennedy は大会前の親善試合2試合でよくなかったそしてトレーニングでも充分良い出来ではなかった。この時点でフィールド上に立つ選手はより良い選手ばかりだ。それが事実だ。今、我々はガーナを破るベストなスタメンを探す為に6日間の時間がある。次の試合が決勝戦だ。我々が正しいスピリットを持っている事を示さねばならない。” 

Complete, utter disaster for Verbeek and Socceroos
Sydney Morning Herald
Soccroos そして少なくとも我々が自分達の代表チームのメンバーと認める選手達の賞味期限は過ぎてしまった。その証明としてドイツから責めさいなまれた football lesson が手渡された。それは疑う事も無い。充分過ぎるほど、ドイツは良いチームだった。大変良いチームだった。しかしただ単に試合のパターンやスコアーが示すだけではない重要視されるメッセージがあった。
何年かに亘りドイツ代表の Joachim Löw監督は意識的な世代交代を決めた。 
ベテラン守備陣を温存した Pim Verbeek の意識的な決定は何も決定できなかった。 さもなくば少なくともこのドイツ戦まで戦術や選択は絶望の匂いがしなかった。
この日のメンバーでオーストラリアの最年少 Carl Valrei よりも年上の選手はドイツには4人しかいなかった。ゲームケーカーの Michael Ballack の不在は Nationalmannschaft の平均年齢を下げさせた。そして経験不足が不利を招くのではと危惧した人達もいた。
しかしドイツ人達は Ballack の不在にひるまなかった。むしろそれから解放された。 ドイツチームは試合時間が過ぎるにつれてオーストラリアに屈辱を与え出した。25分間で2ゴールを奪い完全に試合を支配した。ワールドカップ試合よりも準備試合の様に。 多くのスペース、豊富な運動量、大きさ、強さそして技術。全てがとてつもなく素晴らしかった。
Mark Schwarzer の前半の2失点は共にとがめられるものではなかった。しかし何も違いをつくれなかった。ドイツは穴だらけの中盤、戦術、そして守備陣に群れて前半だけでもリードを2倍に出来るはずだった。Socceroos は醜く、ドイツは美しかった。印象付けらる事は不可能だった。質もエネルギーも縦横無尽な動きも認めないわけにはいかなかった。
これまでのワールドカップの試合の中で最も一方的だった試合で Soccreoos には慰めの言葉はない。誰にも。特に通常レベルのフラストレーションながら激情した Tim Cahill には。確かにレッドカードは早すぎる判定であったが。そして確かに大舞台の最初の試合を台無しにしてしまった、全く完全に台無しにしてしまった
Pim Verbeek にも同情出来ない。いくつかの理由から、彼はこの試合を、他ならぬこの試合を自分のラインナップで自分のフォーメーションを試した。 4-4-2 と云う Richard Garcia を Cahill と共に前線に置き、Culina を中盤の左にシフトしたギャンブルは逆効果で最悪の結果を招いた。オーストラリアのワールドカップの挑戦はあと6日残っている。セルビアを破ったガーナはあまり猶予をくれないが名誉挽回のチャンスは提示している。



