Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

反町 JAPAN 無念の……

2008-08-11 | 夏季五輪

ロスタイムは3分。1点のビハインド。テレビのブラウン管を通してでさえ雨粒は時間を追うごとにはっきりと映ってくる。時計の針は90分を回ろうとしていたがロスタイム3分の表示が。まだチャンスはあると思える時間が。91分25秒、本田圭祐がセンターライン付近で倒されてFKを得る。そのFKを左サイドの安田に繋ぎ、安田はゴール前に入れると豊田がナイジェリアの Onyekachi Apam に競り勝ち前に落とす。岡崎がナイジェリアDFを背負いながら豊田に戻すが豊田は空振り。惜しいチャンスであった。そして Solomon Okoronkwo のドリブルを許すが最後は森重がカットしてもう一度左サイドの安田にフィード。テレビのテロップには柔道女子52kg級で中村美里が銅メダルを勝ち取った速報が出る。男子サッカーも…..と思う92分30秒、真ん中の岡崎にボールが入り、岡崎は梶山に戻す。ナイジェリアDF陣はゴール前を固めているのでPAの付近にはスペースが出来ている。そして両サイドにも。 梶山が安田に戻すともう一度安田はPA内に侵入した豊田に入れる。ここでも豊田は空中戦に競り勝ったがこぼれ球に滑り込んだ谷口はわずかに届かずボールはゴールラインを割ってしまった。あと10cm もなかっただろうに…….谷口は足をつったか、ナイジェリアのDele Adeleye が谷口を気遣う。
GK Ambruse Vanzekin がボールをセットした時はもう93分になろうとしていた。
そして Vanzekin がボールを蹴りだしたときにイラン人 Moradi 主審のホイッスルが鳴り反町 JAPAN の1次リーグ敗退が決まった。 
途中出場でナイジェリアの2点目を決めた Victor Anichebe がユニフォームを脱ぐ、誰と交換するのだろう……..ピッチには日本選手が倒れこんでいる。やっぱり初戦のアメリカ戦の敗戦は痛かったなぁ……


8月9日夜に出張から帰国し、この試合をテレビ観戦するのを楽しみにしていた。できれば日本が初戦で勝っていればよかったのだけど……..8月6日のアメリカ戦は南半球の Wellington で Yahoo のサイトをじりじりしながら追い掛けていた。かえってすぐに録画していたその試合を見たのだが途中で寝てしまった………

あとが無い日本は左サイドの長友に替えてA代表での出場経験もある安田、ボランチの梶山に替って浦和REDSの細貝そしてFW森本に替って李忠成がスタメンに。細貝の怪我の回復具合が心配だった。それよりも不調が伝えられ、途中出場のアメリカ戦でも良いパフォーマンスを見せられなかったと報道された李がどうしてスタメン起用されたのだろう?
一方のナイジェリアは初戦のオランダ戦とは同じスタメン。GK Vanzenkin, DF Onyekachi Apam Dele Adeleye, Olubayo Adefemi, MF Sani Kaita, Promise Isaac, FW Solomon Okoronkwo, らは2005年FIFA U-20 のメンバー。 控え選手でも MF Monday James らが同大会にエントリーされており, FW Chinedu Ogbuke, DF Efe Ambrose, 第二GK Ikechukuwu Ezenwa と MF Oladapo Olufemi は 2007年FIFA U-20 で0-0 で引き分けた日本戦に出場。 Victor Obinna, Victor Anichebe Peter Odemwinge の3選手はワールドカップ予選でA 代表入り経験のある選手。 Odemwinge はOver Age 選手。
これだけの顔ぶれをみると“あぁ 日本もOver Age がいればなぁ…….” と思ってしまう。 

