Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

スペイン戴冠! 決勝戦前の報道から

2010-07-18 | 夏季五輪
1か月に渡るワールドカップもスペインの優勝で終わってしまった。 
終わってしまえば早いもの。私は大会終了直後に商用で日本を離れねばならずまだ決勝戦も準決勝もゆっくりとDVDを見ていないのです。
若い時なら(こう思う事自体もう年寄りか?) 徹夜でワールドカップテレビ観戦はいくらでも楽しめたのだが今やもう12時を過ぎるとなかなか起きていられないんだなぁ….. 決勝戦は90分の戦いが過ぎたところで目が醒め、イニエスタの決勝ゴールやスペイン優勝の瞬間は見る事が出来た。
そして次のワールドカップまで4年を待たねばならないのか….と思った。でも長い様であっという間の4年間なんだろうなぁぁ…( 俺は真央ちゃんか?) 
次はブラジルか…ちょっと遠いなぁ…. でも日本がしっかりとアジア地区予選を勝ち抜いてくれる事をまず祈るよ……

Holland draw inspiration from past great ahead of Spain clash
Daily Telegraph

Bert van Marwijjk オランダ代表監督は偉大な先人達がスペインとの決勝戦を控えた選手達にとって inspiration ( 鼓舞激励となる人 ) になりうると信じている。
彼は Johan Cruyff や Ruud Gullitらかつての英雄達にアドヴァイスを求めた事を表明し、過去の偉大な歴史が選手達の重荷にならないと信じている。
“彼らは inspiration だ。それは準決勝のウルグアイ戦で3点目を取った時に思った事だ。 そして我々はこの32年ぶりに決勝進出を出来る大きなチャンスを迎えていると思った。そういった選手達はまさに inspiration だ。この5週間私は Ruud Guliit や Johan Cruyff と何度も話をした。また私達はここにトレーニングに来て以来 Ruud Krol とも一緒にいる。彼は練習中もずっとベンチに座っていた。その間そういった元選手達と過去の事や今の選手達のやり方そして練習に就いて多くを話した。”
そして調子を落としている Arsenal のストライカー Robin van Persie の見通しに就いては “この最終戦には改善してくるだろう。Robin には前面の信頼を置いている。 彼はまさに今大会最高の仕上がりとなり決勝戦ではベストな調子になると信じている。” 

Wesley Sneijder loyal to Inter despite Manchester United interest  Guardian

Wesley Sneider は Manchester United が興味を示す宣言をしても来シーズンも San Siro にて Internazionale でプレーする事を公約した。
昨シーズン Jose Mourinho の元でプレーした Sneijder は Coppa italia, Serie A そしてUEFA Champions League のタイトルを勝ち取り、ワールドカップでは優勝と得点王を狙っているこの南アフリカの地で United がアプローチをしているのだ。
Inter の Moratti 会長は Sneijder の代理人である Soren Lerby 氏と共に Sneijder は放出する気はないと話しており、決勝戦後は新規契約に就いて話し合いの場を持つとの事。
Sneijder は7月18日に結婚式を控えているが Moratti 会長は2015年まで契約を交わした元 Liverpool 監督だった Rafael Benitez 新監督と共に会合を持つ予定。
“私はInter には大変良いフィールングを抱いており、全てを勝ち取り Mourinho を失った後で皆を失望させたくない。 私の目的は良くシーズンも新監督の元で成功する事だ。United がアプローチした事に就いては驚きはしない、なぜなら昨シーズンは良くプレー出来たからだ。しかし私の希望は Inter に残る事だ。今月の後半に契約延長に就いて彼らと話をしたい。”
Sneijder はこう語った。 Manchester United は Sneidjer 獲得の為に €3,500万 ( 約37億1千万円 ) を準備すると報道されている。12か月前彼は €1,800 万 ( 約18億4,800万円 ) で Inter と5年契約を結び Real Madrid から移籍をして来た。
この莫大な利益をもたらす話は Inter にとっても悪い話ではないが、 Moratti 会長は
“ Manchester United が Sneidjer に興味を示しているのは事実だ。しかし私はこの誘いには乗らないつもりだ。 Sneidjer の決定を尊重し、私も同様彼が翌シーズンも Inter でプレーする事を考えている。“ 決勝戦を前にこの様に発言している。