ドイツもさることながらオーストラリアのスタメンもややサプライズだった。
Cahill と Garcia の2トップと云うよりも Cahill のワントップだった。2009年2月と6月の日本戦でもそうだった。それ以上に Culina をボランチに置かずに左サイドに置いたのは対峙するドイツの右サイド Müller とÖzil 対策だろう。しかし Chipperfireld が何度も置き去りにされた。 さらに Grella の調子が悪くDFラインは何度も紙の様に破られた。それでなくても高齢化したDF陣はドイツの早い縦の動きに振り回されっぱなし。Neil でさえ相手を掴まないと止められない事が。所属先が今は決まっていない
Moore は明らかに真剣勝負の試合感覚が欠けていた。 
スタメンの平均年齢差がこんなに違うのはワールドカップ史上初めてだったらしい。ワールドカップ予選で日本がなかなか破れなかったオーストラリアDF陣は今から考えれば内田、長友らでどんどんサイドを縦に縦に突けばよかったのではと思った。 Cahill が退場になった事で怪我からの回復が心配されている Kewell は次戦まで温存と云う事になったらしいがそれでも64分に Garcia に替って投入されたのが Nikita Rukavysya で 78分に Brett Emerton に替って入ったのが Mile Jedinak とはちょっと不可解だった。
守備を固めるなら Beachamp , Miligan らがいたのに、攻撃なら Kennedy, Bresciano もベンチにいた。散々突破され続けた Chipperfield に替って David Carney を入れても良くは無かったか? この試合終了後にもっともショックだったのはアジアと欧州の列強の違いだった。 こんなにまだ差があったのか、と。アジア代表がまだまだドイツを相手にするにはまだまだ早いよ、と高い位置から言われたみたいだった。

ドイツ戦の選手評価は下記の通りだった。


MARK SCHWARZER: 5 , LUKE WILKSHIRE: 6. CRAIG MOORE 5 LUCAS NEILL 3. SCOTT CHIPPERFIELD 3. VINCE GRELLA 4. CARL VALERI 5. BRETT EMERTON:  7. TIM CAHILL 4. JASON CULINA 4. RICHARD GARCIA 6.

Substitutes: BRETT HOLMAN 5. NIKITA RUKAVYTSYA 4. MILE JEDINAK No rating.

サプライズスタメンだった Garcia そして Emerton の採点がよかった。DF陣の採点が悪いのは当然だろう。 ただ Neil の採点は厳しすぎると思った。 Moore は最高でも4点ではなかったか....     

ガーナ戦、セルビア戦に続く


Socceroos の挑戦 初戦ドイツ戦大敗 

2010-07-28 | 夏季五輪

日本時間の6月24日早朝。目が覚めた私はテレビを点けた。
遠く南アフリカ  Nelsprit で行われている Australia vs Serbia の試合を見る為に。 スコアーは 2-0 でオーストラリアがリード。この時は同時刻に Johanesburg で行われていたドイツ対ガーナがどうなっているかは全く解らなかったけど、オーストラリアが決勝トーナメントに進むには2点差では不十分な事だけは解っていた。少なくとも3点差にしないと…と思っていたら Serbia がゴールを決めて 2-1 と1点差にしてしまった。 Zoran Tosic のシュートをGK Schwarzer が弾いたがそのこぼれ球は Marko Pantelic に足元に弾みそのままオーストラリアゴールに蹴り込まれてしまった。
残り時間は6分。この時点でSocceroos の決勝トーナメント進出の可能性はほぼ潰えてしまった。
その一方でセルビアに可能性が出て来た。引き分ければ1次リーグ突破が見えてくる。俄然セルビア選手達の動きが活発になった様に見えた。それでも Kennedy が  相手DFと競りながら惜しいシュートを放つ。
そして終了間際に得た CK 。 Milan Jovanovic が入れた CKを Nemanja Vidic と競った Cahill の手にボールが当たった。あぁハンドか..と思ったけどウルグアイ人の Larrionda 主審はホイッスルを吹かなかった。 セルビア人選手達が激しく抗議す
る。これまでの2試合、 Socceroos 達には厳しい判定ばかり降していた今大会の審判団だったがこの瞬間は主審が神様に見えたサポーター達は多かっただろう。
気を取り直して Serbia は攻撃を仕掛ける右サイドを突破し最後は逆サイドでフリーの Pantekic に送られるがオフサイドの笛が鳴る。
その直後カウンターから Jason Culinaが左サイドからシュートを放つがGK Vladimir Stojkovic がブロック。 そしてそのまま試合終了のホイッスルが鳴った。
ドイツが 1-0 でガーナを降し、ドイツとガーナが決勝トーナメント進出を決めたとアナウンサーが言っていた。セルビア選手達が審判団に詰め寄る。さっきの Cahill のハンドに就いてだろう。Radomir Antic 監督が止めに入りに来る…と思いきや彼も抗議に来た見たいだった…
オーストラリアは前回同様勝点4を挙げながら今大会は得失点差で及ばなかった。

