鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1922~風神雷神

2020-04-29 10:05:18 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、風神雷神です。

久しぶりに小説らしい小説をじっくり読んでいます。
原田マハのアート小説「風神雷神」。
予約して購入した割には上下巻の分厚さに圧倒され、読み始めるまでに半年もの時間を要しました。
いざ読み始めるとお気に入りの作家だけあって、一気に作品世界に引き込まれました。

物語は現代、風神雷神に相当するギリシャの神々JuppiterとAeolusを描いた絵が発見されたところから始まります。

続いて物語は一気に、安土桃山時代へと飛びます。
天正少年使節団、俵屋宗達、織田信長、狩野永徳らが次々登場します。
続いて京の栄華を余すところなく描いた屏風絵、洛中洛外図屏風をめぐる人間模様が丁寧に描かれます。
時の権力者はこれを地方の権力者と同盟を結ぶための切り札として用いたのですね。

俵屋宗達はわずか7歳で生家である扇屋の売れっ子絵師になり、10歳で信長に謁見します。
そして12歳のとき、信長の命により洛中洛外図屏風の制作をする狩野永徳を手伝うことになります。
宗達が永徳を手伝ったことは史実ではないでしょうが、生没年を含め何かと謎の多い宗達だからこそ筆者は自由に書いています。

この後も次から次へと意外かつド派手な展開が続きます。
いくら何でも史実に反し過ぎだろう!と本に文句を言いつつも、次の展開が楽しみで仕方がありません。

※これ以上具体的な内容はネタバレになるので書けません。
 この大胆な展開を未読の方はぜひご体験ください。
 著者のこれまでのアート小説はかなりち密に史実を織り込んでいますが、今回は冒険しましたね。
 新たな境地ってところでしょうか? 

毎回ついつい時間を忘れて読み進めてしまいます。
気が付けば半身浴は汗だく。
夏ならいつまでの汗が引かなくて困るところです。

気が付けば上巻を読み終わるところ。
こりゃ下巻も楽しみだ。
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