Dutch heroes on the sidelines will be an inspiration, not intimidation
The Independent

28年前、その当時オランダ代表主将で歴史上最も多いオランダ代表キャップ数を誇っていた Rudi Krol はバルセロナの丘の上のカフェーで栄光の時代が去ってしまった絶望を語っていた。
今、彼はここ南アフリカで日曜日の夜に football に於いて最も偉大なタイトルを勝ち取るチャンスを迎えようとしている選手達の練習の参加している。そしてそれは何千年も前から待ち焦がれた様であった。
“我々には自分達が出来なかった事を成し遂げようとする機会を得た選手達がここにいる。” 
彼は言った。 28年前カタルーニャの丘で彼はただブラジルのソクラテス、ジーコそしてファルカン達がワールドカップに出場しているのをただ見ていた。
“ブラジル人達はずっとそこに居続けている。しかし2大会連続で決勝戦に残った我々は欧州予選すら突破出来なかった。”
Krol はナポリでプレーをしオランダ人特有の多機能な能力を発揮しスイーパーの任務を易々とこなしていた。しかしかつて所属したオランダ代表の将来を考えると大変厳しい絵しか見えてこなかった。
4大会連続でワールドカップ欧州地区予選落ちした後に Total football を掲げ1974, 78年大会は決勝にまで進出したが Buenos Airs で敗れてから次のワールドカップに出られるまで12年間待たねばならなかった。彼は夢は終わった-少なくとも自分が生きている間はこういう事は無いだろう –と骨身に感じた。
Van Manwijk は Krol, Gulitt , Cruyff らかつての英雄達を重荷でなく inspiration
( 鼓舞激励してくれる人 ) と捉えている。また彼少なくとも無意識のうちにある事にも影響を受けているだろう。
それは数日前にスペインの素晴らしいアプローチに就いてスペインの地元紙に寄せられた Cruyff が自身の特徴的で辛辣なコラムだ。 “私はオランダ人だが常にスペインの football を護衛している。
もし彼らの様に攻撃的な football を展開すれば多くの勝つチャンスがある。そしてもしボール保持を好む相手にカウンター攻撃主体のゲーム展開を試みると苦戦は免れない。事実はこういう事だ。もしスペインを打ち負かそうとすれば彼らにやられてしまう。そしてオランダは知っている。対戦相手は世界最強だと言う事を。
スペインが初戦のスイス戦で敗れた後でも充分に彼らは今大会優勝しうるDNAを持っている事が解った。 
” Cruyff が何か影響を与えたかは定かではないが Marwijk のコメントがある事を示唆している。ある段階では少なくとも選手達を束縛から解き放ったと思われる。
“スペインは恐らく Barcelona から影響を受けているだろうし、 Barcelona はかつて Johan Cruyff と Rinus Michels から影響を受けているそしてそれはオランダ football への大きな敬意だ。恐らく決勝戦を前にして少し皮肉な言い方かもしれないが私はそうは思っていない。スペインを尊敬しているが我々は自分のやり方を貫く。現在ではスペインの方が我々よりやや魅力的だろう。そしてスペインの様に可能な限り華麗にプレーをしたい。スペインはボールを持つと大変素晴らしいがボールが無い時でも大変早く動く。 したがって football をプレーしようとするチームには面白くなるだろう。 ”
Manwijk 監督はこう語った。 スペインのプレッシャーの恐怖に対しては Sneidjer, Robben そして再び目を覚ました van Persie らキーとなる選手達で対抗せねばならないが Gulitte は“ Sneidjer と Robben は Champions League 決勝戦に進出しているので大会前は楽観的に見ていた。しかし決勝戦を前にコンディションとモチベーションに注視せねばならないだろう。 大きなタイトルに臨むと言う事に我々は期待をしたい。だが相手は偉大なスペインであると言う事を忘れてはならない。”
Cryff の献身に就いては1977年彼が代表から引退する少し前オランダ代表メンバーとして Wembly に遠征し 親善試合でEngland を粉砕してしまったがその試合は殆どハーフウェィラインをまたがなかった。その少し前に彼は Nou Camp での Malaga 戦で審判の手を出そうとして退場になったが彼は後ろから掴まれてパンチを出せずにいた。すると怒ったサポーター達はピッチに雪崩込み中継車に火を点けてしまった。
Hiddink gives Dutch seal of approval : Sydney Morning Herald