“Socceroos はプライドを持って帰国できるんじゃないか?”
試合終了直後にオーストラリアの友人に text を送った。すぐに返事が来た。
“ I agree. ドイツ戦が全てだった。”“それと主審も。 Cahill, Kewell “ “ その通り。”
そして最後に Good Luck Today と日本のデンマーク戦の健闘も祈ってくれた…
そうか、今日はデンマーク戦。試合に備えてもっと寝ておくべきだったかな……

今大会の楽しみの一つはオーストラリアがどこまでやれるか。
Group D の巷の予想ではドイツが絶対の本命でガーナ、セルビアが対抗馬として続きオーストラリアは大穴の存在であったがアジア地区予選を圧倒的な強さで突破し欧州のリーグでもレギュラーを張る選手が中心のこのチームは例え死のグループと呼ばれる組であっても1次リーグ突破の可能性は充分にあると思っていた。
日本対カメルーン戦の前に行われたドイツ戦が楽しみで仕方が無かった。 
ドイツは Klose が怪我で出場で危ぶまれていた。 Ballack も怪我でメンバー入り出来なかったのでオーストラリアのチャンスは大いにあるはず....だった。

試合は開始直後オーストラリアが最初の決定機を迎えた。 Luke Wilkshire の CK からCahillの放ったヘッドは Lucas Neillに当たってしまったがリバウンドを拾った Richie Garcia が強烈なシュートを放つ。その先にいた Philip Larm がブロックしゴールには至らなかった。幸先のいいスタートと思ったがそれはドイツ猛攻の序曲に過ぎなかった。




8分には Jason Culina があっさりÖzil に振り切られ Thomas Müller にスルーパスが出される。Müller がゴロで折り返すと逆サイドでフリーでいた Lukas Podolski が放った強烈なミドルがGK Schwarzer の手を弾いてゴールに吸い込まれ先制点を挙げられてしまった。




そして26分には Lahm のクロスを Klose が Schwarzer が触る前にヘッドで押し込み追加点を挙げた。何だ Klose 好調じゃないか.... と思ったのは私だけでなく数多く現地に馳せ参じた Aussie サポーター達も同感だっただろう。

この時点でこの試合というよりもオーストラリアの今大会の決勝トーナメント進出の夢は霧散したのかもしれない。あれほど破るのが至難だったSchwarzer の守るゴールが26分で2回も破られたのがショックだった。やはり世界の列強は違うと痛感させられた。
先制点を喫したオーストラリアは Lucas Neil が走り込んだMüller の位置がオフサイドではと抗議したがそこは on side であった。
オーストラリアはスピード不足を露呈。この日の守備的MF Carl Valeri と Vince Grella は易々と破られ Grella は前半終了後 Brett Holman と交替でベンチに下げられた。 
オーストラリアは後半決定的な痛手を負ってしまった。57分 Cahill が ドリブルで上がるSchweinsteiger にタックルに入るがその前に Schweinsteiger がボールを離したのでタックルが late tuckle になってしまった。
するとメキシコ人のMarco Rodriguez 主審は Cahill にレッドカードを示す。その前に Mertesacker のハンドを見逃しオーストラリアにPKを与え損なっていたのに..... 信じられないと言った表情の Cahill 。

これでオーストラリアは攻撃の重鎮も失い防戦一方。67分にMüller 、70分には Badstuber の突破からボールを受けたMüller が中に折り返し Cacau のゴールを引き出し遂に4点差がついてしまった。



