鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1003~天空の蜂

2015-01-19 12:50:52 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「天空の蜂」です。

東野圭吾著「天空の蜂」を読みました。
東野圭吾は「真夏の方程式」以来2冊目。
妻がいっぱい持っているのでいつでも読めると思っていてなかなか手が出ません。

技術屋が引き起こす高度な犯罪を描いており、20年前の作品ながら時代遅れになっていないのは驚きです。

内容紹介を引用します。

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驚愕のクライシス・サスペンス!
天空の蜂はいかなる毒針を刺そうとするのか!? 書下ろし900枚!
前代未聞! 原発を揺さぶる空からの脅迫。圧倒的迫力で描くクライシス・サスペンス

「爆発物を積載した超大型ヘリを高速増殖炉に墜落させる。
それを防ぎたければ日本中の原発を即刻使用不能にせよ」──。
「天空の蜂」と名乗る犯人が仕組んだ恐るべき犯行。
超大型ヘリはすでに原子炉上空千数百メートルでホバリングを始めていた。
だが犯人にも誤算があった。
コンピュータによって遠隔操作されるヘリ内部には、子供が閉じこめられていたのだ。
原発が、子供が、日本が危ない!!

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発表当時は確かに「驚愕のクライシス・サスペンス!」として受け止められたことでしょう。
ただし記述内容のほとんどが事実で構成されていることをどれくらいの読者が信じたでしょう?
今でこそ全国の原発が停止しても電力不足にならないことを誰もが知っています。
政府や電力会社がひた隠しにし続けてきた秘密です。
福島の原発事故がなければこの作品はいまだに絵空事ととらえられていたのではないでしょうか。
さらに原発の上空は飛行禁止になっているので航空機の衝突対策はなされていないという事実。
それを知った今、隣国にミサイルを持ったテロ国家がいるので不安でなりません。
これらの事実を20年前に指摘していた著者の知見に驚かされました。

これら原発の不都合な真実を見ないふりする国民に対して蜂の一刺しでショック療法を試みる犯人。
20年経っても、震災が起きても、国民も政治家も変わらないことが恐ろしいです。

震災を境に今一度、読み返した方が良い本だと思いました。

本書についてネットで調べていたら、なんと今年映画化するそう!
偶然とはいえ驚きました。
監督はお気に入りの堤幸彦。
出演は江口洋介、木本雅弘だそう。
脚本家がこの作品をどう現代風にアレンジして社会に問うのか?
とても楽しみです。



コメント (2)
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