Guus Hiddink は彼の仲間である Johan Cryff がまだこの件に就いては完全に何も話していない一方で優勝候補スペインと対戦する準備を進めているオランダ代表に太鼓判を押した。オランダ紙の Algemeen Dagblad 紙に Hiddink は
“オランダはここ近年、美しい football が現実的な footnball に取って替るドイツの様になって来た。常に美しいものには目に映らない。そしてもう少し長い間良い football を見てみたい。しかし Bert van Marwijk 監督と選手達が成し遂げた事は大変なことだ。”
63歳のHiddink 氏はトルコ代表監督に就任する事が決まっておりその人気は2012年欧州選手権までだ。 彼は南アフリカでオランダがデンマーク、ニホン、カメルーン、スロヴァキア、ブラジルそしてウルグアイを連破して来たそのプレースタイルを批判する Cruyff とは一線を画している。
“ワールドカップの決勝に進出したチームのコーチをしたことも無い私がどうして批判出来ようか?Van Marwijk はチームに多くの確信を与えた。ブラジル戦でオランダ相手にプレーするのは困難な事であると思わせられた。” 

Cruyff はオランダ代表が決勝に残る事には懸念を持っていた。
“半分の選手達は大変良いが残りの半分はまだ自分を見せていない。” と De Telegraaf 紙に語っていた。彼は GK Maarten Stekelenburg ( Ajax Amsterdam ) と Dirk Kuyt ( Liverpool ) に高い評価を与えていた。 そしてこの二人の活躍が決勝進出に繋がったとも語っていた。
そしてスペインの El Periodico de Catalunya に“スペイン代表は Barcelona のレプリカ”とも語っていた。


オランダ代表がワールドカップに初登場した1974年西ドイツ大会の欧州地区予選の最終戦、ホームでベルギーと0-0で引分け共に4勝2分ずつで並んだが得失点差でワールドカップ初出場を決めた。
この試合、一旦はベルギーにゴールを割られたがそれはオフサイドの判定だった。もしこのオフサイドを線審が見逃していいたら……
大会前の評判は優勝候補ではなくダークホース。地元西ドイツと前回優勝のブラジルの評価が高かったが、ブラジルはペレや主力が抜けていたので戦力ダウンは否めく、England が地区予選で Poland に敗れていたので地元西ドイツに大いに勝機ありとの印象だった様だ。
この大会、スペインは地区予選ではプレーオフまでもつれ込みユーゴスラビアに敗れていた。
今では考えられないが1970,1974年と2大会連続でスペインは地区予選で敗退していた。

Cruyff 率いるオランダ代表は試合毎に強さが増していった印象だったらしいが、当時は今の様にはマスメディアが発達しておらず Total Football の全容が世界の列強に充分に伝わっていなかったとも思われる。
続くアルゼンチン大会は地区予選を楽々勝ち抜いた後に Cruyff は“ワールドカップは既に経験したから充分“と代表から引退してしまった。それでも Krol や Rep, Resenbring ら前回大会のメンバーが多く残り Cruyff 以外のポジションは前回を上回ると言われたオランダ代表は決勝まで進出。地元アルゼンチンに敗れたものの Cruyff 抜きで決勝まで進出した事で大会後の評価は高かった。そしてこの決勝戦は主審がアルゼンチン寄りの笛を吹いたと欧州側のメディアはずいぶんと指摘していた。