1974年西ドイツ大会でもほぼ全員がアマチュア選手で構成されたオーストラリアは当時世界一と言われた Budesliga の選手で構成された西ドイツと対戦した。当然西ドイツが勝ったのだがそれでもスコアーは 0-3 。
36年後の殆どが欧州ベースのプロ選手で構成されたチームで再び挑んだドイツ戦は更に点差の開いた惨敗となってしまった。
4年前は最後の10分間に3連続得点を挙げて日本を撃破し決勝トーナメントに進出したSocceroos が今回はこの敗戦を挽回できずに1次リーグで大会を後にする事となった。 


Joachim Löw’s men on a high after thrashing Australia
Times
ドイツ人が変われば変わるほど物事は同じである。もしオーストラリア戦の一コマ一コマがステレオタイプに要求された様な予測されたことであれば - この伝統的な列強国が6大会連続で初戦を勝利した事は – この上ない流れる様な勝利に他ならない。これがドイツだった。
しかし我々の知っているドイツではなかった。そこにあった並はずれた鋭いパファーマンスで Moses Mabhida Stadium とそこに提供された価値のある喧騒を一掃してしまい、オーストラリアを相手にせず彼らの周囲でプレーをし最後には彼らに屈辱を与えてしまった。馴染みのある得点者がそこにはいたがブルドーザーの様なバレリーナのタッチであった。
Tim Cahill の Bastine Schweinsteiger へのファールによる早すぎた退場の影響によるスコアーは恐らく光り輝くものにふさわしいであろう。その Everton の選手の早まった大会の終焉は慰められないであろう、しかしそれは正当なものであった。誰がドイツが2010年南アフリカ大会でこの様にスパークするであろうと予想したであろう?
このチームはしかし大変な改革のされたチームで昨夏のEURO U-21 で優勝を助けたメンバーによって引き締められたそしてドイツの再生と刷新の象徴である至高なる Mesut Özil によって哀れなオーストラリア戦で鼓舞された。トルコからの外国人労働者の子供であるÖzil は試合前コーランを朗読する。
Lukas Podolski は均衡を破り Miroslov Klose に就いては片足を引きずりながら3ゴールに終わった昨シーズンの Budesliga での不調をあざけるように見降し自身ワールドカップ11ゴール目を決めた。
Thomas Müllerと Klose と交替で投入された Cacau もそれに続いた。
”彼らは我々を打ち負かした。” オーストラリア代表監督の Pim Verbeek はこの様に語った。 
一方で試合前の戦術論議に就いては- ドイツはPKを21回連続で失敗していない。そして1994年大会以来一度も1次リーグで敗れていない – 等々抑揚、人間性、ポジション、いつもの確実性が語られた。4年前 Jürgen Klinsman は自分たちの硬い伝統の繋ぎを解きはじめた。しかしその過程は急がされた。
もちろん負傷は Joachim Löw から Chelsea の Michael Ballack をはじめ Rene Adler, GK Heiko Westerman そして Simon Rolfes を奪った。その一方でかつての中心選手 Kevin Kuranyi, Torsten Frings そして Christoph Metzelder をコーチの好みにあわず除外された。残されたのは経験の浅い、勇敢な、多文化的な、面白い有望な選手達だ。
開始の5分間はオーストラリアがサポーター達が Durban の South Beach でそうだった様に波に乗っていた。しかしドイツが前方にプレスを掛けだすと彼らは流動性を持ってきらめきだした。 Klose の後方に配置された3人の攻撃的選手の1人Müller が右サイドを突破しボールを Podolski に戻し放たれたショットは Mark Schwarzer の手を弾いてゴールネットに吸い込まれた。 そしてオーストラリアの勢いを奪ってしまった。
Podolski の左からのクロスから絶好機が訪れたが Klose は逸してしまったがこのベテランはひるむことなく、次のPhilipp Larm の右からのクロスに走り込み、ブロックに入ろうと前に出て来た Schwarzer の鼻先で合わせたヘッドから追加点を奪った。
メキシコ人主審の Marco Rodriguez が Per Mertesacker のハンドを見逃した時オーストラリアの規律は退化し始めた。まずMüller にスペースを許し僅かに外に外れたカーブのかかったシュートを放たれた。
そして Cahill が – のっぴきならない公式なルールによって- 悪夢の夜を更に悪くさせてしまった。そこにあったオーストラリの抵抗は粉々になってしまった。
2分間で追加された2得点は殆どドイツを得意がらせる事は無かった。波の様にポゼッションを許され、前に走り込んだ Podolski にお膳立てされたチャンスをMüller が左ポストサイドに蹴り込み、ピッチに入ったばかりの Cacau がÖzil のスマートなクロスを右ポスト際に叩き込んだ。 
“我々はパーフェクトだったか?私はそうは言えない。まだまだ改善の余地はある。これはまだ大会の最初の試合でオーストラリアに勝つ事が最終的な目的ではない。 まだもっと難しい相手がいるだろう。しかしよいウォームアップになった。陶酔感は無い。” 
Klose のヘディングによるワールドカップでの得点は7となり歴代1位となっている。
これまでのヘッドによるゴール数の歴代上位5位は下記の通り。
Klose ( Germany ) 7, Gerd Müller ( West Germany ) 5, Klinsman ( West Germany / Germany ) 4 Skuhravy ( Czechoslovakia ) 4 Szarmach ( Poland ) 4