それでも立ち上がりは開始早々香川が切れ込んでシュートを放つなど“少なくとも勝ち点1は”と期待させてくれた。香川は4分にもミドルを放つ。5分には左サイドの安田が相手DFを振り切りクロスを入れるが走りこんだ谷口は相手DF2人のマークに遭いシュート体勢が不十分。8分には右サイドの空いたスペースにロングフィードが入り右サイドの内田が走りこむ。何とかこのリズムの時に先制点が欲しいと思うがしかし10分過ぎからナイジェリアが徐々にエンジンがかかって来る。20分には Odemwinge がクロスを上げて中にいる Issac を狙う。一旦日本DFがクリアーするもこぼれ球を拾われて再び入れたクロスのクリアーを拾った Adefemi がミドルを撃つがこれはGK西川の正面。22分にはOkoronkwoのFKが日本ゴール前に放り込まれファーサイドの Odemwinge の頭にあうがこのこぼれ球も何とかクリアー。しかし Odemwinge の高い打点はそれだけで強烈なシュートを打たれたような脅威を感じさせられる。24分にはボールを奪われ Okoronkwo のドリブル突破を許しなんとかPA前でカットするがそのこぼれ球を Odemwinge に拾われスルーパスを日本ゴール前に入れられる。しかし僅かに Okoronkwo に合わずに事なきを得る。29分には今度はスルーパスが Okoronkwo に通され、本田拓也をかわして中央にパスを通されそこには Odemwinge が走りこむが、そこから撃たれたショットはクロスバーを大きく越えてくれた。 31分日本が最初の決定機を掴む。左サイドに大きくフィードされたボールを安田がナイストラップで前に落としそのままドリブルで持ち込む。そして低いライナーのクロスが入り谷口が合わせるがGK Vanzenkin がブロック。しかし谷口もう少し強いシュートが打てなかったか?滅多に無い絶好のチャンスだったのに………
その後もナイジェリアの攻勢は続き36分には Obinna がドリブルで切れ込み森重と相対しボールがこぼれた所を走りこんできた Kaita が強烈なミドルを放ち、37分にはCKから Adefemi がヘッドで狙うがシュートはぞれぞれバーを越えてくれた。44分には Odemwinge が中盤でボールをキープ左サイドに走りこんだ Okoronkwo にボールが渡りそこから入れられたクロスを Adefemi がまたもヘッドで狙うがポストの右にはずれて行った。ナイジェリアの攻撃はほとんど Over Age のOdemwinge と Okoronkwo のパス交換から生まれるがそれを止められないのはやはりスピードの差か??? それでも日本はナイジェリアの両サイドを突きチャンスを伺う。特に安田のサイド突破から何度もチャンスを掴みかける。初戦のアメリカ戦で長友が起用されたのは五輪前のオーストララリア戦の良い残像が反町監督の頭に強く残り過ぎていたか…
本田圭祐はさすがに1対1でも引けを取らなかった。できれば相手ゴール前に近いところで後半はその能力を発揮してくれれば……と思った。

それにしても前半終盤から観客席から”加油 !! 加油!!" の歓声が聞こえてくるけど、どちらに送っているのかな???

後半先制点が取れないか?さもなくばナイジェリア攻撃陣を完封できまいか?それともシュートミスを続けてくれないか.....と願っていたが57分に先制ゴールを許してしまう。香川からボールを奪った Odemwinge が Okoronkwo に渡してそのまま右サイドを突破する。安田そして戻ってきた本田拓也がマークに入るが中の Isaac にボールが渡りそこに走りこんだ Odemwinge が体を反転させマーク二入った水本をブロックし再び Isaac にそして Isaac は森重を背負いながらワンタッチで走りこんできたObinna に戻しそのまま Obinna に日本ゴールに蹴り込まれた。この一連の速さと細かい繋ぎは見事であった。

  

日本は初戦に続いて先制ゴールを許す苦しい展開となった。負けたら後がないので早く攻撃の看板を増やして..と思う李と香川を下げて岡崎と豊田を投入する。これで2トップにしたのだが、このゲームはどうして2トップで臨まなかったのだろう….. 特に豊田は外人選手とは当たり負けしない事をアメリカ戦で証明したのでは…….
交替出場の岡崎、豊田が良い動きを見せるが74分に決定的な2失点目を喫してしまった。 岡崎から谷口へのパスを取られ途中出場の Chinedu Ogbuke に繋がれそして Obinna に渡り一気に日本ゴールにドリブルで運ばれる。CBの水本、森重が必死に戻るがファーサイドに走り込んできた Everton 所属の Anichebe にボールが渡りGK西川が果敢に飛び込んでが強烈なシュートを叩き込まれてしまい2点差とされてしまった。

  

   

74分、日本ベンチは細貝に替って梶山がピッチに入ったがもっと攻撃力のある選手を…… いないかぁ……あぁ Over Age が....... 
それでも日本は79分、ゴールキックを直接拾った谷口がドリブルで中央を突破し最後は裏から走り込んだ豊田にスルーパスを通す。豊田はナイジェリアCBの Apam, Adeleye の2人がマークに入る前に狙うしました様にファーサイドを狙った放ったシュートがゴールネットに突き刺さり北京五輪初得点が生まれた。 
残り時間は10分あるので同点に追いつけると思った。こうしてゴール前までボールを運べばチャンスはあると思った。83分にはカウンターから Ogbuke にフリーでシュートを撃たれるGK西川がまさに指先でシュートコースを変えてCKに逃れる。まだまだ幸運は残っていると思った。日本は内田があがってくる。豊田も特に空中戦ではひけをとらない。ここで同点に追い付けば次のオランダ戦はチャンスだ。オランダは調子が出ていないと報道されている。しかしその為にもまずは同点ゴールだ…………..

試合終了後の記者会見で反町監督は “全部出した……..” と語っていた。しかしその言葉はオランダ戦の後で言って欲しかったなぁ…..

   


日本は1次リーグ敗退が決まった。オランダはアメリカ戦ではロスタイムに Geral Sibon のゴールで何とか引き分け準々決勝進出の可能性を残した。日本だけがグループ内で敗退が既に決まっており4年前と同じ状況だけどあの時は最後のガーナ戦で大久保のゴールで意地の1勝を挙げた。 オランダ戦で最後の意地を見せてくれることを願う。