しかし74年大会のメンバーが代表から抜け次の世代が育っておらず1980年欧州選手権は東ドイツ、ポーランドとの激戦の末本大会出場を決めたが1次リーグで敗退し、ワールドカップの舞台に立つには Gullit 達の世代の出現を待たねばならなかった。
スペイン大会の欧州地区予選では74年大会の生き残り Krol が孤軍奮闘していたのを思い出す。





Gio looks for fairytale ending : Sydney Morning Herald

オランダ代表主将の Giovanni van Bronckhorst はスペインを破る事によって物語の終わりとしたいと思っている。
35歳の Feyenoord のスター選手は相手が例え欧州王者のスペインであっても2度の準優勝を果たしたオランダが今やワールドカップのタイトルを勝ち取る機会が来たと信じている。ウルグアイとの準決勝戦で 3点目のゴールを決めて試合を決めた van Bronckhorst は試合後この様に語った。
“これ以上ない物語の結末ととなり得る。今大会は我々のトーナメントだ。我々は負けないと言う気がする。我々は常に最高の試合は出来ないがどこからでも得点が取れそうだ。” 
かつて Rangers, Arsenal そして Barcelona でもプレーした van Bronckhorst は来シーズンから U-21 のアシスタントコーチの職に就く。
今大会はこれまで EURO2008 での感じた事のないものを感じると言っている。
“2年前にフランス ( 4-1 ) イタリア ( 3-0 ) を破った様な感覚はまだ感じていない。あの時は我々はどこまでも勝ち進めると思ったがロシア戦で全てが終わってしまった。 もし EURO2008のグループリーグで感じた勢いが決勝戦で感じる事が出来れば優勝できるだろう。それは素晴らしい事だ。”
Van Bronckhorst は決勝戦に出場すれば代表出場試合数が106となりこれは Edwin Van der Sar ( 130 ) Frank de Boer ( 112 ) に続いて3番目の記録となる。
“私は自分のゴールで狂喜している地元のサポーター達を試合後テレビで視た。それは素晴らしい事で多くの人をハッピーにできると言う大きな動機づけとなる。そして優勝を地元に持ち帰るとどうなるかなんて考えが付かない。” 
この様に左ウィングと攻撃的中盤を勤めるベテランは語った。
Van Brockhorst は1998年大会ではベンチからPK戦までもつれ込んだ準決勝戦のブラジル戦を見ていた。そして2000年の欧州選手権の準決勝戦でイタリアイア手にPK 戦で敗れたメンバーでもあった。
“我々は何度もタイトル獲得まであと一歩のところまで近付いた事がある。だから笑って最後を迎えられればそれは素晴らしい事だろう。” とも付け加えた。 




試合後 van Brockhorst はインタビューで以下の様に答えたらしい。我々は世界王者に手が届こうとしていたが最後は届かなかった。それは残念なことだけどこのチームチームには誇りを持っている。そして我々が成し遂げた事全てにも。我々がここまで来れた事も、この日全てを出し切れた事も。 Van Brockhorst は2006年大会にワールドカップデビューを果たし、今大会の日本戦を含めて10試合ワールドカップの試合でプレーした。2006年は FC Barcelona の一員として来日し FIFA Club World Cup にも出場した。 

でも日本がオランダとワールドカップで対戦するなんて70年代、80年代当時夢にも想像できなかった。だけどこんな後ろ向きなことばかり言っているから自分は古い考えから脱却できないのかもしれない。21世紀にはいってもう10年経つんだしなぁ…