Tim Cahill sent off as Germany humbles Australia in World Cup Opener
The Australian

Socceroosのワールドカップはスター選手の Tim Cahill が退場となる等 0-4 で完敗を喫すると言う当惑させられた悪夢で始まった。 Lukas Podolski, Miroslav Klose, Thomas Müller そして交替出場の Cacau らのゴールがドイツを快勝に導き、62,660 人の観衆の前で Socceroos との格の違いを見せた。
既にショッキングな前半を幸運にも2失点で終えて後が無くなった Socceroos は後半11分に Cahill が Marco Rodriguez 主審から一発レッドを受けて彼らの惨状が更に増幅された。挫折感を感じた Cahill は Pim Verbeek によって不得手な1トップにおかれドイツ MF Bastian Schweinsteiger へのぎこちない late tackle を入れてしまった。 しかしそれまで警告すら受けていなかった Cahill に不運にも Rodriguez 主審は躊躇せずに準備していいたレッドカードを突きつけられる。 Cahill の退場が引き金となりすでにがたがたになっていた Socceroos はドイツチームの優れた運動能力により更なる痛みを伴う事となった。
Müller と Cacau がそれぞれ68分と70分に追加点を挙げドイツが少なくとも4年前に上げた功績と同じ実力がある事を証明した。

“我々にとってはイージーなゲームでは無かった。ドイツは我々より素晴らしかった。我々はドイツが大会の優勝候補である事は理解している。なぜなら彼らはファンタスティックなチームだからだ。 我々はこの試合から学ばねばならない。次の試合まで肉体的にもメンタル的にも回復する為の6日間がある。” 
試合後 Verbeek はこう語った。
Socceroos にとって数少ないワールドカップ史上最悪の試合結果となり希望よりも早い帰国を強いられる事が現実味を帯びて来た。Cahill の出場停止の中でオーストラリアが望みを繋ぐ為に次に Rustenburg で行われるセルビアを 1-0 で破ったガーナを破る必要がある。
この試合は自分のチームが引き裂かれるのを90分間ベンチで見ていた Kewell の出番だ。しかし Socceroos はもしドイツ戦で露呈した中盤と守備陣のスピード不足を解消出来ないのなら Kewell 以上のものが必要だ。




Red card for Tim Cahill destroys Aussie hopes against Germany
The Australian

彼は football の柱を確立する為にオーストラリアの救世主で主力選手だった。しかしオーストラリアのフラストレーションの鬱積した Durbanの不名誉な夜で57分にドイツの Bastian Schweinsteiger へのタックルに大ナタを振るうがごとく1発レッドを出された Tim Cahill が最後に向かった先は早すぎるシャワーを浴びる為の控室だった。 潔白を示す芝居じみた事もなければ獰猛な公言もなくただ服従を示す肩をすくめて頭を振りながらピッチを後にした。Cahill は自身の激烈さと同様に引き金を引きたくてむずむずしていたメキシコ人の Marco Rodriguez 主審の犠牲となった。しかし彼が重い足取りで退場する時はそれほど怒りに満ちた表情ではなかった。
2-0 とリードされた時点で10人となったオーストラリアが生き返るチャンスは消されてしまい、更に2ゴールを追加された。 物事を悪くした事に Cahill は次の必勝を期するガーナ戦には強制的に出場出来ない。アピールする権利は無い。例え多くの人々がレッドカードは早すぎる判定と思っても。
例えその運命がやって来る前でも Cahill は既に魔法の杖を控室に置いて来ていた。ドイツのパワーと技術が全てを凌駕していいた。彼の仲間も同じ不安に感染していた。 Cahill – ドイツ側が唯一オーストラリアの脅威を与える選手と認めていた – 彼は自分の急造のパートナーと思われた間に合わせのストライカー Richard Garcia が Stevie Wonder よりも盲目的に上がってくるので硬直する以外になかった。 
2人の息は合わず取り残された Cahill は CB のArne Friedrich と Per Mertesacker を相手に息を切らし効果的な働きが出来なかった。
中盤をドイツに支配され、殆どボールを受けられなかった Cahill は言われていた様に前進する為に圧力を掛ける事がさっぱり出来なかった。その Everton のMFのフラストレーションはボールの供給が遮断されるにつれてとろ火で煮詰められる様に上がっていき遂には爆発してしまった。 




Tim Cahill in tears after World Cup red
Sydney Morning Herald

英国紙 The Guardian は最悪のシナリオをレポートする。“ 彼は 事態を重く見るかもしれないFIFA 規律委員会の決定を待たねば ならない。もし彼のファールが華々しく向う見ずなプレーの一例と思われたら彼は Group D の残りの試合も出場停止となりもしオーストラリアが1次リーグで大会を後にする事となれば彼がワールドカップでこれ以上プレー出来ない事となる。”

この MF はこの物議を醸す退場に就いて試合後尋ねられた時に泣き出してしまった。  “自分の football career で最も悲しい瞬間だ” Cahill が答えると丁度 Schweinsteiger が通り彼に近寄り肩を抱いてこう言った。
“あれは red card ではない。” 
“彼 ( Schweinsteiger ) は良い選手だ。時に選手はピッチ上で大げさに振舞う。それは理解できるなぜならチームに有利に働くからだ。”
Lucas Neil はこう語った。“もしテレビで見れば Cahill は後ろからタックルに入ろうとし Shcweinsteiger を倒してしまった事が解る。” 
Everton でMFを担う Cahill はこの夜オーストラリアのいつもの保守的な Pim Verbeek 監督の驚くべき1トップとして起用され、何とかプレーをしていた。
この夜もVerbeek がワールドカップ予選や親善試合で用い続けた 4-2-3-1 のポジションであったが3人ストライカーをベンチに置き Cahill を1トップに置いた。
トップに置かれた Cahill は孤立し殆どドイツに脅威を与えることは無かった。ドイツが試合を支配する中で彼はフラストレーションが募ったと思われたが彼はフィールド上のどこでプレーしようともハッピーだと語った。
“私はただ母国の為にプレーできればそれで名誉だ。多くの選手達がスタメンでプレーしたくても出来ないでいる。左サイドバックでもプレーする。それは何も問題は無い。 私は自分の特徴を熟知している。私は100%遂行する。私は最後の試合で自分の価値を見せる為にベストなトレーニングを行う。” 

こうなってくると大会直前で Scot MaCdonald をメンバーから外したことが堪えてきたんではないかな.... 前回日本が初戦で躓いて立ち直れなかった同じ轍を踏んでいくのではとこの時思った。この試合の翌日に行われる日本対カメルーン戦を前に初戦の大事さを痛感させられた。   つづく...